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Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

フランスに学べ




photo by FIVB
2014世界選手権はポーランドの優勝で幕を閉じた。


会場の外に40000人も集まる、もはやバレーの国となりつつあるポーランドの決勝戦なんかのレビューも後日やりたいとは思うけれど、今日は4位に終わったフランスについて。
もうね、10年以上前から言われていることを今更言うのはこっ恥ずかしいわけだけど、それくらい今大会のフランスが素晴らしかったのだから、しょうがない。
準決勝、3位決定戦と連敗してしまったフランスであるが、そこまでのバレーだけで言えば、内容が一番よかったのはフランスであると思う。もちろん最後に負けてしまったので、負け惜しみと言われればそれまでなのだが。


ベスト4に入ったという結果だけ見れば出来過ぎだとは思う。やはり大会の序盤から中盤にかけてはオポジットのルジエが確変状態に入っており、監督も彼には驚いたとコメントを残す始末。やはりベスト4に入ってからはルジエをはじめ、全体的に疲労もあったのか精彩を欠いた。フルセットになったブラジル戦すら、2次ラウンドと同様の戦いができれば勝っていたと思うのだが。負け惜しみと言われれば、それまでだけど。


ただそのオポの確変ということは差し置いても、今大会のフランスのバレーは素晴らしく、しかも突き詰めれば日本が到達できなくもないというスタイルであった。そんな今大会のフランスのどこがよかったのか、いくつか挙げてみる。


ちょっとお前フランスの肩持ち過ぎだろと思う方はね、
FRANÇA X ALEMANHA - MUNDIAL DE VÔLEI MASCULINO 2014 - 3ª FASE - YouTubeとか、
会員登録していただいて、
WoVVideo :: Volleyball championships and volleyball games
あたりでね、準決勝以前のフランスのバレーなんか見ていただいて、忌憚ないご意見をいただければと存じます。

しっかり守り、いやらしく攻める



動画のラリーに象徴されるように、しっかりしたブロックから脇を抜けたボールをディグし、しっかりと打てるボールを上げ、ブロックアウトやフェイントなどでいやらしく攻める。もちろん勝負で打つこともあるが、この大会のフランスは本当にいやらしかった。アウトサイドのスパイクはストレート打ちが中心でブロックアウトをよくとり、体勢が厳しいときには勝負せずにリバウンドを取ったり、いやらしいところにボールを置いたりして、ラリーを有利に展開した。長いラリーになると相手のミスでフランスが点を取る、ということが非常に多かった。

複数のサーブを使い分ける

これはワールドリーグあたりからいろんなチームで見られたトレンドの一つでもある。フランスもフローターのティリとル・ゴフ以外のレギュラーはジャンピングドライブサーブとジャンプフローターサーブを展開や状況によって使い分けた。ほかのチームはリスクマネジメントの観点から消極的に使い分けることが大きいように思ったが、フランスはむしろ攻撃的だ。フローターのトスからドライブを打ったり、ジャンプサーブのトスからフローターを打った。相手は翻弄され、少ないミス率でかなり高い効果を上げた。もちろん強く打つときは打つし、入れにいくときはしっかり入れる。

タイトに守る

ブロックが1枚になってしまうときはどうしてもあるが、そういうときフランスはかなりタイトに守っていた。バックセンターがかなり前目に位置しており、おそらくコートを意識的に狭くして(後1mくらいは捨ててるイメージ)、それ以外に落ちるボールは仕方がない割り切っているように思えた。動画があったのだが、消されてしまった。残念。この辺りはエノの時代からそうだったし、フランスの育成的なものがあるのかなぁ。

トランジションの質の高さ

守りから攻めへの転換が本当にきれい。強打は仕方ないにしろ軟打やコントロールできるボール処理の質がべらぼーに高く、しかもリベロと両レフトともセットの質がかなりいい。相手が少しでも隙のあるボールを返せば、きれいに切り返すことができるため、相手はどんどんストレスをためて、前述のようにミスで得点することが多かった。

団結力

最年長が28歳でキャプテンが24歳のチームは、とても団結していた。


まだ二枚替えがきっちり機能するとことか、単純にセッターの質の高さ(183cmしかないんだよ)だとかパイプを多用するとことかまだまだあるんだけど、これくらいにしておく。


ワールドリーグのフランスも見ているのだが、学ぶべきバレーとまでは感じなかった。それくらい、今大会のフランスというのは際立ってよく見えた。もちろんワールドリーグ後の修正がぴったりはまった部分も大きいだろう。
どのような修正をしたのか、2次ラウンドを終えたあとのティリ監督のインタビューを一部抜粋してみたい。

(ワールドリーグを終えて)4つのことを変えることに決めた。
一つ目は大きな変更。私たちは速く、低くプレーしていた。(セッターの)トニウッティに、(イランの)マルーフや(アメリカの)クリステンソンを見て、彼らのようにプレーしようと言った。速いが少し高く、より高いところでプレーさせること。
二つ目はブロックをよりアグレッシブにすること。私たちのブロックは遅く、効果がなかったので。これはまだ取り組んでいる最中で力になっているとは言い難いが、もっと成長できると思う。
三つめはサーブのレベルを維持すること。ワールドリーグで私たちのサーブはうまく機能したが、毎日取組みレベルを落とさなかった。
四つ目はエースを取られないこと。
Dobra gra Polski to taka sama niespodzianka jak nasza - rozmowa z Laurentem Tillie - MŚ 2014 - SportoweFakty.pl

この修正点だけとっても、やはり日本が目指すべき方向に近いものがある。
4位というのが出来過ぎだとしても、このバレーで結果が出せるのであれば、日本もまだまだノーチャンスってことはないんじゃないかと思ってしまう。
ただそのためには質の高い鍛錬と経験が必要不可欠であることは言うまでもない。