Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

ジェンダー イン バレーボール



おほ、越川選手のチームになかなかよいメルカートの結果が訪れてます。

Volley Padova - Sempre Volley - Lega Volley Serie A Tim

スペイン代表のオポジット。Barcala選手。バルサラでいいのか?なんか簡単にA1にあがってしまいそうな予感です。

今日はワールドリーグ第5週のエントリーを書くべき日なのだが、もういい加減ネタがない。ファイナル6が決まってからまたなにか、書こう。

というわけで僕の書いた卒論の話。結果的にはこのエントリーの続きということになるんだろうな。

タイトルは『バレーボール中継からみるジェンダー』というものだった。端的には、カメラワークからみる男女差。こういう研究するに当たって、自分が日本人であるというのは、サンプルの収集の面からみて、実にラッキーだった。国際大会であれば、ほとんどのケースで男女とも同じ局の制作となるので、普通に考えれば、差は見られないはずだから。

カメラワークといっても、ボールが動いているほとんどのケースでは、中央横からのロングショットなので、これを考慮しない。恣意的なカメラワークが見られるのは、そのほとんどが得点の後。誰を映すのか、どんなショットで映すのかに分析の重心を置いた。それはつまり(カメラマン、もしくはディレクター、スイッチャー等にとって)得点の成果が誰にあったように見えるのかを意味している。

もちろんカメラワークは人(この場合、ほとんどのケースで男)の作りしものなので、なかなか顕著な結果が出た。

まず女子は集団として、カメラに収まるカットが多かった。もちろん女子の方が、得点した後、わーっと集まることが多い。それを考慮したとしても、男子の場合は中央に集まっている場面でも、アップで一人だけ抜くというカットが多かったのだ。これは女子では、より成果がチームに帰属していると解釈される。女子の方がラリーが長く続くので、多くの人間がボールにさわり、結果的にチーム全員が主役でありえる、という競技特性も考察された。

次にアップの大きさである。集団か個人かで男女差は見られたが、男女とも圧倒的に多いのは得点した選手のアップである。それが女子選手は全体像を映す場面が多く(特に外国人選手)、男性は胸から上のいわゆるバストショットが多く、女性のスタイルを際だたせようとしたカメラワークが多く見られた。

また、これは全体的に言えることだが、監督のカットの数も有意差が見られた。女子の試合の方が監督のカットが多かったのだ。これに対しては、女性を率いる強い男性像を、安易に作りだそうとしている可能性が考えられた。また、チームの成果や影響力について、女子の方が監督により帰属されると解釈された。

という結果から、まぁ映像の善し悪しはおいといて、性差別しちゃってるよ、どうなの云々という研究をしてたのだが、こんな事だらだら言わなくてもビーチバレー見ちゃうと、こんなんばかばかしくなるくらい、モロじゃない。今考えるとばかばかしい研究したもんです。

ただ、これは多くのバレーボールを見る人間の無意識の視点なんだと思う。男子は個人、女子はチーム。監督にしても「黙って俺についてこい」(by大松博文)というやつ。

なんか改めて振り返ると、それがいい悪いじゃなくて、男と女のスポーツをひもとく糸口がなんか引っ張れそうなんだけどなぁ。あとちょっとなんだけどなぁ。

というわけでまたなんかだらだらと幕を閉じる。