男子バレー過去のオリンピック決勝スタメン
過去のメダリストを調べれば、12人のロースターは割と簡単にわかるが、だれがスタメンで、どんな布陣だったかはなかなか知りえない。
近年の大会はネットでスタッツを見ることができるが、それ以前は記録的なものは残っていないので、映像から起こしてみた。
モスクワ以前に関しては(モスクワもだいぶ怪しいが)、映像からの判別が困難を極めたので、あきらめた。
2016リオ
ブラジル(3-0)イタリア
Brazil
S:William Arjona,Bruno Rezende
L:Sérgio Santos
WS:Luiz Felipe Fonteles,Ricardo Lucarelli,Maurício Borges Silva,Douglas Souza
MB:Éder Carbonera,Lucas Saatkamp,Maurício Souza
OP:Wallace de Souza,Evandro Guerra
Italy
S:Simone Giannelli,Daniele Sottile
L:Massimo Colaci,Salvatore Rossini
WS:Oleg Antonov,Osmany Juantorena,Filippo Lanza,
MB:Emanuele Birarelli,Simone Buti,Matteo Piano,
OP:Luca Vettori,Ivan Zaytsev
2012ロンドン
ロシア(3-2)ブラジル
Russia
S:Sergey Grankin,Aleksandr Butko
L:Aleksandr Sokolov,Aleksey Obmochaev
WS:Taras Khtey,Sergey Tetyukhin,Yury Berezhko,Dmitry Ilinikh
MB:Nikolay Apalikov,Dmitry Muserskiy,Aleksandr Volkov
OP:Maxim Mikhaylov,
Brazil
S:Bruno Rezende,Ricardo Garcia
L:Sérgio Santos
WS:Gilberto Godoy Filho,Murilo Endres,Thiago Soares Alves,Dante Amaral
MB:Sidnei dos Santos Júnior,Rodrigo Santana,Lucas Saatkamp
OP:Wallace de Souza,Leandro Vissotto
2008北京
アメリカ(3-1)ブラジル
United States
S:Lloy Ball,Kevin Hansen
L:Richard Lambourne
WS:Sean Rooney,Reid Priddy,Riley Salmon,Scott Touzinsky
MB:David Lee,Ryan Millar,Thomas Hoff
OP:Clayton Stanley,Gabriel Gardner
Brazil
S:Bruno Rezende,Marcelo Elgarten
L:Sérgio Santos
WS:Samuel Fuchs,Gilberto Godoy Filho,Murilo Endres,Dante Amaral
MB:André Heller,Gustavo Endres,Rodrigo Santana
OP:André Nascimento,Anderson Rodrigues
2004アテネ
ブラジル(3-1)イタリア
S:Maurício Lima,Ricardo Garcia
L:Sérgio Santos
WS:Giovane Gávio,Gilberto Godoy Filho,Nalbert Bitencourt,Dante Amaral
MB:André Heller,Gustavo Endres,Rodrigo Santana
OP:André Nascimento,Anderson Rodrigues
Italy
S:Valerio Vermiglio,Paolo Tofoli
L:Damiano Pippi
WS:Samuele Papi,Alberto Cisolla,Andrea Giani,Matej Černič
MB:Luigi Mastrangelo,Alessandro Fei,Paolo Cozzi
OP:Andrea Sartoretti,Ventzislav Simeonov
2000シドニー
ユーゴスラビア(3-0)ロシア
Yugoslavia
S:Nikola Grbić,Veljko Petković
L:Vasa Mijić
