目玉の見方(下)
今回の目玉の見方は、スタートローテーションについて。今回も文中表記の●はオポジット、2、5はサイドの選手、3、6はミドルの選手。
● 3 2 |
5 6 S |
現代ではもっともオーソドックスなスタートローテーション。攻撃力のあるオポジットがもっとも前衛の回数が多くなるように、セッターをもっとも前衛が少なくなるように配置したローテーション。
5 ● 3 |
6 S 2 |
これもオーソドックスな形。オポジットが左利きのチームの場合には、このスタートが多い。オポジットよりも5番の選手の攻撃力が高い場合もこれ。
6 5 ● |
S 2 3 |
このスタートは、そんなに珍しい形ではないが、おそらくは以下のような目的の際に多く見られる。一つは6番のミドルと相手のエースを多く当てたいケース。もしくはオポジットのサーブの回数を増やしたい場合。サイドアウトしたらセッターがすぐ前衛になってしまうのでチームによっては危険。
S 6 5 |
2 3 ● |
このスタートはたいてい相手のことを考えて行う場合が多い。たとえば相手のセッターの身長が低いため、相手の弱いローテと、こちらの強いローテを当てたいであるとか。もう全然勝ち目ないから、半周回して博打打っちゃえとか。
可能性としては低いけど、オポジットがバックアタックの方が得意とかはありえる。
2 S 6 |
3 ● 5 |
これは、高校生とかだとよく見られる。高校生の場合、2番の選手がエースなことが多いからだ。トップでも5番のサイドに比べて、2番の選手の方が打つ選手でセッターのブロックに不安がない場合は、時たま見られる。プリディーのアメリカとか、カジスキのトレントとか。
3 2 S |
● 5 6 |
セッターが特にブロックに不安な場合などは、サイドアウト限定でこのスタートが見られる。サイドアウト一本切れれば、セッターがすぐサーブに下がれるから。
一般的なスタートローテーションの選定の話をしたが、ここのほとんどはオフェンスを考慮した考え方がほとんど。トップクラスに行けば行くほど、相手のオフェンスを考えたマッチアップをすることがほとんど。
このほかに味方由来の決め方としては、サーブが強い選手から始まるように、レシーブのうまい選手が後衛が多くなるように、打てない選手の前衛を減らせるようにとか。
トップクラスではこのスタートポジションは非常に重要なものと考えられていて、イタリアなどでは、セットをとられた後に同じスタートをすることは皆無。必ずずらして勝負する。
目玉を見て、スタートと組み合わせを考慮すれば、監督がどのような戦術を用いたいのか、どの選手がどのようなタイプかがだいたいはわかる。