Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

日韓トップマッチ2010



某巨大掲示板で日韓トップマッチが動画で見られるとの情報を得たので、早速見てみることに。
URLは以下。KBS N VOD 그 이상의 감동

日本Vリーグの王者、パナソニック韓国Vリーグの王者、サムソンのワンマッチ。
サムソンは先日紹介した超大黒柱の外国人、ギャビンが不在。そういえば去年もサムソンの外人、現在豊田合成のアンジェルコが不在だった。契約の関係か日本をなめているのか。
パナソニックはいつものメンツ。サムソンはフロントオーダーを用いていた。これまた先日のエントリーでフロントオーダーを用いているチームは非常に少ないと講釈たれたが、実は韓国ではフロントオーダーが主流なのだ。代表チームも左利きのオポがいても、フロントオーダーを使う。情報が入ってこないわけでもないのに、それがセオリーかのごとくどのチームもフロントオーダーを敷いている。未だにオポジットを「ライト」というように、バレーに関してはまるで鎖国のようだ。

言っちゃあ悪いが、動画を見ても、韓国のバレーは非常に古い。ブロックシステムはマンツーマンでしかもサイドはアンテナ近くまで開いてしまう。サイドにヘルプの意識は全くないためセンターエリアの攻撃に対して1枚しか付くことができない。パイプもなく時間差を多用し、二段トスはとてつもなく高い。

外国人もいないそんな相手に1-3で敗れたパナソニックはやはり本調子ではなかった。
宇佐美選手はサイドのヘルプが薄い相手に対してセオリー通り、センター線とパイプを多用した。決定率は相手を上回ったことからわかるように、この攻撃は大局的には成功したのだが、勝負所で1枚のブロックに当ててしまいサイドアウトをとれなかった。それ以上にサイドにふったときにミスを出したり、リベロに拾われる*1ことが多かったのが直接の敗因だろう。

一方、パナソニックのディフェンスは、非常に機能していた。時代遅れが故に新鮮な時間差攻撃と非常に遅いクイックに多少やられはしたが、ほとんど1本で決められることはなかった。しかし、切り返しの攻撃がほとんど機能しなかった。清水はデータを見ると50%は決めているが、ミスも多く、サイドアウトでは機能していたがラリー中に打ち切れなかった。
サムソンが勝っていたのは、スパイクを「打ちきる」こと。ブロックを抜こうとも、利用しようともせずにブロックに文字通りぶち当ててパナソニックのブロックをかいくぐった。

結局、パナソニックのストロングポイントがほとんど出せないまま終わってしまった。
初めて触ったであろう韓国製のボールの影響もあったかもしれない、リーグの疲れもあったかもしれない、移動の疲れもあったのかもしれないが、日本の王者の試合としては物足りないものだった。アウェイで韓国チームをこてんぱんにする時代が来なければVリーグの、日本のバレーボールの未来はない。

最後に。実況の「シミジュ!」が耳について非常に困っている。

*1:サムソンのリベロ韓国代表だがこの試合非常に光っていた。