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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

東京五輪男子バレー準々決勝はなにが起こるかわからない

オリンピックでも春高でも、インカレでも準々決勝が一番おもしろい(黒鷲旗は初日、二日目、天皇杯はエイト決め)。ましてやオリンピックはここから負けたら終わりのトーナメントが始まるわけだから、一層おもしろい。

何が起こるかわからないノックアウトステージ

まずは下の表を見ていただこう。

  優勝国 予選順位 予選成績
2016リオ ブラジル 4位 3勝2敗
2012ロンドン ロシア 3位 4勝1敗
2008北京 アメリ 1位 5勝
2004アテネ ブラジル 1位 4勝1敗
2000シドニー ユーゴスラビア 3位 3勝2敗
1996アトランタ オランダ 2位 4勝1敗
1992バルセロナ ブラジル 1位 5勝

これはオリンピックが6チーム総当り2グループの各上位4チームの準々決勝というルールになって以降の金メダルチームの予選ラウンド成績である。
予選ラウンドで1位のチームが優勝した回数は50%を下回る。予選ラウンドで1位のチームは各大会2つあるというのにだ。つまり予選ラウンドの成績と最終成績はほぼ関係ない。
ましてや前回大会などは予選4位のブラジルが優勝している。


準々決勝の組み合わせは各プール1位対4位、2位3位は抽選となるが、この1位対4位の対戦で予選ラウンド1位チームの勝率がどれくらいか想像してみてほしい。


正解は57% 14戦中1位の8勝。過去7回のオリンピックのうち、予選ラウンド1位チームがトーナメント初戦で43%も敗退しているのだ。
何が言いたいかといえば、結局ここまで残っているチームにそこまで力差はなく、ほんの僅かなファクターで勝敗が左右される。
ましてやオリンピックで負けたら終わりの試合、メンタル面も相当結果に響く。
準決勝まで行けば、まぁ、負けても3位決定戦がある。もちろんそんな簡単な話ではないが、だからこそ準々決勝が一番ヒリヒリしてピリピリしてビリビリする対戦なわけだ。

日本が準々決勝に進出

29年ぶりって、今のチームその時生まれてるのって、清水(5歳)、李(1歳9ヶ月)、藤井(7ヶ月)しかいないわけで。高橋くんに至ってはご両親が出会っているかも怪しいレベルなわけで。
しかも1992年ってサムエルソン事件なわけで(詳細はググろう)。タラレバだけれどもそれを差し引くと予選ラウンドが終わって、まだメダルのチャンスが有るのってその前はもう1976年モントリオールまで遡らなければならないわけで。


日本は強くなっている。トレンドに乗っているし、若いタレントがどんどん出てきている。
ただ開催国である、という優位は忘れてはならない。組み合わせは開催国としてFIVBランクは考慮されないし、この先の大会はそもそも出場権を得るためにまだ苦しい戦いを勝ち残らなければならない。東京にはセルビアスロベニアも来ていないのだ。
もちろん期待はしているし、やれることはやっていきたいのだが、生きているうちに日本がオリンピックの準々決勝を戦っているところをもう一度見られるかと言われれば、わからないと言わざるを得ない。


ブラジルの見どころなんかは私よりも詳しい方がネット上にゴロゴロいるとは思うので、そちらを参照いただきたい。
ブラジルに勝つというのは容易な話ではない。しかもホントに本気のブラジルとやるなんて過去20年あっただろうか。
でもそれでも何が起こるかわからないということを信じてみたい。今の日本の選手たちにはそう思わせるだけの可能性があるし、どのような結果になったとしても、この試合は選手たちのみならず、日本のバレー関わるすべての人のかけがえのない経験となるだろう。


