Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

ツーアタックが決まりやすい時・決まりにくい時


photo by FIVB

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ツーアタックが決まりやすい時

ミドルがセッターを横切った時

ブロードやレフト側からのCクイック、ライト側から回り込むクイックにミドルが入る場合、相手ミドルはほんの一瞬、ミドルに気を取られます。

控えセッターに変わって一本目

誰もするとは思いませんからねぇ。

すごく長いラリーの時

やはりラリーが長く続くと一人ひとりの集中力も散漫になりがち。かといって、苦し紛れはダメゼッタイ。

よくコミットする相手ミドルに対して、Bクイックに入った時

言わずもがなですね。ただレフトブロックが見えなくて、シャットーなんて一番あかんパターンです。

ツーが決まらなかった直後

勇気がいるところではありますが、かなり決まりやすいと思います。ただ、ブロックされた後やミスされたあとってのは厳禁です。
ツーをして相手が崩れてもう一回ツーアタックができる状況の場合という条件付きですかね。

チャンスボールの時

チャンスボールの時と一概にいうのも危ないのですが、やはりブロッカーはスパイカーに集中しますからね。

勝負どころ

かなり高確率で決まりますが、あまりおススメできません。まずかなり勇気がいります。勇気がいるということは挙動に出やすいということでもあります。
挙動に出やすいということはバレやすいということでもあります。あと、結局それで点が取れなかったときのチームとしてのダメージがあまりに大きい。
そして最も大きな問題は決めたところでスパイカーからの信頼度が下がるということです。なんだよ、そこで自分で決めに行くのかよと。
リオ準々決勝、ブラジル-アルゼンチンの一番の勝負所でツーをしたデ・セッコ。そしてそれを読んで拾った同じくセッターのウィリアム。しびれた~。
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ツーアタックが決まりにくい時

苦し紛れの時

返球がネットに近い時やセットができないときに仕方なくするツーは当然ながら決まりにくいです。
厳しいボールは無理してでも上げに行かなければなりません。

スパイカーの攻撃が連続で決まっていないとき

これも一種の苦し紛れになりますね。フィジカル的にもサイコロジカル的にも苦し紛れのツーは禁物です。

ツーをする空気の時

これはなかなか言語化が難しいのですが、ある程度球歴なり観戦歴がある方からしたらこの感覚わかっていただけると思います。
おそらくは経験則からくる、こういう時はツーするぞというパスのリズムや、展開を脳が覚えているのでしょう。

自コートライト側からの返球の時

ライト側からの返球の時は、ブロッカーが見づらくなります。

リベロがフロントゾーンでオーバーパスした時

決まりにくいっていうか反則ですね。

決めることに自信がない時

扇の要の野球のキャッチャーと同じく、相手サーブに対峙するときセッターだけが、全員の視界に入っています。
そんなセッターが自信もなくツーアタックして、ネットにでもかけた日には、チームは軽く崩壊です。




ツーアタックってキャッチャーのミットずらしに近いものがあると思います。ピッチャーを助ける技術ではあるけど、あまり露骨にやりすぎるといい顔されないというか。
ミットずらししたがゆえに、入ってるボールをボール判定されたらたまりませんよね。ピッチャーからしたら余計な事すんなよ、となると思います。


ただ持論からいえば、セッターはばんばんツーしていいと思います。
しかし私のセッターの美学という観点では、セッターがツーアタックで失点することは許されないとも思います。なかなか相反してしまいますね。
なんだかんだ言って一番大切なのはスパイカーに仕事してもらうことだと思います。仕事してもらうために相手にツーアタックでプレッシャー与えることができたら、そんなに怖いセッターはいないです。

もし他の惑星でバレーボールしたら

81 Ceti b


[新版]くらべる図鑑 (小学館の図鑑 NEO+プラス)

[新版]くらべる図鑑 (小学館の図鑑 NEO+プラス)

小学館のくらべる図鑑に他の惑星で走り高跳びしたらどうなるか、というなかなか面白いトピックがあったので(リンクはイラストレーターさんのページ)、ちょっとバレーボールでもやってみたい。
アポロクルーは月でゴルフをやったというし、プラネテスでは火星で野球やってたし、想像するくらいはいいじゃないか。


文系なので、正直細かい部分までわかんないんだけど、単に重力の違いだけで計算してみた。いわゆる月なら6倍ジャンプできるってのをある程度具体的な数値で出してみたいという話。
実際、その惑星でやってみたら空気抵抗とか、重力加速度とか、その惑星いたらドラゴンボールよろしくジャンプ力も強化できる!なんて要素は省いてみた。


で、もとになる数値として、指高が270で120cmジャンプして最高到達点390cmというなかなかぶっ飛んだ設定をしてみた。
まぁ、これはレオン君をかなり高く見積もった結果で、こんくらいあるんじゃないかという想定。やっぱ宇宙といえば「コズミック!」と言わしめたレオン君が頭に浮かんだ。

