Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

グラチャン ポーランド戦



初日から3試合フルセットとは、データ班のみなさんお疲れ様です。

ポーランドが、ユーロでチームを引っ張っていたザグムニ、グルシュカというライト線を欠くことを考えれば、ある程度の接戦は予想できたが、まさか勝てるとはおもわなんだ。しかし、やはりその二人の不在はあまりにもポーランドにとって痛すぎた。

オフェンス局面では、ほとんどリリースする小柄なセッターと、Bパスからはほとんど跳んでこないミドルに対して、Bクイックを多用して、レフトとの出し入れを中心にした宇佐美のトスワークはうまく機能していた。それを阿部に変えてしまう意図ははっきりいって読めなかったのだが、結果的には成功した。阿部の清水、福沢に集める日本本来のトス回しにポーランドがまさに翻弄された。そういう意味では、我慢し続けた宇佐美の労をねぎらいたい。ただポーランドの若さゆえという面もあるのだが。

中盤までは、清水が対峙する相手エースのクレクに対して、効果的なブロックがほとんどできず、得点局面でもクレクに対してプレッシャーを感じていたように思う。これが最初からできていれば、もっと簡単に勝っていただろう。
そういう意味では、4セット目の11-11で清水がクレクをシャットアウトした局面がこの試合のターニングポイントであった。そこからはクレクもストレートしか打てなくなり、その脅威も消え(クレクのスタミナ不足の面もあったが)、清水が完全にゲームを支配した。その後の3連続エースは見事であったが、同時にポーランドの精神面の弱さを露呈したものだった。
こう困った状況になったときになんとかしてきたのがユーロではグルシュカだった。21歳の若手に頼らざるを得なかったのがポーランドの最大の敗因だろう。
加えて、相手セッター、ウォマチのディシジョンメイキング(トスの選択)の稚拙さ。
結果論ではなく、なぜそこにあげるかという連続。ザグムニも決してうまいセッターではなかったが、このディシジョンメイキングが抜群に冴えていた。

とにかく勝ちは勝ち。これでメダルの目も出てきた。
明日はエジプト。とにかくサーブが脅威だが、この使い分け方なら明日は阿部でスタートした方がいい感じかもしれない。