Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

2010/11Vプレミア・ニューカマーベスト6



昨年に引き続き。昨年は53人選出ということもあり、全員が全日本に選出されたが、今年はこの中から2、3人といったところだろう。

セッター 岡本祥吾(サントリー)

昨年、1セットも持たなかった試合が何回あっただろう。
そんなことをつゆほどの思わせない、見事なシーズンであった。やはり栗原選手の引退、コーチ就任が大きかったのだろう。
逃げ場を奪い去られた彼は、見事に貫禄さえ漂わせるセッターに成長した。勝負どころならいざ知らず、テオや米山のみに頼ることなく、様々な選手を均等に使い分けた。まぁ、いただけない試合はいくつかあったようだが。
豊田合成の内山選手とどちらを上げるか、非常に迷った。岡本選手はユース時代から注目されていたが、内山選手は大学からセッターという異色の経歴。クイックとパイプを織り交ぜたインナーワークは見事だったのだが、終盤に行くにつれ、それもやや翳りが見られたのが残念な限り。

オポ(サイド) 阿部篤史(FC東京)

本来ならば、プレミア初登場で好成績をあげた上場選手を挙げるのが筋だろうが、昨年も全日本入ってたし。
さて、阿部選手。東京ガス時代も含め、ここに挙げてしまうのは失礼なくらいの実績を持つ選手だが、このシーズン、アウトサイドを経験したことが、オポジットとしても、彼のプレーの幅を大きく広げたと思う。ツイッターでも書いたが、この選手がすごいは、前田、上場、ゾボと連続で主力級のオポを獲得されたにもかかわらず、ポジションを変えられたにもかかわらず、腐らなかったことだと思う。同様のタイプ(オポからサイドも出来るようになった)に堺の西尾選手がいるわけだが、彼も同じく国際武道の出身。やはり努力できる土壌が出来ているのだろう。

サイド 岡本秀明(豊田合成)

個人成績は規定に達しないまでも、同じチームの同タイプ、高橋和選手より優れた数値を上げている項目もある。大きな怪我をしたといい、若干ジャンプの低さは気になったが、パンチを活かして、ブロックを突き破っていた。サーブレシーブの安定感もあり、もともとピンチサーバーでの出番も多かったので、サーブもよい。
豊田合成は(盛重or井上)-(高橋和or岡本)のレフト対角が基本であったが、構想外であるはずだった高橋和選手との「併用」も行われることがあった。ただどうしても高橋和ありきというところもあるチームなので、同タイプを二人というのはなかなかフィットしたとは言いづらかった。彼を超えない限り、定位置奪取は難しいだろう。

サイド 八子大輔(JT)

若干、癪ではあるが、やはり入れねばならないだろう。怪我などの影響もあるのだろうが、トップフォームからはほど遠い感が否めなかった。
ただ、それでも十分通用するのは、能力の基本値が高いのだろう。ミートだけのサーブが十分脅威になっていた。
今後を思うと、全日本での酷使等は避けた方がいいのだろう。

ミドル 山添 信也(パナソニック)

キレのあるスパイクで中盤、定位置を確保した。ただやはり、ブロックが厳しい面があるので、出番はまた少なくなっていった。
宇佐美選手のトスが低くなってしまう局面が少なくなかったのがちょっと残念だった。やはり、同じ大村工の選手ということで、豊田合成の丸山選手とタイプが似ている。
ブロックがもう少し出てくるようになると、ベテランが多いパナソニックミドル陣だけに出番は増えてくるだろう。

ミドル 幡司一貴(豊田合成)

昨年はサイドとして活躍したが、今年はミドルで定位置を確保した。もともとミドルなのだから、出来るのはあたり前だが、高い打点、広いコースを活かしたクイックは手を付けられないときもあったようだ。
ただあれだけミドルがいるのにサイドをコンバートってもの他のミドルからしたらどうなんだろ。

リベロ 橘裕也(大分三好)

高橋賢、迫谷と続々内定デビューしたこの世代のリベロの優秀さには舌を巻く。高橋賢も終盤の試合で堂々としたプレーぶりを見せていたようだが、ディグの位置どりの素晴らしさにみとれたので橘くんを。まだまだサーブレシーブは向上の余地ありか。
三上選手のリベロコンバートもなかなか見物であった。やはりリベロも大型な分有利な部分はある。ただ、三上選手がリベロに向いているかどうかは、今後の議論が待たれるだろう。


こう見ると、5位以下の下位チームにばかりニューカマーが目立つ結果となってしまった。