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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

石川祐希の行ったモデナってどんなチーム?




Youtubeより
最近、検索ワードで「モデナ」がやたら増えてきた気がするので、ちょっとこういう記事を書いてみます。


インカレを終え、無事イタリアに到着した石川君ですが、到着早々試合にベンチ入りするという強行スケジュールを敢行しています。ちなみに相手チームの監督はモンタニャーニでした。


時差ボケがきついでしょうに大変です。当然ですが、出場はなくこの日は顔見せといったところ。
基本的にイタリアは日曜日の試合がほとんど。月曜日に行うのは珍しいのですが、もしかして石川君待ちで遅くしたのでしょうか。
今年はモデナは欧州カップには出ていないので、今後週1で試合をこなしていくことになります。


むこうのティフォージにも歓迎されているようで何よりです。誰が訳したかわかりませんが、せめて「ようこそ」にすべきだっただろと思わなくもないですが。


というわけで彼が所属することとなったモデナ・バレーとはどんなチームなのか、簡単に紹介していきたいと思います。


以前の記事でも述べましたがイタリア北部に位置する街、モデナに本拠を置くモデナ・バレーは約50年の歴史を誇る古豪でスクデット獲得11回、イタリア杯も10回制しており、これはセリエA最多です。
近年はタイトルの獲得とは遠ざかっていたものの今年はオーナーも変わり、心機一転。


今シーズンは現在8試合を終えて全勝、わずか失セット1という好成績でリーグトップをキープしています。
まだ上位のチームとの対戦をすべて終えていないので何とも言えませんが、レギュラーラウンド*1で3位以内は堅いでしょう。
揃えているメンツがいいことには間違いないのですが、それ以上にイタリアリーグ全体の選手の質の低下という理由の方が大きいと思います。もちろん一線級の選手は数多くいるのですが、4,5年前と比べると他国に流れてしまっていると言わざるを得ません。去年優勝のマチェラータ(トレイア)もザイツェフの穴は大きく、大きな補強も行えませんでした。ペルージャもセッターがデ・チェッコにランクアップとはいえ、フロム、マルオッティ、ヴエビッチのアウトサイドでは若干厳しいと言わざるを得ません。トレントもカジースキの復帰は大きなプラスですが、やはりオポジットの質に問題があります。


やはり根底にあるのは、イタリアの財政難。昨年準優勝のピアツェンツァですら、メインスポンサーに逃げられ給与未払いの状態が続いており、シーズン途中の棄権の恐れすらあります。そんな中ですから、メンバーを揃えられている今年のモデナというのはかなり優勝のチャンスがあります。


次にモデナに所属している主な選手を見ていきましょう。

アーヴィン・ヌガペット(サイド・フランス)


2014世界選手権 私選ベスト6で個人的MVPにも選んだこの選手ですが、その正体は…
http://youtu.be/sFP0NJgIF3g?t=44s

歌手です。ラッパーです。

ゾボさんもそうだったんだけど、フランスはこういう方が多いんですよね。
とはいえバレーも一流で、石川君が合流した試合ではこんなプレーを魅せてくれました。

もちろんこのアイデアも素晴らしいのですが、このスピードで助走してきて、斜め方向に回転もなく、きれいに上げられるこの技術がとんでもないです。
石川君もこういうバレーボールの申し子みたいな選手になっていってほしいなと思います。

ネマニャ・ペトリッチ(サイド・セルビア)

昨年のペルージャの躍進というのは、もちろんアタナシエビッチの力というのが大きいのだけど、このセルビア代表ペトリッチの覚醒というのもかなり重要なファクターでした。
他の二人のサイドに比べれば安定感という部分では劣るものの、爆発力という部分では抜きんでています。

U・コバチェビッチ(サイド・セルビア)

セルビアの誇る左利きアウトサイド。弱冠21にして、そのヒゲ面、その貫禄、そのテクニックは驚愕です。
セルビアにいた頃はわずか15でそのチームの王様だったという逸話もあるくらいです。真偽はわかりませんが。
二コラ・コバチェビッチの弟ということになります。

サイドは現在この3人をローテーションしている感じです。この3人に石川君が食い込めるかといったらちょっと厳しいかなというのが現状だと思います。

ブルーノ・レゼンデ(セッター・ブラジル)

セッターはブラジル代表のブルーノです。
モデナは旧来からブラジルとのパイプが太く、古くはリマに始まりダンテにリカルド、ムリロにエレル、フェリペなんかも所属していました。なんといってもお父さんレゼンデ監督もモデナで指揮をとっていましたし。
モデナにそこまで大きな予算がない中でもこれだけのメンツが揃った、というのは多少給料が安くてもブルーノとやりたいというスパイカーが一定数いたのではないかという仮説を持っています。他を見渡すとセッターは若干見劣りするというチームも少なくなく、キャプテンでもあり、世界のベストセッターの一人であるブルーノのバリューというのは、かなり高いように思います。

ルカ・ヴェットーリ(オポ・イタリア)

イタリア期待のオポジット。まだまだフオリクラッセ(規格外)と呼ぶには早いものの順調な成長を続けていると思います。今年は何よりサーブの好調が目立ちます。
またその整いながらもかわいげのあるルックスから日本でもファンは多い様子。

マッテオ・ピアーノ(ミドル・イタリア)

サーブのルーティンがちょっと面白いピアーノ。線の細さはやはり気になりますが、手の出し方がとてもきれいでいいブロックをします。最終的にはベレッタよりはいい選手になるのではないかと思っています。

ピーター・ヴェルフィース(ミドル・ベルギー)

ベルギー代表のミドル、ヴェルフィース。典型的ゴツい系ミドルで近年だとヴロナやエデルに近いタイプといえるでしょう。もうちょっと早くトップチームの選手となっていてもおかしくはなかったレベルの選手です。


まだまだリベロはイタリア代表のロッシーニだし、控えには元イタリア代表のミドル、サーラやセッター、ボニンファンテなどがいて、盤石な布陣。
ちなみにチームの編成などを行うスポーツディレクター(GMみたいなもの)はあのサルトレッティなんです。


といった錚々たるメンツで戦う今季のモデナ。
なんというかチームの平均年齢の割にバレーボールがうまい選手が非常に多いです。流れが読めて、適確な判断が下せて、ミスも少ない。こういった選手が多いとやはりチームに安定感があり、下位への取りこぼしなんかがほとんどないんですね。
石川君が主力で戦っていくということは難しいかもしれませんが、下位相手であれば出場のチャンスはあるでしょうし、日ごろの練習に参加するだけでも彼にとって大きなプラスになることは間違いありません。しかしながら、サーブだけをとってみれば、彼らにも引けを取らないものを持っていますし、とりあえずこの一年はリリーフサーバーとして、その地位を確立させていくのではないかと考えています。

*1:レギュラーラウンドは13チーム総当たりを2周するので、全部で24試合。その後トーナメントのプレーオフに入る