9:00カナダ-ROC
13:00日本-ブラジル
17:00イタリア-アルゼンチン
21:30ポーランド-フランス


といいつつ、明日は火曜日なわけで、4試合全て生で見るというのは、なかなか難しい話であろう。

東京五輪に見る世界トップのトレンド

またシューズなんぞ下らんことを、と怒られそうなので。
イラン戦を見ながら書いてます。数試合見ることができてませんが、今日で予選ラウンドも終わるので、ざっと。
もちろんサーブで攻めるだとか、トータルディフェンスだとか、4枚攻撃だとかはあくまで前提の話として、すっとばしてます。

ショートサーブのシステム化

個人のひらめきというよりは、戦術としてショートサーブを標準装備しているチーム、選手が増えた。
もちろん強サーブは健在で、ショートサーブとの使い分けによって、レシーバーの位置を不安定にさせ、更にサーブの効果を高めている。
ショートサーブで相手ミドルやパイプ、前衛のサイドを消して、ブロックと連動してディフェンスできれば、強サーブで崩すのと変わらないわけで、詰まるところサーブの目的というのは、相手の攻撃枚数を減らすことなのだ。
ビッグサーブが大事とはいっても、ミスとはどこかで折り合いをつけなければならないわけで、リスクを減らしつつ、なおかつ効果を高めるショートサーブが増えてきているのだと思う。増えたとは言っても10本中1~2本の話であるが、それがあるかないかで、レシーバーのプレッシャーは大きく変わる。
強サーブしか打てないサーバーは(それほど)怖くない時代になるかもしれない。ただ、その強サーブもコートの隅を的確に狙ったりと、進化をし続けている。
オリンピックは使える動画がないので、VNLのものになるが…
youtu.be


フローター系もボールが現行のものに変わったことで、変化量が減ったのか、強めのフローターよりはいわゆるハイブリッドと呼ばれるスピン系のサーブを打つ選手が増えた、というのが2019年あたりの流れだが、同じくショートサーブとの組み合わせで前後に揺さぶる傾向は高まっており、今後ますます強くなっていくだろうと考えられる。

ミドルのオフェンス定位置への早動き

下の動画のビエニエクの動き
youtu.be
これはショートサーブのシステム化とおそらくは関係がある。サイドアウト局面でミドルブロッカーがサイドラインよりにいなければならないローテ(特にS6で見られるがS5,4,2でやるチームもいた)で、サーブが打たれると同時に(実際のところ、サーブの打たれる前)にミドルがコート中央に移動するチームが増えた(日本もやってた)。つまりサイドアウト局面でミドルがライト側からの助走をするチームが減っている(ブラジルなんかあえてライト側に移動することもあるが)。
これはレセプションがネットから離れてもミドルを使いやすくする意図と、ショートサーブからパイプを守る意図が考えられる。後衛のサイドの選手にショートサーブを打って、パイプを消し、あわよくばミドルも潰すというサーブも増えてきており、それに対応する動きだと考えられる。
後段でミドルが高火力化している話をするが、ショートサーブで簡単に乱されるような不器用なミドルも淘汰されるだろうし、USAのスミスのような器用なミドルもそのような展開になれば、重宝されるだろう。


ミドルの高火力化と「幅」の活用

サーブも含めたミドルの高火力化傾向は年々強まっている。ブロックはいいんだけど…、なんてミドルはまずいなくなった。簡単に打ってしまったサーブはミドルで簡単にサイドアウトされてしまう。
ルーカス、ホルト、ソレなんかは相変わらずだが、イタリアにガラッシが入ったのはその攻撃力とジャンプサーブを買われてのものだろうし、フランスのシエニエゼ、アルゼンチンのロセルなど得点力の高いミドルが台頭してきている。日本が世界の強豪と渡り合えているのも、ミドルがしっかり点を取れているという要因を無視することはできないだろう。
今大会、その高火力化を後押ししているのが、ミドルの攻撃の進化である。ジャンプ位置と攻撃位置を左右にずらす、幅を使った攻撃が多くのチームで見られるようになった。もともとアルゼンチンのミドル勢の十八番であるし、日本でも旧来(昭和ね)中型ミドルの生命線であったのだが、やはり今年のチャンピオンズリーグにおけるザクサの優勝が大きく影響していると考えられる。いい選手が揃ってはいるが、イタリア、ロシアのトップチームと比べれば少し見劣りするザクサがそのトップチームをなぎ倒していった今年のチャンピオンズリーグは、注目するべき点が非常に多い(準々決勝2試合、準決勝2試合、決勝1試合は絶対見るべき)。中でもミドルのコハノフスキとスミスがトニウッティとともに繰り出すこの幅のある攻撃は相当にインパクトがあった。

