Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

ピンサー論



「論」と謳っているわりには、今日もなかなか抽象的な話だが、ご了承いただきたい。
ピンチサーバーとは、はてなキーワードによれば、

バレーボール用語。 ローテーションでサーブに不安がある選手に回ったり、サーブをきっちり決めたい場面などにおいて交代でサーブを打つ選手。
ピンチサーバーとは - はてなキーワード

と定義されている。

ピンチサーバーと言われて、みなさんが最初に思い浮かべる選手は誰だろうか?最近であれば古田史郎かな?
リベロ制度以前であれば、ピンチサーバーというよりはバックプレーヤとして、守備固めの役割の方が大きかったが、今ではまさにサーブ一本の能力が求められている。
はっきり言ってこのピンチサーバーには才能はいらないと思う。もちろん才能でやっている選手もいるが、努力次第でなんとかなるバレーボール唯一のポジションだろう。どんな小さい選手でも、リベロほど拾えなくてもピンチサーバーにはなれる。

あくまで僕の考えるピンサー論では、一流のピンチサーバーはサーブだけがものすごいというわけではない。もちろん交代する選手よりは相手を崩す期待の持てるサーブが打てるという前提はあるが、ハートが強い選手、点がとれる選手、そして「何かしてくれるオーラ」を漂わせる選手だ。つまり生まれてこのかた「一流」というピンチサーバーはいない。練習で何万本のサーブを打って、試合で幾多のミスをして、幾多の点を取ってはじめてそのオーラが身につき、一流だといえるのだと思う。このへんは野球の代打と似たようなところがあるだろう。
多くの監督は強いサーブを期待して入れるのではなく、その何かしてくれるオーラに期待してピンチサーバーを送りだす。たまになんでこの選手をピンチサーブに出すの?変える選手の方がサーブ強いじゃん、みたいな意見を耳にすることがあるが、その最たる要因はこのオーラによるところが大きい。ただこのオーラも気まぐれなもので、全然ないときもあれば、つきまくっているときもあるので、注意が必要だ。プレミアでこのオーラをまとったことがあるのは、すでに引退しているが高杉選手、久保選手、現役では吉田譲選手、ピンサー時代の金井選手ぐらいなものだろうか。岡本選手も中山選手も、木内選手もまだ足りない。

ピンチサーバーが安定して試合にでるためにまず試用期間において、監督の信頼を得なければならない。この試用期間をのりこえられるかがピンサーにとって、もっとも重要なポイントだろう。一回監督の信頼をつかんでしまえば、どれだけミスをしても試合には出られる。この間にアピールしようと強いサーブを打ってミスをすれば、意味はないし、入れとけサーブを打っても監督の評価は得られない。はっきり言って、これは運次第みたいなところもあるのだが、このチャレンジに何回も挑める選手こそが、ピンサーに必要な強いハートを持った選手なのだ。

ちなみに僕がピンチサーバーといえば?と問われれば、その答えは「櫻糀秋輔」だ。