WS:Slobodan Kovač,Slobodan Boškan,Vladimir Grbić,Goran Vujević
MB:Đula Mešter,Andrija Gerić,Igor Vušurović
OP:Vladimir Batez,Ivan Miljković
Russia
S:Vadim Khamuttskikh,Konstantin Ushakov
L:Evgeni Mitkov
WS:Valeri Goryushev,Igor Shulepov,Sergey Tetyukhin,Ilya Savelev
MB:Ruslan Olikhver,Aleksey Kazakov,Aleksey Kuleshov
OP:Roman Yakovlev,Aleksandr Gerasimov
1996アトランタ
オランダ(3-2)イタリア
Netherlands
S:Peter Blangé,Misha Latuhihin
WS:Guido Görtzen,Rob Grabert,Brecht Rodenburg,Ron Zwerver
MB:Henk-Jan Held,Jan Posthuma,Bas van de Goor,Mike van de Goor
OP:Richard Schuil,Olof van der Meulen
Italy
S:Marco Meoni,Samuele Papi,Paolo Tofoli
WS:Lorenzo Bernardi,Marco Bracci,Luca Cantagalli
MB:Vigor Bovolenta,Andrea Gardini,Pasquale Gravina
OP:Andrea Giani,Andrea Sartoretti,Andrea Zorzi
1992バルセロナ
ブラジル(3-0)オランダ
Brazil
S:Maurício Lima,Talmo
WS:Giovane Gávio,Tande,André Felipe Ferreira,Jorge Edson Brito,Amauri Ribeiro
MB:Antônio Gouveia,Douglas Chiarotti,Paulo André Silva
OP:Janelson Carvalho,Marcelo Negrão
Netherlands
S:Peter Blangé,Avital Selinger
WS:Edwin Benne,Marko Klok,Martin Teffer,Ron Zwerver
MB:Henk-Jan Held,Martin van der Horst,Jan Posthuma,Ronald Zoodsma
OP:Ron Boudrie,Olof van der Meulen
1988ソウル
アメリカ(3-1)ソビエト連邦
S:Ricci Luyties,Jeff Stork
WS:Bob Ctvrtlik,,Karch Kiraly,Dave Saunders,Troy Tanner
MB:Craig Buck,Douglas Partie,Scott Fortune
OP:Jon Root,Steve Timmons
DS:Eric Sato
Soviet Union
S:Valeri Losev,Vyacheslav Zaytsev
WS:Evgeni Krasilnikov,Andrei Kuznetsov,Yury Panchenko,Oleksandr Sorokalet,Yuri Cherednik,
MB:Igor Runov,Yuri Sapega,Raimonds Vilde
OP:Vladimir Shkurikhin,Yaroslav Antonov
1984ロサンゼルス
アメリカ(3-0)ブラジル
S:Douglas Dvorak,Chris Marlowe
WS:Dave Saunders,Paul Sunderland,Marc Waldie,Aldis Berzins,Patrick Powers,Karch Kiraly
MB:Steven Salmons,Rich Duwelius,Steve Timmons,Craig Buck
S:Bernardo Rocha de Rezende,William Carvalho da Silva
A:Bernard Rajzman,Domingos Lampariello Neto,Rui Campos do Nascimento,Renan Dal Zotto,Montanaro,Marcus Vinícius Simões Freire,Fernando Roscio de Ávila,Antônio Carlos Gueiros Ribeiro,Amauri Ribeiro,Xandó