youtu.be

スロットをずらすのでヘルプブロックも届かないし、ミドルにの動きに釣られる分、サイド、パイプのケアにも遅れる。これが決まりだすと、普通のアプローチのクイックも簡単に決まりだす。
VNLあたりから全体的にミドルの幅を使った攻撃は増えて来ており、今後ミドルの必修科目になるやもしれない。

オポのマルチロール化とサイドの高火力化

もちろんもともとザイツェフだとかアンダーソンだとかミハイロフだとかクレクだとか、サイドのできる選手がオポに入ってレセプションに参加していたのだが、強サーブに対して、オポジットも参加しての4枚レシーブはいわゆる普通のオポジットでも標準的になってきた(S1、S5、S4のみの話だが)。サイド並みのパス力がなくても、コートの端1mを守ってくれるだけで、他のレシーバーの負担は格段に減る。
ただ攻撃力が高い、というだけのオポジットは図抜けていれば話は別だが、トップの舞台からは淘汰されていくだろう。
逆にアウトサイドヒッターの攻撃力というのは年々上がっているような印象を受ける。オポジットとは逆に、守れるだけという選手というのはほとんどスタメンとしては使われていない。中でもレオン、レアル、クリューカ、サレヒ、ミケレットなどは時代が違えばオポジットをしていてもおかしくはない。

プッシュ系は減る傾向?

これは短いスパンの話であるが、この大会かなりプッシュ系に対する判定が辛(から)いように思う。プッシュのほぼ3分の1はキャッチボールの反則を取られている印象。この判定が世界的にベースになっていくであろうから、今後いわゆるフェイント的なソフトタッチは減らないにしても、指の腹で直線的に押し出すような攻撃は減っていくことが示唆される。今年のチャンピオンズリーグ、VNLと両手プッシュなどもよく見られたのでちょっとオフェンスの形が変わってくるかと思ったのだが。
だからなのかはわからないが、今大会予選ラウンド後半ではサイドのスパイクはブロックの指先を狙うものが多かったように思う。

セッターがファーストタッチしたあとの攻撃

セッターがファーストタッチをしたあとは、後衛のサイドの選手がセットに行くことが標準的になってきた。
これはもちろんツーのバックアタックをするためと、フロントゾーンでオーバーハンドが使えることが大きいだろう。
ヌガペトの代名詞となっているが、私が最初にこのプレーを見たのは2014年のワールドリーグのイランのガエミ。もちろん、彼も誰かのプレーを見たのかもしれないが、ベラスコがインベンターという可能性も微レ存。


アウトサイドのオフェンスでトレンドになりそうなものもあるのだが、まだそこまで定着している感じではないので、今後観察していく。


ただやはりトップレベルにおいては、強サーブの精度とそれに対してレセプションがどこまで我慢できるか、が勝敗を分ける最も大きなファクターという状況は今後もルールが変わらない限りは続いていくだろう。


そんな戦術の変遷を振り返るために昔のツイートを漁っていたのだが、すっかり忘れていたものが出てきた。


もちろんクビアクのアクシデントがあっての話だが、5年前にしてはなかなかいい線行ってる。


当たらない予想だけど、レオンの大会になるか、クリューカの大会になるかだと思っている。


イラン戦、ちょうど見終わりました。ちょっと終盤ミドルの圧が薄かったですが、良い試合でした。
石川祐希が日本史上最高の逸材であることに疑問の余地はないでしょう。
これでタスクはクリアしたと言えます。ここからは冒険を楽しんでほしいと願うばかりです。

