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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

監督の出身ポジション



ちょうど一年前、監督の出身ポジションについてまとめたものを書いたが、野球のおもしろいエントリーを読んだので、もう一回。

バッター出身監督とピッチャー出身監督の違いvia id:dhalmel

最初は各ポジション出身の監督ごとに何か特徴が有ればまとめたかったのが、そもそもバレーボールでは、野球と違って一人の選手に様々なスキルが求められる。今でこそリベロが出来て、分業度は増しているものの、エースだってレシーブしなければならないし、セッターもブロックしなければならない。つまり一芸秀でているだけではスターティングメンバーとしては使いづらい。全ての能力の合計値の上位6人がそのチームのスターティングメンバーになれるといえる。バレーボールでは監督によって主にスタメンの選定で選手起用に明確に差が出るわけはないと思う。同じチームの監督を誰がやってもその選手起用に大きな差はでてこないはず。バレーボールとして、どんな方向を目指すかは別として。

その監督の出身ポジションに応じて、いくらかの特徴はあると思う。しかしそれもその監督のオリジナルな部分との見分けが付きづらい程度のものだろう。
そんな中でも最近、セッター出身の監督にある特徴があるのではないかと感じている。それはセッター出身の監督は自分のチームのセッターを固定しきれないのではないかという仮説。今年のプレミアリーグを見てみるとセッター出身の監督は豊田合成・松田監督、JT・ゴードン監督、FC東京・坂本監督、大分三好・増成監督と半分のチームの監督はセッター出身なのだが、どのチームもセッターの起用法に迷っている印象を受けた*1。終盤では高橋(幸)に落ち着いたが、中盤まで重村との併用だった豊田合成。中盤でもなお3人セッターをベンチに入れたJT。山岡と山内、ほとんど同格に扱ったFC東京。自分まで使っちゃう大分三好(中〜後半にかけては安定して浜崎だった)。
監督になるくらいのセッターは、やはり現役時代も相当うまかったはず。実際にこの4人のうち2人が実際に選手登録しているわけだし。そんな彼らがセッターに対して、よりレベルの高いものを求めるのは必然なのかもしれない。アタッカーには高さや強さといったポテンシャル的な部分があるので他者を他者として認めやすい部分があるのだが、セッターはミスだけが減点として目に見える難しいポジションである。それに対して、アタッカー出身の監督に比べてセッター出身の監督の我慢が持つかという問題がある。またデータバレーが盛んな昨今、データをとられることにナイーブになり、セッターを使い分けることでそれを防ごうとしているのではないかというのも一つの仮説要因だ。

バレーの方向性という意味では上記リンクの

「短所を補う」方向に動くことが多いように感じます。

ということはうなずける。これはポジションとは関係ない話だが、あまり背の高くない監督はスーパーエースを中心としたチーム作り、背の大きい監督が緻密なバレーを志向することが多いように思う。そちらの方を検証してみた方がおもしろいかもしれない。

*1:サントリーも迷ってはいたが