トレントのオープナーシステム
イタリアカップは準々決勝を終えた。木曜日に残されたカードはトレントーミラノ。
サーブですべてを粉砕したペルージャ。低調な内容ながらしのぎ切ったルーベ、ホルトを欠きながらもディフェンスが機能しているモデナに続くのは、どちらか。
今日はトレントがこの試合で行っていた変則的な交代システムについて。
ミラノのほうがよっぽど変則なんだけど、それはまた別の話。
コヴァチェビッチはオリンピック予選以降、体調を崩したか、軽いけがをしたか知らないがリーグ2試合を欠場。
この試合には先発したわけだが、スタッツを見ると先発にもかかわらず、残した数字は2本サーブとレセプション2本のみ。普通であればあり得ない。
ラッセルも欠場したこの試合、コヴァチェビッチも本調子ではない。おそらく、キューバ人のソサを先発させたかったのだろうが、ソサは攻撃力はすごいが、レセプションが壊滅的。
ということで、彼のレセプション回数を最小化するために、まずコヴァチェビッチをサーブのポジションから先発させ、最初の3ローテを凌ぎ、前衛に来たところでソサと交代。
メジャーリーグなどで、本来リリーフ起用される投手が先発登板し、1,2回の短いイニングを投げたのち本来の先発投手をロングリリーフとして継投する起用法を「オープナー」と呼ぶので、これを採用した。
ソサが、前衛3ローテを終え、サーブを打った後のローテーションだけ後衛でサーブレシーブをする。
そして次のサーバー、ミドルのカンデラロにまだ若いサイドのミケレット(西田より若い)を投入。
次のサーブレシーブでは、ソサにリベロを入れる。
ソサが再び後衛に来たら、コヴァチェビッチを再度投入すればよいので、試合展開にはよるが平均2周半~3周するローテーションのうち、ソサは後衛ではわずか1ローテのみレセプションすれば良い。
さらに3人の真ん中でレシーブすることも必要がない。
バレーボールでは一度変わった選手も再び投入できるため、オープナーとクローザーを兼ねることができる。
ただこの試合では、リズムがつかめなかったのか、ソサが肝心のスパイクもトスが上がってこないし、サーブも散々だったので、うまく機能したとは言えず、結局3セット目からはミケレットが先発となってしまった。
ミドルに変えて守備のうまい選手を入れて、レセプションに難のある選手にリベロを入れるというのは、往年の手塚システムなどによく見られたが、
このオープナーシステムと合わせる徹底ぶりというのはなかなか見ない*1。クレブノをミドルに入れるミラノから着想を得たのかもしれないが、さすが魔術師ロレンツェッティ。
トレントが3-0で勝利。
*1:オープナーシステム自体は順大あたりが多用してたけど
ミスをミスにしない
ミスは誰にでも出る。ミスをミスにしないシステム作りが重要だ。
ベラスコ爺も言っている。
動画を要約すると(設定したら字幕出るよ)、
「アタッカーはセットについて話してはいけない(要求してはいけない)ルールを作った。判断するな、解決しろと。するとどうなるかというと、アタッカーはセットについて話してはいけないので、いいセットが上がった時だけ『完璧!!』というジェスチャーをするようになった。それは私の望むどころではない。アタッカーは良いセットはより良く、悪いセットも良く打てるようになって欲しい。セットが良いか、悪いか、判断している時間は無駄でしかない。」
バレーボールはミスが即失点になる厳しいスポーツである。
しかし、ミスは誰にでも出る。
であるならば、ミス自体を減らすことよりも、ミスを失点にしないことこそが勝利への近道である。
サーブで攻めればミスは出る。
ミスが出ても、次の相手サーブをサイドアウトしたらいいのだ。
一発勝負型だけではなく、低ミス中ブレイク型のサーバーも準備したらいいのだ。
Aパスを狙えば、ネットを越える。
Aパスの範囲を広げればいいのだ。しっかり攻撃できるならそれはすべて良いパスだ。
セッターが走って行って二段トスをミスする。
だったらセッター以外が誰でもセッターくらいトスが上げられればいいのだ。
ネット際、アンテナ際をターゲットにするのではなく多少短めのトスをベースにすればいいのだ。
言うまでもないが、ブロックされたらカバーしたらいいのだ。
やはりここいらがバレーボールのおもしろいところなんだろな。
ミスを減らすことももちろん重要である。しかしそれはミスをしないことではなくスキルの質を高めることに傾注すべきであり、ミスそれ自体が責められるべきではなく(責められるべきミスもあるけどね)、そのミスを起こしたそれまでのプロセスや考え方こそ責められるべきである。
世界のバレーボール一家
今日は世界のバレーボール一家を取り上げてみる。