東京五輪男子バレーボール出場全選手のシューズ調べてみた

大会中、シューズを変える選手もいるため、下記シューズとは変わっている場合もあります。

Canada

1 Sanders ADIDAS Pro Boost Low
2 Perrin NIKE React Hyperset
3 Marshall NIKE Mamba Focus
4 Hoag ADIDAS Harden Stepback
7 Maar NIKE Zoom Hyperace2
9 Blankenau NIKE React Hyperset
10 Sclater NIKE Jordan React Elevation
12 Van Berkel ASICS GEL BURST 25
13 Vernon-Evans NIKE Mamba Focus
17 Vigrass NIKE React Hyperset
19 Bann ASICS GEL BURST 25 LOW
20 Szwarc NIKE Zoom Hyperace2

Iran

2 Ebadipour NIKE PG 5 EP V
4 Marouf NIKE PG 5 EP 'Bred'
6 Mousavi Jordan Jumpman 2021 PF
9 Gholami NIKE PG 5 EP 'Bred'
10 Ghafour ADIDAS Dame 6
11 Kazemi Adidas Crazyflight Mid
12 Sharifi NIKE PG 5 EP
15 Mojarrad NIKE PG 5 EP
17 Salehi NIKE PG 5 EP 'Bred'
19 Marandi NIKE Zoom Hyperace2
21 A.Salehi NIKE Mamba Focus
24 Karimi ADIDAS Marquee Boost

Italy

2 Kovář Nike React Hyperset
4 Vettori ADIDAS Pro Boost Low
5 Juantorena Nike React Hyperset(特別モデル) Photo
6 Giannelli ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
9 Zaytsev Dame 7 MCD
9-2 Zaytsev Dame 7 AVATER
11 Piano DAME 7 FIRE INSIDE
13 Colaci ASICS BLAST FF2
14 Galassi NIKE PG 5 Playstation White
15 Sbertoli ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
17 Anzani Adidas Pro Boost Low
18 Michieletto ASICS SKY ELITE FF MT
19 Lavia ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO

Japan

1 Shimizu ASICS GELTRIFORCE 3(特注?TOKYO COLOR) Photo
2 Onodera ASICS GEL BURST 25(特注?TOKYO COLOR) Photo
3 Fujii ASICS GEL HOOP V13(特注?TOKYO COLOR)
6 Yamauchi ASICS GEL BURST 25(特注?TOKYO COLOR)
11 Nishida ASICS METARISE TOKYO
12 Sekita ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
14 Ishikawa ASICS SKY ELITE FF 2 TOKYO
15 Ri ROTE JAPAN LYTE FF 2(特注?TOKYO COLOR) Photo
17 Takanashi ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
19 Otsuka ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
20 Yamamoto ROTE JAPAN LYTE FF 2(特注TOKYO COLOR) Photo
21 Takahashi ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO

TOKYOカラーで揃えているため判別がかなり困難。SKY ELITEもミドルとローがあったり。
特にバッシュ系はわからないので、助言求みます。特に藤井くんのシューズは自信なし。

Poland

1 Nowakowski ADIDAS D.O.N. ISSUE #3
5 Kaczmarek ADIDAS Dame 6
6 Kurek ADIDAS Dame 6
9 León Adidas D ROSE 773 2020
11 Drzyzga ASICS SKY ELITE FF MT TOKYO
12 Łomacz ADIDAS Dame 3 'West Campus'
13 Kubiak ADIDAS CRAZYFLIGHT TOKYO
14 Śliwka ADIDAS HARDEN VOL. 4
15 Kochanowski ADIDAS Stabil Next Gen
16 Semeniuk ADIDAS CRAZYFLIGHT TOKYO
17 Zatorski ADIDAS CRAZYFLIGHT TOKYO
20 Bieniek Adidas D ROSE 773 2020

