読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

バックオーダーとフロントオーダーのサーブレシーブフォーメーションの違い



2013ワールドリーグが始まりました。日本は緒戦、韓国に1-3で負け。
率直な感想としては、集合して10日程度しか経っていないのなら、まあこんなものかなと。まだなんともいえない感じです。そういう意味ではこの程度の期間の合宿で大会に臨まざるを得なかったマネジメント側に問題がある気もします。ただ黒鷲旗から多少のオフ期間は必要だったのかなと思うと、答えは出ないところなのですが。


合宿が始まって以降、いくつかの記事でクイックとパイプの話が多くのウェイトを占めていました。
昨日の試合では、クイックとパイプというセンターゾーンからの攻撃のタイミングは(高い低いはおいといて)よかったのですが、全体として見た時結果的にそれが孤立してしまっているようでした。選手も(特に近藤選手あたり)、使わないにしろ真ん中からの攻撃に意識が行き過ぎてしまっていたようでした。で、最終的にはクイックも合わなくなってしまったり。


真ん中の攻撃はそれ自体が速いから効くのではなく、相手がサイドの攻撃を意識してしまっている状況で使うから意味があります。
昨日のサイドの攻撃はまだセッターとアタッカーの信頼関係が出来ていないからか、ちょっと放り上げ気味でした。相手ブロックは中→外の順番で意識していればよかったので、相手とすればそんなに難しいディフェンスではなかったように思います。やはり最初にセッターからの距離が長いところを意識せざるを得なくなると、ブロックはとたんに難しくなります。


短い期間の合宿でしたから、これはしょうがないことだと思います。今後のゲームの中で、全体の連動性が出てくればなんら問題のない話ですが、今日のゲームではこのあたりが勝負のポイントになったのかなと思う次第です。
ただトランジションの切り替えの速さなどは目を見張る局面もありましたから今後に期待したいと思います。
相手の完成度もそこまで高いというわけではないので、今日も十分チャンスありますし。


オポは八子選手で通しましたが、いかんせんハイセットの攻撃に若干不安が残るところ。相手コートをよく見たショットと言えば聞こえはいいですが、打てなかったからショットという局面も多かったように思います。ただ全体としてみたとき、サーブ以外は及第点ではないでしょうか。
少し気になったのが、最終盤で八子選手のリリーフサーバーとして米山選手が出たとき。普通であれば米山選手がバックライトの守備に入るところ、すんなり福澤選手がライトに、米山選手がバックセンターの守備に入っていました。パナのリーグ終盤と同じ要領なのですが、あれがすんなり出るということは、米山選手のオポっていうのをチームとして準備しているのではないかと推測してみます。昨日のサイドの使い方を見てると、今日は福澤選手以外、まったく違ったサイドでスタートするんじゃないかなぁって気もちょっとしていますが、果たして。




さて、前置きが長くなってしまいましたが、今日はちょっとレセプションフォーメーションのお話。特に昨日のワールドリーグで全日本がバックオーダー、韓国がフロントオーダー、しかも1セット目はS1でスタートということで対比して話を進めやすいなと。
たぶんしばらくすれば、laolaの方で録画も見られると思うのでね。
わざわざ私なんぞのブログを読みに来てくださる方はいまさら何をという方がほとんどでしょうが、新たにバレーボールに興味を持った方のためと思い、ご容赦ください。


まずは昨日の1セット目のスタメンを見てみます。

この図だけポジションに応じてマーカーを変えています。レフト対角の選手が○、センター対角の選手が□、ライト対角の選手が△になっています。
日本と韓国のマーカーの並びが違うのがお分かりいただけると思います。日本は前衛レフトから△□○の順ですが、韓国は△○□になっています。これがバックオーダーとフロントオーダーの違いです。何回か講釈たれているようにトップレベルになれば、ほとんどのチームがバックオーダーを用いていて、フロントオーダーを使うのは今では特殊な場合がほとんどです。
ローテーションごとに図で見ていきますが、どちらもこうでなくてはいけないというわけでなく、あくまでオーソドックスな形とご理解ください。