- 地球との重力比 推定ジャンプ力(cm) 推定最高到達点(cm)
太陽 27.9 4.3 274
水星 0.377 318.3 588
金星 0.9032 132.9 403
地球 1 120 390
0.1655 725.1 995
火星 0.3895 308.1 578
木星 2.64 45.5 315
土星 1.139 105.4 375
天王星 0.917 130.9 401
海王星 1.148 104.5 375
冥王星 0.0621 1932.4 2202
界王星 10 12 282


月だったら、最高到達点が9m95cmで約10m。いやぁ、今でもスパイクが降ってくるようなのに10mからのスパイクはなかなか想像できませんな。
とはいえ、10mからのスパイクは落下までに時間がかかるので、なかなか拾いやすそう。実際、戦術としては地上5mくらいの勝負になるんだろうな、たぶん。
そもそもボールにかかる重力も変わるわけなので、フローターサーブなんてほぼ入らないだろう。
パスもボールが軽いので逆にコントロールが非常に難しそう。すっごいざっくりとしたバレーボールになりそうである。


逆に重力が大きいところとして、エントリーさせたドラゴンボールの界王星がなかなか興味深い。太陽の方が重力大きいんだけど燃えちゃうからいまいち想像できないしね。
レオン君が12cmしかジャンプできないって恐ろしいな。そもそも体重も10倍になるわけだからレオン君が90kgとして900kgだったら、12cmもジャンプできるか微妙なところだわな。
そら、悟空強くなるわ。


実際問題、100年くらいしたら火星上に作った体育館でバレーボールなんてのをリアルに期待してしまう。

セルジオに贈る愛

Amistoso Internacional - Brasil x Portugal


バレーボールにおいて、唯一得点の取れないポジション、リベロ。
その代表キャリア最後のプレーはサービスエースだった。


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先般のリオ五輪で金メダルを取ったブラジルは、記念試合としてブラジルの異なるサッカースタジアムでポルトガルを相手に2試合を行った。
国民への顔見せ、パレード代わりというのが大きかったが、もしかしたらこの試合の興行収入なんかが選手のボーナスになったりするのかもしれない。
そして、この試合はリベロ、セルジオの代表引退試合でもあった。


特に二日目のエスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリアでの試合は、かんかんの太陽が照り付けるなか、両チームのセッターはサングラスをかけ、帽子をかぶる選手もいるなどなかなか物珍しい試合となった。

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そして大差で迎えたマッチポイント、コート上の11人、両チーム、審判、そして4万人の観客がセルジオに贈ったのは初めての「得点」だった。
それは長年、ブラジルのコートを守り続け、数多くのメダルをもたらしたセルジオに対する愛であり、別れの哀であった。


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私選2016リオ五輪男子ベスト6


photo by FIVB

以前、ブラジルに金はないと言い切っただけに、恥を忍んでの投稿となる。
まだ明確にブラジルの勝因をつかめていない。いろいろ振り返ってまた謝罪記事でも書こうと思う。


取り急ぎベスト6。

サイド セルゲイ・テチューヒン(ロシア)

バレーボール五輪最多タイ6回目の出場となり、旗手も務めた今大会。
ロシアのもう二人のサイドはどちらも21歳で頼りがいがあるとはいい難く、ほとんどの時間コートに立っていた脅威の40歳。テチューヒンの長男は19歳、あーおそロシア。

サイド ルイス・フェリペ・フォンテレス(ブラジル)

腹をくくって、彼をスタメンにおいてからチームは安定し始めた。
その背中にはジバが、ダンチが、ムリロがいたように思う。彼らに及ぶポテンシャルはあるものの、サーブはいいが守備はそこそこ、短気で問題の多い選手という域を出ていなかったこの選手。
彼を動かしていたのはその種の不思議な力だったかのようである。

次点 フィリッポ・ランザ(イタリア)、ファクンド・コンテ(アルゼンチン)

ランザは決勝が残念だったので、微妙なところではあるが。
そりゃ、「ジェネラル」ユアントレーナやザイツェフに比べれば目立ちはしないけど、スゲー仕事してる。めっちゃ仕事してる。ガチホモみたいって思ってごめん。
コンテとその仲間たちはすごくいいバレーしていただけに、準々決勝の負傷が非常に悔やまれる。
ごめん、ルカレッリ。

オポジット イバン・ザイツェフ(イタリア)


ビースト。持論だがやっぱりすごいオポってのは勝負所で目がイッてるくらいじゃないと務まらん。相手をねじ伏せる意思。その辺がアンダーソンとの差だったのかと思う。

次点 ウォレス・デ・ソウザ(ブラジル)