一家と言っても単に親子だけでも一家といえば一家なので、勝手だが親子二代以上にわたり血縁者に3人以上のバレーボール選手がいる、と定義させてもらった。
この定義であれば三兄弟は入らないので、日本で当てはまるのは南家、大竹家くらいであろうか。
そもそもバレーボール選手とはどのレベルまでを指すのか難しいところなのだが。
ウルナウト家
たぶんスロベニアのウルナウト家が一番入り組んでるんじゃなかろうか。
近年のスロべニアの躍進とトレントでのティネ・ウルナウトの活躍で名前を知った方も多いのではないか。
父のアドルフ・ウルナウトは過去旧ユーゴスラビア代表として世界選手権も出場しており、クラブではチャンピオンズカップ(現CEVチャンピオンズリーグ)の決勝までいった。
兄のアンドレイは元ユーゴ、そして分裂後はスロベニアの代表選手であった。彼もまたマザイク時代にチャンピオンズリーグの決勝に出ている(ちなみにこの時の監督はクリスティアンソン)。ちなみにティネも昨季のチャンピオンズリーグの決勝に出ているから親子で計3回もチャンピオンズリーグの決勝に出ているが、残念ながら一度も勝てていない。
www.youtube.com
(動画はアンドレイがプレーしているユーゴスラビア対イタリア)
次兄のマティアジュもバレー選手であった。この長兄アンドレイが1965年生まれで、末っ子のティネは1988年生まれと親子くらい離れているので、ティネを初めて知った時はアンドレイの子供だと思っていたのだが、ティネはアドルフの二番目の妻の子である。
この二番目の妻のアニタも元スロべニアの代表選手で、足を悪くしてからはシッティングバレーのスロベニア代表選手としてロンドンのパラリンピックにも出場している。
このアンドレイの子供、アリョーシャとカティアもバレー選手であるが、長男アリョーシャはティネと同じ1988年生まれなので、ティネは同い年の甥っ子がいることになる。
アリョーシャだとか後妻だとか出てくると『カラマーゾフの兄弟』みたいだ。
ロサール家
フランスのロサール家もちょっと入り組んでいる。
ロサール家は親子3代にわたってフランス代表という驚異の家系。3代ということで言えばティリ家も3代続けてなんだけど、フランスはこういう親子バレー選手パターンが非常に多い。それだけバレーボールというスポーツが盛んでないということの証左でもあろう。
まず祖父ジャックは1960年代にフランス代表として活躍。
その二人の息子、オリビエとフィリップも二人とも代表選手。
OQTの日本戦、フランスのオポジットであったチボー・ロサールはオリビエの息子に当たる。おもしろいのは代表(現所属チームでも)ではオポジットである左利きのチボー。昨シーズンまでクラブではアウトサイドとしてプレーしていたが、父のオリビエも左利きのアウトサイドなのだ。親子二代左利きのアウトサイドってスゲーな。ジャックは知らないのだが、もしかして…
下の動画の10番の選手がオリビエ・ロサール。ティリ父と対角を組んでいる。ちなみにこのセッター、シャンベルタンは私の好きなセッタートップ10には入る。
チボーの兄クエンティンもフランスのチームでセッターを務める。
フィリップの息子、つまりチボーのいとこ、ニコラスもトゥールーズでリベロとして活躍しており、フランス代表のキャップもある。
グロゼル家
グロゼル家はそこまで入り組んでいるわけではないので、図は割愛する。
ご存じ、ゲオルギ・グロゼル・ジュニアは先日までドイツ代表のオポジットとして君臨したオポジット。今年は中国でプレーしている。
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父のゲオルギ・グロゼル・シニアは過去ハンガリー代表、ドイツ代表として活躍した名選手。「ハンマーゲオルギ」の異名を持っていた。
1992年にはドイツの『今年の選手』も受賞している。
www.youtube.com
動画の冒頭でスパイクを打つのが父グロゼル。やっぱり似ている。
ゲオルギ・シニアには4人の子供がいて、長兄が前述のゲオルギ・ジュニア、、次男トムはバスケットボールの道へと進んだらしいが、大成はしなかった。長女ドラはブンデスリーガ、ヴィースバーデンでプレーしている。
三男のティムはまだ18歳であるが、同じくドイツのロッテンブルグでプレーしており、ゲオルギ・ジュニアいわく、兄弟では一番才能があるらしく、今後の活躍が期待される。
いまいちはっきりしないんだけど、お母さんも代表選手だったり、おばあちゃんはハンガリーでオリンピックに出ている選手らしいという情報もあるが、確固たる自信がないのでとりあえずここに挙げておくにとどめておく。
パンコフ家