Venezuela

1 Velásquez MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
3 González NIKE KD Trey 5 IX Summit White
4 Héctor Mata MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
5 Rodríguez NIKE KD13 BY YOU Photo
6 Oramas NIKE KD Trey 5 IX Summit White
7 Valencia MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
9 Carrasco NIKE Kyrie 7 BY YOU Photo
11 Verdi MIZUNO WAVE MOMENTUM 2
14 Canelo NIKE KD Trey 5 IX Summit White
15 Arias MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
17 Fayola NIKE KD Trey 5 IX Summit White
19 Rivas NIKE KD13 By you photo

Pool B

Argentina

1 Sánchez WAVE MOMENTUM 2
2 Pereyra ADIDAS D.O.N. ISSUE 2 GCA
6 Poglajen WAVE MOMENTUM
7 Conte ADIDAS CrazyFlight Tokyo
8 Loser adidas D Rose 11 White Black Speckled
9 Danani NIKE KD TREY 5 VIII'White Total Orange'
11 Solé ADIDAS Dame 6
12 Lima Nike KD 13 EP 'Oreo'
13 Palacios MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
15 De Cecco MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
17 Méndez MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
18 Ramos MIZUNO WAVE MOMENTUM 2

Brazil

1 Bruno NIS OLYMPIKUS BR1 UNISSEX
5 Maurício Borges ADIDAS CrazyFlight Tokyo
6 Fernando Kreling Sky Elite FF MT Retro Tokyo
8 Wallace ADIDAS CrazyFlight Tokyo
9 Leal NIKE Zoom Hyperace2
12 Isac ASICS SKY ELITE FF MT
13 Maurício Souza ASICS NETBURNER BALLISTIC FF MT 2
14 Douglas ADIDAS CrazyFlight Tokyo
16 Lucas KD14 EP
16-2 Lucas NIKE React Hyperset(未発売カラー) Photo
17 Thales ASICS SKY ELITE FF MT
18 Lucarelli NIKE React Hyperset
21 Alan ADIDAS CrazyFlight Tokyo

France

1 Chinenyeze Harden Vol. 5
2 Grebennikov NIKE React Hyperset(未発売カラー) Photo
4 Patry ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
6 Toniutti ADIDAS CrazyFlight Tokyo
7 Tillie ADIDAS Harden Stepback 2
9 Ngapeth ADIDAS Stabil Next Gen
9-2 Ngapeth ADIDAS CrazyFlight Tokyo
11 Brizard ADIDAS CrazyFlight Tokyo
11-2 Brizard NIKE React Hyperset 右足:白青、左足:白赤
12 Boyer NIKE Kyrie 7
14 Le Goff NIKE KD Trey 5 IX Summit White
16 Bultor NIKE MAMBA FOCUS
17 Clévenot ASICS SKY ELITE FF TOKYO
19 Louati NIKE Zoom Hyperace2

ROC

1 Podlesnykh Nike Air Zoom BB NXT
4 Volvich Sky Elite FF MT Retro Tokyo
7 Volkov ASICS NETBURNER BALLISTIC FF2?(TOKYO COLOR)
9 Iakovlev ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
9-2 Iakovlev NETBURNER BALLISTIC FF MT
10 Bogdan ADIDAS DAME 7 MCD
11 Pankov NIKE Zoom Freak 2 by you(ロシアンカラー) Photo
15 Poletaev NIKE Zoom Freak 3 Crimson Bliss
17 Mikhaylov ASICS GEL BEYOND 5 MT
18 Kliuka ADIDAS Dame 7 CNY
20 Kurkaev NIKE Hyperace2
24 Kobzar NIKE Zoom REV TB
27 Golubev ASICS SKY ELITE FF MT

Tunisia

2 Kadhi Nike KD Trey 5 VIII EP Bred
3 Ben Slimene ADIDAS Harden Vol. 5
6 Miladi Nike KD Trey 5 VII EP Black Grey Wolf
7 Karamosli ADIDAS Dame 7 NBA 2K21
9 Agrebi NIKE KD 13 EP 'USA'
10 Nagga NIKE KD 12 by you
11 Moalla ADIDAS Pro Boost Low
12 Ben Cheikh 現状、不明
13 Mbareki ADIDAS Harden Stepback 2
15 Ben Tara NIKE KD 13 EP 'EYBL'
19 Bouguerra Nike KD Trey 5 IX 'Bred'
20 Hmissi Nike PG 4 EP

