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Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

2016ワールドリーグ決勝、セルビア-ブラジルのレビュー




photo by FIVB



youtu.be

セルビアがモンテネグロの独立を経て、「セルビア」になってからちょうど10年目での優勝。世界大会としてはユーゴの2000シドニー以来の2度目の優勝となる。その時のセッター、グルビッチ弟が監督というのも感慨深いものがある。
アタナシエビッチを欠く中でまさか優勝とは思っていなかった。


前提としてモチベーションの差は考慮しなければならない。
五輪に出ないセルビアは去年のワールドリーグは決勝で負けていたこともあって、これが大一番であったがブラジルやファイナル6に出たその他の国にとっては、どうしても五輪への調整という向きが強い大会であった。
ブラジルのリベロはチアゴ・ブレンドルであったし、どうもルーカスの使い方もちょっと隠してんのかな?という感じであった。
そもそもそんなセルビアが五輪に出られないのはどうなのよって話なんだけど。


1セット目のラインナップ。
両チームともここまでの戦い通りのスタートローテーションで、特に意図したものはなかっただろうと思われる。
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セルビアの基本戦術としては、19マウリシオにサーブを集め、4ウォレスにはある程度好きにやらせるというものだったと思う。
セルビアのミドルは真ん中とウォレスの逆サイドに9割の意識を置いているイメージ。無視ってレベルではないんだけど上がってからの反応でいいかなというレベル。ウォレス以外のところを守れれば十分勝てるよという割り切りが感じられた。
マウリシオは5本のエースを献上するなど散々だったが、五輪本番でもムリロはおらず、ブラジルの厳しい戦いが予想される。ダンテでも呼び戻せたらまたちょっと違うんだろうけど。


対するブラジルはバンチからのコミットを基本にしていたが、ミドルを抑えきれなかった。
この辺りはセルビアのセッター、ヨボビッチを評価したい。ゲームの頭でミドルでガツンといったのが大きかった。中盤から終盤にかけてはパイプをうまく使った。
数字上はそこまでのインパクトはないんだけど、オポのルブリッチもほぼ初めてのシニアの大舞台で肝が据わってるなあというか、これでまだアタナシエビッチ使ってないんだぜというこの国の末恐ろしさ。


MVPはこの試合のトップスコアラーであるイボビッチに渡されたが、個人的にはU.コバチェビッチを推したい(イボビッチもすごかったけどね)。大会通してでは、リシナツに上げたいところであるが。
この試合に関しては、このコバチェビッチとマウリシオの差こそがポイントだったかなと思う。1セット目、ブラジルの強サーブをことごとくパーフェクトパスにしたコバチェビッチの貢献は大きい。ライブで見てはいないのだが、序盤の数本の彼のレセプションで勝負はほぼ決していた。もちろん数字でいえばレセプションのゲームへの寄与度は小さいのだが、それくらい大きなレセプションというのもあるにはあると私は思っている。以降ブラジルはイボビッチに狙いを変えるものの決定打が打てなかった。
おそらくセルビアが一番ブレイクしているのも、このコバチェビッチの緩急つけたサーブ時であったと思う。


ブラジルはどうもプレーが型にはまりすぎているきらいがあるように感じた。それがあえてだったのかどうかはわからないが。
たとえば、2セット目のブラジル14-17のこの場面。難しいボールだったとはいえ、ルカレッリは簡単にブロックの裏に返すが、正面でとられ簡単に切り返されてしまう。


正直、こういったプレーは若干時代遅れなところがある。やはり何をするかわからない中でのこういうプレーはまだあり得るが、とりあえず相手が嫌そうなところにボール置きますーってプレーは簡単に切り返される。
時代はヌガペトさんしかり、前述のコバチェビッチのサーブしかり、常に攻めることを前提に何をするかわからない、というのがスタンダードになりつつある。
そういった中でルカレッリをはじめ、多くの選手が国内でプレーしているブラジル代表には正直限界がある。ブラジル国内ならいいかもしれない。嫌なところにボールを置いて、わかりきった相手のハイボールを仕留める。しかしヨーロッパのトップレベルではそれはもはやチャンスボールになりつつあるのだ。
もう10年を超えるレゼンデ政権の限界とも言い換えることもできようか。モチベーションの差を前提にすべきとは冒頭で述べたが、正直ブラジルに金はキツイ。


ブラジルがリードを奪う局面は各セット中盤以降一度もなかった。イボビッチが前衛の時に点差を離し、ウォレスが前衛の時に多少詰められるが最後まで危険なゾーンまでブラジルを入れることはなかった。


13位セルビア 1位ブラジルをストレートで下し初V ― スポニチ Sponichi Annex バレーボール


一部メディアでは世界ランキング13位のセルビアが1位のブラジルに勝利!なんて書いているようであるが、今日更新されたランキングでそのランキングがいかにあてにならないものか改めて認識されたことは間違いないし、今回のファイナル6進出チームのブラジル、ロシア、アメリカ、ポーランド、イタリア、フランスであれば毎回結果が変わってもおかしくない、まさに本命不在の時代なのである。


そんな中でおみくじに近いものがあるが、私はリオはロシアを推そう。
出れればね。