父パンコフは過去、ロシア女子の代表監督を務めたこともあり、次期ロシア代表監督の候補の一人でもある。
母パンコフはあのマリナ・二クーリナ。旧ソ連代表選手でソウルでは金もとった。結婚後はマリナ・パンコワとしてプレーした。ロシアは男性か女性かで姓が変化する。
残念ながら、昨年他界している。
Passing away of the legendary player- Marina Pankova | RUSSIAVOLLEY.COM
姉パンコフは現ロシア代表選手。リオ五輪でもプレーした。すでに結婚しているため、エカテリーナ・コシアネンコとしてプレーしている。
弟パンコフはロシア期待の若手セッター。ユース、ジュニアも優勝しており、今年は育てのビッククラブをでて、盟友ポレタエフとともにクズバスでプレーしている。
前述の定義で言えば、父兄弟のヌガペト家、同じく父兄弟のジズガ家、前述したが親子3代のティリ家や、父姉弟のルソー家あたりもバレー一家となろうか。
きちんとした統計はないのだが、やはり実感としては野球やサッカーなんかと比べるとこういった家族度が非常に高いように思う。
とはいえ、どこに需要があるのか全くわからない記事になってしまった。
チャレンジシステムの本当に良いところ
昨今の国際大会ではもはや当たり前となってきているビデオ判定チャレンジシステムが今シーズンからVプレミアリーグでも導入された。
ビデオ判定システム(チャレンジシステム)の導入について | バレーボール Vリーグ オフィシャルサイト(chromeだと見にくすぎー)
もちろんチャレンジシステムによってインアウト、ワンタッチに関して正確な判定が行われている、ということ自体素晴らしいことであると思う。
ただそれ以上に導入して良かったと思うのは、審判へのアピール、特にラインズマンへの抗議が目に見えて減った点である。
以前まで判定が怪しければ、とりあえず主審ひいてはラインズマンに抗議しておけ、という風潮があった。しかしチャレンジシステムが出来たことによって、「文句があるならチャレンジしたらいいじゃん」「ぐぬぬ。そこまで自信あるわけではない」という雰囲気が醸成されている。
チャレンジが成功すれば減らないが、1試合2回までというチャレンジ回数がなかなか絶妙で、これがもしセット2回までくらいの回数であれば、疑惑があったらすぐチャレンジして、成功であれば審判ちゃんとやれよという感じの空気になるのだと思う。2回というわずかな数なので、チーム側はあまり自信がなければチャレンジ要求できない。結果的に審判の判定を尊重する傾向が強くなっている。
1試合2回というその絶妙なチャレンジ回数は、判定に対しての責任をチーム側も負うことを強いている。昨シーズンまでであれば、チーム側は判定に対して関与できないため、やんちゃな選手などは審判に対して心無い言葉を投げつけてしまうこともあったのではないか。
今シーズンはチャレンジシステムによってそのような場面は起っていないと思う。今まで無条件に審判に抗議していたのが、チャレンジするかしないかという自分たちの問題にすり替わった。
チャレンジシステムは審判を助け、そして同時に守ることができているのだ。もちろん選手側としても手応えのあるワンタッチなりは審判が見えていなくてもチャレンジできるので、選手側にとってもプラスである。
機構としては時間短縮やタイムアウトがわりに使うのを防ぐ目的に、チャレンジ回数を設定したのであろうが、これがなかなか審判に対するマナー向上につながっている。
本当に公正を期すのであれば、ラインズマンをなくして怪しいボールは全部チャレンジシステムにかけるという方法もあるにはあるが、それではあまりに時間がかかりすぎてしまう。
もちろん結果画像が公開されないであるとか、適用範囲が狭いであるとかの諸問題はあるのであろうが、おおむねチャレンジシステムの導入は成功と言えるのではないか。
以前、審判に問題があるわけではなく、システムに問題があるのだと述べたが、チャレンジシステムによって問題の大部分は解決したように思う。
大体問題が起こるのは、インアウト、タッチといった解釈の余地を挟まない判定に対してである。さすがにワンハンドセットに対してダブルコンタクトでも吹かない限りは(昨日あったらしいけど)。
あとたぶんリーグが終わってみなければわからないが、サービスエースの割合は例年と比べて高くなるのではないかと思う。
やはりチャレンジシステムがあることによって今までアウトにされていたボールがだいぶイン判定されている。以前と比べて10cmコートが広がったイメージがある。
あ、ミカサとモルテン隔年だからおととしの成績と比べないといけないな。
おまけ1
先日のイタリアの試合で面白いチャレンジがあったので、少しご紹介。
まさかそんなところがネットタッチ。