United States

1 Anderson NIKE React Hyperset(未発売カラー) Photo
3 Sander ADIDAS Dame 7 "Fine China"
5 Ensing ADIDAS Pro Boost Low
6 Stahl ADIDAS Pro Boost Low
7 K.Shoji ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
8 DeFalco Nike Zoom Hyperattack
11 Christenson Nike React Hyperset(未発売カラー) Photo
12 Holt ADIDAS Haeden Vol.3
12-2 Holt ADIDAS D.O.N. ISSUE 2
17 Jaeschke Nike Zoom Hyperattack
18 Muagututia Adidas D Rose 11
20 Smith Adidas Coll3Ctiv3 2020
22 E.Shoji Nike React Hyperset(未発売カラー) Photo

間違っているものあれば、気軽にご連絡ください。

きょうのセッターその50 猫田勝敏


「スマン」
「頼む」
「ありがとう」
猫田勝敏ストーリー(2) | JTサンダーズ広島 | JTウェブサイト

日本国内では「セッターと言えば」の代名詞になっているとは思うが、世界的にみても猫田氏の功績は、今でもなお高く評価されている。
イタリアのバレーボール専門webメディアの「VOLLEYBALL.IT」が昨年まとめた『現代バレーボールの歴史を作った12人のセッター』の一人目として、猫田氏は取り上げられている。
バレーボールの歴史に詳しい元オーストラリア代表監督であるマーク・レべデフは、歴史上最高のセッターを5人挙げるとしたら、と尋ねられ、「猫田、ザイツェフ、マウリシオ、グルビッチ、ボール」を挙げている*1。またブラジルのバレーニュースサイト「Saque Viagem」は猫田氏を「現代セッターの父」と位置付けている*2


1964年東京、1968年メキシコシティ、1972年ミュンヘン、1976年モントリオールと計4回のオリンピックに出場し、それぞれ銅、銀、金、4位という結果。当たり前であるが、4回オリンピックに出場した日本のバレー選手は猫田氏しかいない。


1960年代後半はまだ両サイドに高いトスを放り上げておくという戦術が一般的で、クイックはあるにはあったが単発ということがほとんど。ミドルとサイドを絡ませるという発想自体がまだなかった。そもそも一人の固定されたセッターが攻撃をコントロールするというチームがほぼなく、複数セッターによるオフェンスが大勢を占めていた。猫田氏も東京五輪では出町豊氏の補助セッター(控えという意味ではなく)という位置づけであった。その後、ワンセッターとなった猫田氏と仲間たちの作り上げた多種多彩なクイック、時間差攻撃を繰り出すマルチテンポオフェンスはバレーボールに革命を起こした。
もちろんこれは監督であった松平氏の功績に依るところが大きいが、猫田氏の技巧がなければ実行に踏み切らなかっただろう。


国内であまり取り沙汰されることはないが、猫田氏がネットを背にしてセットすることで、リリースポイントが相手から見えづらくなったことを彼の利点に挙げる海外の文献も多い*3*4。これはあくまで推測であるが、ミュンヘン前年の右手複雑骨折の影響で、左手の力を多めに使わざるを得なかったことによる副産物だと考える。オリンピックの約1年前に腕を骨折して復帰は本番の二ヶ月前、それを考えるだけで恐ろしい。


