Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

ジャンプサーブを打つミドル



が国内にはほとんどいない。
現役のプレミアで思い当たるのは鈴木寛、富松、内藤、今は打たないようだが幡司くらいだろうか。篠田選手あたりもかつては打っていた記憶もあるような。この選手たちも、高校や大学などでは、外からトスを打っていたのがコンバートされたケースだ。生粋のミドルでジャンプサーブを打っている選手となると思い浮かばない。たしかにチーム全体のバランスを考えて、打てるのに打たないミドルなどもいるかもしれないが、やはりこの少なさは「打てない」、もしくは打っても効果を生み出せない選手が多いのだろうと思う。


逆にサイドアタッカーとなると、ジャンプサーブは打てて当たり前みたいなところもある。プレミアのサイド、オポでジャンプサーブを打てない選手というのも片手で数えられるくらいだろう。


月バレで全日本のアナリストも言及していたらしいのだが、世界的には、近年ミドルのビックサーバー(サーブだけで局面を変えられるサーバー)が非常に増えてきたように思う。ムセルスキーにシモン、ルーカスをはじめ、ドイツのベーメのサーブも強烈だ。ルーカスなどはバレーを始めた時期は非常に遅いと聞いたことがあるのだが、それでも強いジャンプサーブを打ってくる。


果たしてジャンプサーブを打てる選手と打てない選手の違いは何なのだろう?運動能力?高いトスを打つ能力、打ってきた経験?指導者がやらせるか、やらせないか?いろいろと仮説は思い浮かぶ。もちろん他にも様々な要素があるだろうが、前述のことはすべて当てはまるのであろうと思う。
中高などの段階で、ミドルというのは基本的に長身の選手を置くことが多い。しかし、そもそも中高などで、勝つことを第一に考えると、長身でも運動能力があればサイドに回す方が勝率は上がる。そして、そういった中高の段階でミドルに据えられた長身選手は高いトスを打つ機会もなく、そのカテゴリ、カテゴリで勝つことをプライオリティーにおけば、将来を見据えてジャンプサーブを打たせるよりもフローターの精度を上げる方が現実的だ。そしてそのまま大学、Vと進んでいってしまう。すべての選手に当てはまることではないが、早い話、ジャンプサーブを打つ資質があったらサイドにされてしまうということだろう。


推論ではあるが、部活という、小中高大とカテゴリごとで日本一を決める日本のシステムでは、ジャンプサーブの打てるミドルを育てられないのではないか。
キューバなどは*1、セレクションした子供たちにすべてのポジションを経験させるみたいな話を聞いたことがある。もちろんセッターも含めてだ。そういったシステムの中で「バレーボール選手」を育成していく。トスもジャンプサーブもすべての選手が身につけるべきスキルとされているのだと思う。結果的にフローターなどの方が良いとなっても、「打たない」と「打てない」は違うのだ。
日本はどうしてもミドルはミドルだし、セッターはセッターだ。@さんがよく仰る「分業化」の都合のよい解釈も影響しているだろう。特に若い時にはすべての選手がトスを上げられるように練習しても良いと思うし、ジャンプサーブを打つ練習もするべきだろう。日本のシステムはそれを許してくれない。


まぁ、そういう意味ではあの身長でジャンプの打てる伏見はすごい運動能力を持っているのだろうし、良い指導者にめぐりあえてるのだと思う。

*1:ブラジルもそんなかんじだったような・・・最近忘れっぽい