Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

2010春高決勝を見て



録画していた東洋と鎮西の春高の決勝を見た。3−0。
実力差はあったが、お互いの味が出たなかなかいい試合だったとは思う。

柳田くんを見るのは初めてだったが、なるほどいい選手。
サーブレシーブもできて、春でバックアタックがあそこまでうまく打てるのは大したもの。

さて、お互いに優れていた点をちょっと上げてみる。
やっぱりこれが今の春高で上にいくためには必要なんだと思う。
しかし、2年生が最上級生で行う春高は今年で最後。これは来年以降の春高には当然当てはまらない。

  • エース
  • セッター
  • ブロック

両チームとも上記3点が特によかった。これが5年ほど前であれば、スパイカーの枚数、セッター、ブロックという3ポイントだったように思う。以前はどれだけ優れたエースがいてもそれ一枚で勝てることはなかった。かならず2枚〜3枚のそこそこ打てるスパイカーが必要だった。

エース

残念ながら鎮西の池田くんはこの試合ではそこまで秀でた能力を見ることはできなかったが、騒がれ方とここまで勝ち抜いたことを考えれば、これまでの試合では活躍をしていたのだろう。
柳田くんはパンチが効いたスパイクが目立っていた。池田くんなどを見ればわかるようにこの時期のいわゆる「エース」は高さが先行することが多く、パンチ力は夏以降についてくるものなのだ。このあと柳田くんがどういう成長を見せてくれるかはちょっと見物である。

セッター

セッターが東洋が鎮西より秀でていた最も大きな差だったように思う。いくら打てるエースがいても、3ローテはそのエースは後衛に下がってしまうのだから、エースが前衛にいない間にいかにうまくサイドアウトを回せるかがポイントになる。東洋のセッター関田くんはなかなかそのあたりがうまくてクイック、ライトの使い方になかなかうならせるものがあった。鎮西のセッターは残念ながら、レフト、レフトが決まらずで後手を踏んでしまい、クイックもなかなか使えなかった。
また東洋がバックアタックを準備できたことも大きなポイントだろう。

ブロック

逆に鎮西が良かったのが、ブロック。3セットで10本近くはあったと思う。しかし状況に応じて、もう少しスパイカーを絞れたはず。ちょっと分析が足りてない感じが伺えて残念。逆に考えれば選手のポテンシャルだけでこれだけのブロックが出せたのはすごいと思う。

また鎮西はネット際の強さに特徴を持っていた。相手のブロックをいなすプレーなどは非常にうまかった。おそらくいいゲーム練習をたくさん行ったのだろう。一方、東洋はフロアディフェンスに光るものがあった。鎮西に比べると簡単なボールが落ちることがほとんどない。それが選手個々人のキャリアによるものか、レシーブ練習によるものなのかはわからないが。

春高はまだ荒削りな選手が多く、この選手がどんな成長をするんだろう、と予想するのが愉しいものだったのだが、それも最後。新春高はその選手の高校時代の集大成を見る大会になる。まぁ、レベル自体は高いものになるだろうから、それはそれで楽しみである。