猫田氏の最大の功績はセッターの「心」を世に残したことであると思う。「セッターは目立ってはならない」「人間力」「スパイカーに合わせ、打ちやすいトスを上げる」「自分が思ういいトスではなく、スパイカーが打ちやすいトス」「毎日、毎日の練習で“骨で汗をかいた”と納得できるまでやる」 そして冒頭の引用、猫田氏が試合中の口癖だったという「スマン」「頼む」「ありがとう」はセッターのみならず、自分ひとりだけではプレーすることの出来ないバレーボールというスポーツのエッセンスが詰まったメッセージだと思う。ボールを触るプレーヤーすべてがこの気持ちを持っていれば、自然とプレーの質は上がるはずである。


猫田氏は39歳の若さで早逝したが、10年後、100年後、彼の「心」がバレーボールに生き続けることを願う。



sputnik0829.hatenadiary.com

きょうのセッターその49 レイデル・イエレスエロ

www.youtube.com


「ツーアタック」というのは和製バレーボール用語であり、基本的に外国人には通じない。英語では「ダンプ」もしくは「セッターダンプ」が一般的であるが、ブラジルでは「Bola de Segunda」、直訳だとセカンドボールと言ったりもするので、ツーアタックも全く通じないということはないだろう。
あまり左利きのセッターも多くないし、強いサーブが増えたので、セッターがツーアタックを行える機会も減っているだろうから、ジェフ・ストークほどバシバシツーアタックしてくるセッターというのはあまり見なくなったが、キューバのレイデル・イエレスエロは近年ではかなりツーを打つセッターに分類することができるだろう。


例えば昨季、彼が所属していたトルコのジラートバンクのスタッツを見てみよう。
tvf-web.dataproject.com


チームごとに各選手の成績が見られるのだが、彼の二人上に位置しているGOK EMIN選手はスタメンのミドル。サーブの打数が300少し越えるくらいでほぼイエレスエロと同数なので、プレー時間的にはほぼ同じと推定される。そのエミンのスパイク打数が154でイエレスエロが114。セットあたり換算だとエミン1.82本、イエレスエロが1.31本となる。ミドルで1.82本も少し少ないが、セッターで1セット1.31本というのは毎セット必ずツーをしている計算になる。


イタリアでも3シーズンプレーしているが、3シーズン合わせてセット当たり1.30本と安定している。これを例えば他のセッターと比べると、ジャネッリがセット0.78本デ・セッコで0.63本クリステンソンで0.59本ブルーノで0.53本となる。大体2セットで1本から1.5本の間に収まる。もちろん統計で記録される打数にはダイレクトアタックなども含まれるので一概には言えないが、セット1本を越える打数がいかに多いかというのはお分かりだろう。


ちなみにストークを調べてみたが、時代が古くて出場試合数はわかるものの、出場セット数がわからないので雑な計算にはなってしまうが(試合数に4をかけて出場セットということにした)、打数はセット1.8本という結果になった。
サイドアウト制で1セットの長さが違うので単純な比較はできないが、1セットに約2本近く打っていることになる。
サーブ打数との比率ならルールに関係なく、ツーアタックの頻度が出せそうなので、こちらも一応やってみると、ストークサーブ1本につき0.32本のアタック打数、比較でブルーノは0.13本、イエレスエロが0.37本となった。これもサーブの強さなんかも関係してくるので、一概には言えないが、イエレスエロはストークより、ツーアタックの頻度が高かった可能性がある。


2009、2010年のキューバには誰もが夢を見た。レオン、レアル、シモン。その前10年間ブラジルが握っていた世界の覇権があと数年でキューバに移る。そんなことを感じさせた2009年グラチャンと2010年の世界選手権だった。
しかしその夢は翌年にはすぐ潰える。レアルが消え、シモンが消え、イエルスエロが消えた。2013年にはレオンも消え完全に雲散霧消。そしてレオンのポーランド国籍取得、レアルのブラジル国籍取得と各国に夢が散らばった。
近年、キューバも態度を軟化させ、2020東京五輪予選では結局シモンのみが出場したが、イエレスエロ、サンチェスもキューバナショナルチームに戻ることが発表された*1。この先、海外でプレーしている選手も代表でプレーできるということが続けば、またキューバに夢を見ることができる日が来るかもしれない。