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Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

ワールドカップ2015アメリカ-イタリアのレビュー



アメリカ 3(25-18 25-23 29-27)0 イタリア



1セット目のスタメン

若いセッター、基本的にはサイドの選手がオポジットに入り、時には4枚でサーブレシーブをするという選手構成的には少し似た両チームの対戦となった。



それなりに拮抗した点数とはいえ、それ以上に力の差を感じたゲーム。アメリカの方が三枚くらい上手な印象。
途中イタリアがリードを奪うことが何度かあったが、どうせ追いつくだろうと余裕を持って見ていた。


特に試合の分かれ目に感じたのは、ミドルブロッカーの差、セッターの差、サーブの差だった。



アメリカのミドルは2人で18得点、イタリアのミドルは途中でブティに代わってアンザーニが入って、3人で8得点。もちろん単に点を取ればいいという話ではないが、ミドルが与えるインパクトが決定的に違うのだ。


パスやトスなど細かい仕事もきっちりこなし、サーブでもインパクトを与えられるアメリカのリー、ホルト。チャンスボールの処理や細かい仕事で失点するイタリアのミドル。
チームを引っ張るアメリカのミドル、チームに引っ張られるイタリアのミドル。差は歴然だった。
もちろんイタリアのミドルが単に劣るということではない。ピアノもブティもアンザーニも形の良いブロックをする。
イタリアとアメリカではミドルに対するアプローチが違うのだ。


イタリアのミドルはブロックさえしっかりしてくれれば、スパイクやサーブや細かいプレーをそこまで求められないのだと思う。
むしろ他の選手の邪魔をしてはならないと言われているのではないかと思うほどである。
アメリカで生まれた分業システムは優れたコンセプトであるが、リベロ制もあいまって高いだけのミドルを量産してきた。
アメリカの基本理念はあくまで「ブロックが良い"バレーボール選手”がミドルをやればよい」だが、イタリアの分業制は「ミドルはブロックやスパイクだけできれば良い」というものになってしまった。
そこにアメリカとイタリアという国としてのバレーボールカルチャーの違いを感じた。


ルケッタやガルディーニ、ジャーニなどリベロ制以前は優れたミドルを多く輩出したイタリアなのだから、素地はあるはずでこの辺の見直しは今後必要になるだろう。

セッターの差

ミドルにインパクトがある分、イタリアの両サイドも真ん中にくぎ付けになる部分が多かったのか、サイドのプレーヤーにストレートを抜かれる場面が非常に多かった。


そして、そのストレートをうまく打てるだけの質の高い長いトスを上げ続けたクリステンソンとそれができなかったジャンネッリの差も大きかった。ジャンネッリのサイドへのトスは終始短く、レフトサイドの選手を活かせなかった。結果的に調子もあっただろうが、ユアントレーナを試合途中で下げざるを得なくなってしまった。


イタリアのサイドブロックが外に注意を向けだした後半、クリステンソンはパイプ、クイックをうまく使い出し、終始イタリアに狙いを絞らせなかったように思う。


クリステンソンも若いとはいえ、もう何年もシニアチームの経験があるが、ジャンネッリはなんといっても今年シニアデビューしたばかり。
その辺の差はあったのだと思う。

サーブの差

統計上、サーブの差はそこまで大きくないが、アメリカのサーブからは常に意図を感じた。
レシーバーの間を狙う、パイプに入らせない、前衛サイドの助走を遅らせる、弱いレシーバーを狙う。その辺が功を奏し、イタリアの攻撃は終始単調でパイプも数本しか見られなかった。


イタリアも5本のエースを出しているが、ほとんどが個人能力任せというエースだった。
チームの成熟度の差を感じた結果であった。




イタリアは監督が代わったばかりであるし成熟度の差は仕方がないが、若い選手ばかりでこれだけのバレーができるアメリカという国の末恐ろしさを感じたのであった。