今大会はルーカスよりもブルーノの精神安定剤となった。
ジャンプ、すごいわー。でもなかなかセッターを選ぶ感じがする。

セッター シモーネ・ジャネッリ(イタリア)

決勝は惨憺たるものであった。しかし、そこまでのパフォーマンスは評価したい。
クリステンソンのうまさは理解できるうまさ。きっとロイ・ボール級のセッターになるだろう。
ジャネッリのトスは正直、理解ができない。上げるところの問題ではなく、どうしてその上げ方でそんなところに上がるのかが理解できないのだ。それをしかも20の若者がだ。
まだまだ20歳、青年よ、経験を積もう。

次点 TJ・サンダース(カナダ)、マイカ・クリステンソン(アメリカ)

カナダベスト8は全くの想定外。滅茶苦茶な時代もあったけど、ホーグ監督がしっかり立て直した。そんな監督が自らのクラブで彼を獲得したのもうなずける今大会の出来。シュミット一辺倒ではなく、ペリン、ホーグをうまく生かしていた。
クリステンソン、ミドルよく使ったね。

ミドル マックス・ホルト(アメリカ)

いやはや今大会のホルトすごかった。アタックすごい、サーブすごい、そしてブロックすごいとまさにミドルのトリプルスリー。

ミドル マウリシオ・ソウザ(ブラジル)

キャラ的になんか地味なんだけど、実は恐ろしく速高スペックを持ち、しかもテクニック満点という実はラスボスキャラ。
大会前の負傷があったなか、非常に素晴らしいパフォーマンスであった。

次点 デイビッド・リー(アメリカ)

兄貴。兄貴があんながんばってるのに若者たちが頑張らないわけにはいかないじゃないか!

リベロ E.ショウジ(アメリカ)

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彼はリベロには珍しくバックセンターに位置どることが多いのだが、サッカーに例えるならば、こぼれ球を逃さず拾う世界屈指のボランチ、ブスケッツのようにその位置取りのうまさで微妙なボールを逃さず拾う。こういう選手いるとスパイカーの攻撃準備開始が非常に早くなる。
ただ強打への対応や、モンスター級サーブでのレセプションでは、今一つな部分があり、今後の向上が望まれる。

次点 セルジオ・サントス(ブラジル)

まだまだ衰えを知らなかった4回連続決勝進出者。彼こそがワールドリーグ決勝とは異なったファクターだったのだろう。

リオ五輪男子バレーボール大混戦A組の進出条件


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4試合を終えて、

- - 勝ち 負け 勝ち点 セット率 最終戦
1 イタリア 4 0 12 6.000 カナダ
2 フランス 2 2 6 1.166 ブラジル
3 カナダ 2 2 6 1.116 イタリア
4 ブラジル 2 2 6 1.000 ブラジル
5 アメリカ 2 2 6 0.875 メキシコ
6 メキシコ 0 4 0 0.083 アメリカ


イタリアはすでに1位通過を決めている。
フランス、カナダ、ブラジル、アメリカの4チームが2勝、勝ち点6で並んでいる状況。
最終戦の結果によって準々決勝進出チームが大きく変わる。
2位と3位は抽選であるが、4位になってしまうとB組1位との対戦となってしまうのもポイントだろう。

ITA○-CAN●、BRA○-FRA●、USA○-MEX●の場合

ブラジル、アメリカは確定、フランスとカナダの勝ち点&セット率争い。

ITA○-CAN●、BRA●-FRA○、USA○-MEX●の場合

フランス、アメリカ確定、ブラジル、カナダの勝ち点&セット率勝負。

ITA●-CAN○、BRA○-FRA●、USA○-MEX●の場合

カナダ、ブラジル、アメリカが確定、フランスの敗退が決定。

ITA●-CAN○、BRA●-FRA○、USA○-MEX●の場合

カナダ、フランス、アメリカが確定、ブラジルの敗退が決定。

ITA○-CAN●、BRA○-FRA●、USA●-MEX○の場合

ブラジルは確定、フランス、カナダ、アメリカの勝ち点&セット率勝負。

ITA○-CAN●、BRA●-FRA○、USA●-MEX○の場合

フランス確定。カナダ、ブラジル、アメリカの勝ち点&セット率勝負

ITA●-CAN○、BRA○-FRA●、USA●-MEX○の場合

カナダ、ブラジルが確定、フランス、アメリカの勝ち点&セット率勝負

ITA●-CAN○、BRA●-FRA○、USA●-MEX○の場合

カナダ、フランスが確定、アメリカ、ブラジルの勝ち点&セット率勝負


やはりアメリカがメキシコに負けるとは考えづらく上4つのパターンの確率が高い。
問題は1位通過をすでに決めているイタリアがメンバーを落とすかどうか。
金メダルを狙うんだったらカナダ上げたほうが正解だが。


どちらにしろ、ブラジル-フランスがすべての鍵を握る。