Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

イタリア人監督



今、多くの国でイタリア人監督が重用されている。
開催中のワールドリーグでも、イタリアのアナスタージ、フィンランドのベルット、ロシアのバニョーリ、ブルガリアのプランディ、エジプトのジャコッベと16チーム中、5チームがイタリア人監督だ。
これは結構すごい事だと思う。

なぜこのように世界でイタリア人監督が多く起用されるのか?
明確な答えを持ち合わせてはいないが、まず一つに単純に指導者の多さが挙げられるだろう。
世界で一番の規模を持つイタリアのバレーボールリーグではチーム数も多いため、単純に監督の人数も非常に多い。監督が一つの職業として認められる状況では若くから監督を志す人間も多いため、優秀な指導者が生まれやすい土壌と言える。
またその国民性も挙げられよう。サッカーのカテナチオに代表されるようにイタリア人は緻密な性質を持っていると思う。世界中のチームが使用するソフト「データバレー」もイタリア生まれな事を考えてもそれは当てはまるのではないか。

バレーボール界ではイタリアと同様、アルゼンチン人監督も偉大な成績を収めている。
90年代後半最強だったイタリアを率いたヴェラスコ(現スペイン代表監督)、ポーランドを世界選手権準優勝に導いたロサノ(現ドイツ代表監督)、現在ポーランドを率いるカステラーニなどなど。
そのアルゼンチンには、イタリアからの移民が多い事は今回の件と無関係ではないだろう。

ただ一つ押さえておきたいのは、こんなにも多く世界に監督を輩出していながら、イタリア人監督が世界一に輝いたのはワールドリーグただ2回しかないということだ。その2回もアルゼンチン人とブラジル人が作り上げたイタリアチームをアナスタージがほとんどひきついで優勝させた1999年と2000年の2回。三大大会ではまだイタリア人監督が優勝したことはただ一度もないのだ。そしてイタリア人が外国で監督していた場合となると世界一になったことは一度もないということになる。
別にイタリア人監督が勝ちきれないと言っているわけではない。ただのジンクスかも知れないし、本当に何らかの優勝できない理由があるのかも知れない。
果たして今年のワールドリーグはどうなるのか。ロシア、ブルガリアあたりが歴史を変えてくれるか、期待しよう。