Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

セルジオのスペシャリティ



とりあえずFootball Tacticsを使ってなんか書きたかったので、適当に。


セルジオがいまだ世界NO.1リベロというのは疑いの余地のないところです。
反応速度だとか手元のテクニックとかでは今となってはどうかはわかりませんが、少なくとも全体的に見たときセルジオよりうまいリベロを未だ知りません。


今日はそんなセルジオのどこがすごいのかってとこを講釈垂れていきたいと思います。

この上の動画をベースに話を進めていきます。セットやパスの精度とか目立つところに目は行っちゃうし、そういう技術もものすごいことに間違いないんですが、今日はちょっと違った観点から。
まず50秒あたりのプレー。


ブラジルS5で相手はミリュコビッチのサーブなんですが、セルジオがすんごい右側に位置しているのが、わかると思います。要するにここ狙い目だよって誘ってるんですね。で、わざとそこに打たせて打たれた瞬間に動いてとると。

特にこのローテなんかではダンテ、ジバの間に打たれてしまって両方攻撃できなくなってしまったら、アンドレ一本になってしまいますし、リベロがとった方が格段に攻撃しやすいわけです。結果的に返らなくても両サイドキープできますし。


これはあくまで局面の話なんですけど、全体通して言えるのが、セルジオがこうやって「先手をとれるリベロ」ってことなんです。世のリベロの大半って結局相手が何かしてから動くことがほとんど。自分がこう動けば、相手はこうしてくる、だからこう動く、っていう駆け引きができるリベロがなかなかいません。レセプションの場面に限らず一瞬のひらめきとして時々やっているリベロはいても、己がスタイルとしてできるリベロを、セルジオ以外少なくとも私は知りません。
まぁ、他のリベロでもフローターサーブのときにちょこちょこ駆け引きってのは結構見るんですけど、それは結構テンプレート化されている部分もありますしね。


次に4分34秒のプレー。
北京のロシア戦ですかね。ポルタフスキーのライトバックからのアタックに対するディフェンスです。
局面としたらこんな感じ。

セルジオがあくまでムリロのブロックに合わせて動いている点に注目してもらいたい思います。


大半のリベロってまず「自分の位置取り」しちゃいます。ブロック考えないで自分が来ると思ったところに位置どる→そこにブロックが入ってきて、その範囲が狭まるもしくはブロックとはかぶらないように動く、っていうっていうイメージなんですが、セルジオは逆で常にブロックが狭めきれなかった位置にいるってイメージなんです。
いや、そんなの当たり前じゃんと言うことなかれ。こういうことできる選手、あまり多くはないです。最後の局面でブロックとかぶらないという大前提はできていてもそこまでの動きはあんまりフォーカスされていません。

結局のところ、アタッカーってのは「基本的には」コートの角を狙っているわけではなくて、「ブロックを避けてる」ことがほとんど。
自分の位置をとったとしても、思ったよりブロックが来なかったとかもしくは思いっきり寄っちゃったって時はまたそこから動かなきゃならなくなるんですね。無駄な動きをしなきゃならなくなるわけです。
左図のように結局戻る、だけどやっぱり最初の位置にやられるっていうことも結構多いです。セルジオの動き方なら動きの方向は一方向なので、すんげーブロック避けてきたとしても、とりやすいわけです。


要するにほとんどのリベロは自分の守備位置で「待つ」ディグをしています。セルジオはいうなれば守備位置を常に「探す」リベロということができるでしょう。これは一概に100%どっちがいいというわけでもないです。待っていなければ上がらないボールというのもいくらかはあります。
ただ、ボールに触ることのできる確率というのは、場所を「探していた方」が圧倒的に高いのは間違いないわけです。つまりセルジオはボールが来る確率が一番高い場所を常に探しているし、他の選手に指示を出して、確実にそこに打たせようとしているわけです。
それはこんなプレーからもうかがえるわけです。


と、二つあげてみましたがまだまだパスのテンポのつくり方とか、後衛の残り2人を指揮して位置どらせる能力とか、股関節の抜き方とか、監督とケンカできるところとか、やっぱセルジオがダントツなんですわなー。結論として、セルジオがなぜすごいかといえば、「世界の中で一番攻めてるリベロ」だからなんじゃないかなーと思うわけです。
リベロはまだまだできて日が浅いポジションでもあるので研究の余地はだいぶ残されているように思いますが、セルジオはリベロの進化の歴史を10年、いや20年先どっている存在と言えるでしょう。ほとんど最初期でもある時期にセルジオを見ることができたという幸運に感謝したいと思います。