まず前提として、ローテーションを区別するためにS○(数字)という言葉を使っていきます。ローテーションをどう区別するかはなかなか難しい問題です。セットのはじめの状態から第1ローテ、第2ローテとしても良いのですが、これではセットごとにスタートするローテが違ったら対応できません。なのでセッターが6箇所のうち、どこにいるのかで区別するためにS(etterが)○(の位置にいる)ローテと定義していきます。

S1

以下図中ではセッターは△、前衛のアタッカーに塗りつぶした○、後衛のアタッカーに塗りつぶしてない○、リベロはひし形で表しています。

11番パク・チョルウが左利きでライト側に移動するので、いっそうややこしくなっています。普通ならレフト側からそのまま攻撃すればいいのでここまでややこしくはならないのですが。正直、この試合を教材にしたのは失敗だったと今更後悔してます。ライト側でレシーブした4番ムンがレフト側まで行くとかすごく大変そうです。大変なので、半分くらいは真ん中で時間差打つのですが、そしたら攻撃が向かって左半分に限定されてしまうので、あまり効率がいいとはいえません

S6


日韓トップマッチ見てもわかるように、韓国は国内リーグでもフロントオーダー使ったチームが多いのですが(全部かまでは知らない)、なんでかっていうと、ライトからの時間差ってのをたくさんやりたいんだよね、たぶん。ちょっと時代遅れなんだけど。

S5


よく言われるフロントオーダー最大のネック、S5です。
セッターが後ろの方から出てこなくてはならないので、ぺネトレーションが大変です。だいたい変則的によく考えてフロントオーダー使ってくるチームはこの図で言えば1番チョンの位置の選手をレシーブから浮かせてセッターも一緒に上げるのですが、韓国はお構いなしにこれでがんばっちゃうわけですよ。
じゃあどうしてるかって日韓の時も今日もなんだけど、サーブ打っちゃう前にちょっと早めに出ちゃうわけですよ。ポジショナルフォルト吹けるもんなら吹いてみろっていうムチャクチャなことやってるわけです。これ、OQTの時にやたらシビアな副審がいて、このS5で3か4連続のポジショナルフォルトってのがありました。ギャグ過ぎて腹抱えて笑ってましたけど。

S4


セッターが前衛になってしまうとあまり変わりはありませんのでさっさとね。
フロントオーダーの場合はセッターの位置が2回レフト寄りになってしまうってことくらいでしょうか。セッターと隣の選手がたとえばライトから打つ方がいい選手なんかで変則的に組む場合は関係ないですけどね。清水の東海みたいに。

S3


これはあまり言われてないんですけど、フロントオーダーならミドルがライト側から入るのが1ローテだけですむんですよね。バックオーダーでもセッターが位置変えればすむんですけど、見ることはあまり多くはないです。

S2


韓国はここで前衛レフトからレフト、センター、セッターと並ぶんですが、これがフロントオーダーをフロントオーダーと呼ぶ由縁です。前衛(フロント)でポジションどおりに並ぶことがあるのがフロントオーダー、後衛(日本で言えばS1)でレフトから順にポジションどおりに並ぶのがバックオーダーです。実はバックオーダー、フロントオーダーというのは日本独自のもので、海外でこの二つを明確にわける短い用語はありません。「セッターがサイドのすぐ前にいるオーダー」みたいはあるんですけど。初出は指導者向けの雑誌Coaching&Playing Volleyballなので、まだこの言葉が出来て、そんな歴史があるわけでもないんですよね。
わかりやすい用語だと思います。バックオーダー、フロントオーダーなんて言葉を知らなくても、バレーボールを楽しむことは出来ますが、ソシュールが『一般言語学講義』で指摘したように、我々は言葉によって世界を分節しています。より多い語彙がバレーボールの見方をもっと豊かにすると信じています。




と、長々とやりましたが、ここはどういうわけ?みたいのがありましたらご連絡くださったらできるだけ答えたいと思います。