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Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

「ハイブリッド6」は「東洋の魔女」への原点回帰なのか




2014ワールドグランプリ、絶賛開催中ですね。トルコに続き中国にも快勝。メダルはほぼ確定的でブラジル戦次第では優勝でしょう。ワールドグランプリとはいえ、優勝は優勝。達成できればすごいことです。全くAmazing!!なディフェンスばかりで、昨日、今日のようなプレーが安定してできれば、オリンピックの金メダルも本当に夢ではないかもしれません。まぁ、そんなに甘くはないでしょうがね。


さて、言葉だけやけに先行している全日本の新戦術「ハイブリッド6」ですが、すでにさまざまなところで解説尽くされているでしょうから、今日は違った視点から。
まずはハイブリッド6を見た海外の反応を少し紹介します。


イタリアの大手バレーニュースサイト、volleyball.itではまるまる一記事あててハイブリッド6を紹介。
VOLLEYBALL.IT - Grand Prix: Ecco come funziona l'Hybrid 6 di Manabe
記事内では長岡、石田(ロシア戦準拠)を"false centrali(偽ミドル)"として表現。
まだハイブリッド6の長所として常に両サイドにスパイカーが準備できること。短所としてブロック力が落ちることを挙げ、とはいえ大野山口がいることですぐノーマルのシステムに戻ることもできると分析しています。


バレーボールの大手掲示板であるinside Volleycountryのワールドグランプリスレでもハイブリッド6と日本のディフェンス力は盛り上がっており、いくつかのレスを紹介します。

2473 yourHIGHness
普通、セッターが前にいるときにはもちろんミドルがいると思うけど、hybrid6では長岡(石田)と大野(山口)がミドルポジションに入る。セッターが前衛の時には、このポジションはセッターが前衛の時にはサイドから打つ(大野はクイック打ったり、山口はブロード打ったりするけど)。セッターが後ろの時には、大野山口は真ん中から打つし、長岡や石田は真ん中の高めのトスを打つ。

総合していえば、私が思うにhybrid 6というのはMB1とそう大差ない、ちょっと飛躍しすぎてる用語だと思う。日本のプレーを見たらわかると思うけど、特に真新しいことをしているわけじゃない。唯一の違いはコーチ自らが自分たちのスタイルを「hybrid 6」としたということぐらい。
たぶん次にネーミングするとしたらは「ニンジャ7」だろうね。
2014 FIVB World Grand Prix International Competitions - Inside VolleyCountry

2704 Meatballs
まるでスカッシュをしてるみたいだ!日本は壁のようにすべてのボールが返ってくる!トルコは真ん中から決められるアタッカーが必要だ。
2014 FIVB World Grand Prix - Page 136 - International Competitions - Inside VolleyCountry

この掲示板にはもちろん日本人もいるかもしれませんが、なかなかさまざまな意見を見ることができるので、じっくり読んでみるのも面白いと思います。


さて、ここからは私見になります。
ハイブリッド6はMBを排した超攻撃的布陣ということが取りざたされることが多いですが、基本的な思想は「全員攻撃、全員守備」にあると思います。たとえレセプションが乱れてもアタッカーの枚数が減らない。ブロック面での不安はあるものの、守り、つなぎのプレーができないという選手がコート上にいないので、ボールが落ちない落ちない。ノーマルのシステムではミドルがサーブを打つローテではやはり若干守備力が下がる面があるのですが、それもないわけです。そもそもMBが守りもつなぎもできて高いボールも打てて、かつ乱れたところからもしっかりクイックも打つことができればそもそもハイブリッド6なんていう大仰な名前をつけなくても済むわけですがね。


でもそれってなんかと似てるなと思ったら、東洋の魔女もそんな感じだったわけです。
ルールも違いますし、クイックなんて概念もなかったし、もちろんバックアタックもないし、時代が違うと言われればそこまでです。しかし、緩急つけた良いサーブと確実なディフェンスとつなぎ、今の全日本女子がやってることって50年前の東洋の魔女とそんなに相違はないわけです。

昨年逝去された主将でセッターだった河西氏も前衛の時はセンターブロックに飛んでいました。もちろん当時はブロックがタッチに数えられるので、タッチ後の切り返しボールを打たなければならなかった、というのがその大きな理由でしょうが、両サイドにスパイカーを確保できたのも大きなメリットでした。


ハイブリッド6も新戦術というよりは、全員が守ってつなげて攻められる、そんな日本古来の「バレーボール」への原点回帰であるように思います。
そんなわけあるかと怒られてしまうかもしれませんが、やはり今の日本が勝っているのは、オリジナルの部分ではなく、相手に比べて基本的なプレーがしっかりできている、の一言に尽きるのではないでしょうか。