Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

2011世界ジュニア注目選手プレビュー



22年ぶりにアジアを制したジュニア日本代表が出場するジュニア世界選手権が、ブラジルで8月1日からはじまる。ジュニアとはバレーでは21歳以下の選手を指し、今大会においては、1991年1月1日以降に生まれた選手が有資格者となる。日本のメンバーはこちら。そういえば東亜大の3人は揃いも揃って早生まれなのだな。学年がたまにわからなくなる。


というわけで日本のライバルとなる各国の注目選手を見ていきたい。現在でも世界を代表する選手はここを経由している可能性も高い。たとえば2005年の世界ジュニア決勝の帳票(pdf)を見てみよう。優勝したロシアには、グランキン、クルグロフ、オスタペンコ、シボジュレス、ボルコフと現代表がずらりと並ぶ。一方のブラジルも、ルーカスにヴィニ、ピアにチアゴ・アウベスという錚々たる面子。ここでパナソニック対角すでにやっていたのだな。
つづいて2003年の決勝はブラジルとポーランド。ブラジルにはレアンドロ、ウォレス(セジの方)、フェリペにジョン・パウロ(またしてもパナソニック対角ww)。ポーランドには、モジジョネックにヴィニャルスキ、ヴラズリーと、こちらもポーランドを代表する選手が。
大体5年ほど後にこの選手たちはトップの国際舞台でも活躍することになる。というわけで5年後をにらんで各国のスター候補を見ていきたい。

Aleksandar Atanasijevic(セルビア)

以前、世界のスター候補というエントリーでも紹介したことがあるセルビアのアタナシエビッチ。おととし開かれた、この世代の世界ユースでは、MVPも獲得している。ミリュコビッチの後継者と目されていることから14番をつけているのだろうか。それとも単なる偶然であろうか。まだ若干二十歳ではあるが、ポーランド屈指の強豪Skra Belchatowに移籍が決まった。
http://www.fivb.org/en/technical/youth/men/2009/Video/Serbia%20C%20I%20Diagplayer%20high.wmv

Nikolay PENCHEV(ブルガリア)

日本が1次リーグで対戦するブルガリアの大黒柱はこのアウトサイド、ペンチェフ。チームの半分以上はこの選手の打数。すでに来シーズンのピアツェンツァへの移籍が決まっている。LA COPRA VOLLEY VALORIZZA I GIOVANI E ACQUISTA UN TERZO BULGARO: NIKOLAY PENCHEV: Giugno 2011, notizie Copra Volley 顔が童顔なのが、だいぶ気がかりです。

Ricardo Lucarelli Souza(ブラジル)

ブラジルはユースでは下位に沈んでも、ジュニアではきっちり仕上げてくるところはさすが。現在9大会連続でメダルを獲得しているジュニア強国。今年のチームも世界ユースでは9位だったが、ジュニアの南米予選ではきっちりアルゼンチンに勝って1位で上がってきた。そんな今年の中心はアウトサイドのルカレッリ。昨年はフェリペと同じミナスに所属していたので数試合みたが(当然まだスタメンではない)、打ってよし守ってよしのなかなか良い選手。彼も日本に立ちふさがることになるだろう。

Uros KOVACEVIC(セルビア)

前述のアタナシエビッチと2枚看板を誇るセルビア期待の星。現セルビア代表、ニコラ・コバチェビッチの弟でもある。国内では兄を上回る逸材といわれているらしいから、セルビアという国も末恐ろしい。こちらのコバチェビッチは左利きのアウトサイドヒッター。すでにアタナシエビッチと並んで、今年のワールドリーグの20名にも登録された。
http://www.fivb.org/en/technical/youth/men/2009/Video/SRB%20YWCh%2009%20C1%20Attack%20Ind%20Attacker%201%20high.wmv
ぱっと見、体型はどう見ても熊田さんにしか見えないのだが。

Farhad SALAFZOON(イラン)

世界ユースでセルビアに続く2位になったイランも注目のチームだ。イランの監督はかつてガイッチの前にユーゴスラビアの監督も務めていたツベトコビッチ。ジュニアにも外国人監督とは。進んでるなぁ。チームの中心はセッターのサラフズン。そのトスはどことなくマルーフを思い出させる。
http://www.fivb.org/en/technical/youth/men/2009/Video/IRI%20WCh09%20M%20C1%20Set%20Forward%20high.wmv

Taylor Sander(アメリカ)

アメリカの攻守の中心はアウトサイドのサンダー。たぶんアメリカでも若手の中では、結構期待されていると思う。
http://www.youtube.com/watch?v=VMrDcp5DcbI

Igor Fillipov(ロシア)

昨年のヨーロッパジュニアでMVP、ベストブロッカーを獲得したのが、ロシアのフィリポフ205。決勝では7本のブロック、3本のサービスエースを記録した。もし対戦することになれば、伏見、出耒田とのセンター線の攻防は見ものであろう。
http://www.fivb.org/en/technical/youth/men/2009/Video/Russia%20C%20II%20Block%20P3%20high.wmv(1番の選手)

Ivan Castellani(アルゼンチン)

アルゼンチンのこの世代は、すでにミドルのソーレ、セッターのウリアルテがA代表に入っている優秀な世代。アルゼンチンがフル代表でもう一歩ステップアップするために必要な強力なオポジットになり得るのが、このカステラーニ。お気づきのように、元ポーランド代表監督であり、現フィンランド監督であるカステラーニ監督のご子息である。
http://www.fivb.org/en/technical/youth/men/2009/Video/Argentina%20C%20I%20DiagPlayerAtt%20high.wmv
フォームはちょっと慶応の岡田君を想像してしまう。



それにしてもアジア1位の日本、南米1位のブラジル、北中米1位のアメリカ(ヨーロッパは各プールごとで代表を決めた)を同一プールに持ってくるとは結構とんでもない組み分けである。いったい誰が得するんだ?この組み分けという感じである。1次リーグで3位以下になってしまうと9位以上は望めない。なんとか2勝欲しいところである。