Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

動画で見る世界のトップセッターその3



前回の紹介で終わるつもりだったのだが、やっぱりいいセッターというのはまだまだたくさんいるわけで。
今回で3回目。計18人を紹介し終えた。その1その2
引退した選手はのせないことにしているのだが、ドゥケルグレを紹介できないというのも残念でならない。

ルチアーノ・デ・チェッコ(Luciano De Cecco)

ここ数年のアルゼンチンの躍進はコンテ、キロガという両アウトサイドのタレントに依るところが多いと思うのだが、デ・チェッコのアイデアの豊かさ、トスの精度も当然抜かしてはならないポイントだ。若い時分から注目されており、2006年の世界選手権に18歳で出てきたときは、アルゼンチンも思い切ったことをしたものだと思ったものだったが、なかなかチームも回らず、その後の世界大会でもオルドゥナなんかがスタメンを張っていたが、現代表監督ウェベルとの出会いが完全に彼を変えたように思う。もうね、片手のバックトスとかよだれが出ちゃうよ。


ドラガン・トラビツァ(Dragan Travica)

セルビア代表をはじめ、数多くのクラブで指揮をとってきたリュボミール・トラビツァの息子として、将来を嘱望されたトラビツァは着々とキャリアを積み、とうとうトップクラブであるマチェラータに移籍。イタリア代表でもレギュラーを獲得した。
正直、あまり多く見ていないのだが、やはりイタリアのセッターらしく、堅実なトスが魅力。近年では、なかなかイタリアに出てこなかったクイックがうまく使えるセッターだと思う。

パトリック・シュトイヤーバルト(Patrick Steuerwald)

あだ名が「ナノ(Nano)」の通り、180cmとヨーロッパで戦っていくには非常に小さい。しかし、その背で生きてこれたのは、やはりスピードとテクニック。しかしながら、セッターとしては強気すぎる面もあるのか、なかなか安定して上げ続けることが難しく、非常に波が大きい面も見せる。
まだまだ若いので、当然向上の余地はあるだろう。去年はイタリア、今年はポーランドと経験を積み、ドイツ不動のセッターとなれるか。

ラファエル(Raphael Vieira De Oliveira)

名セッターひしめくブラジルにおいて、若い時分からヨーロッパでキャリアを積み、今や世界No.1クラブのスタメンセッターであるラファエルも、なかなか代表のレギュラーの座を奪うことができていないが、そろそろそういう時期も近づいているのではないかと思っている。
ラファエルはバックトスで体幹を「抜く」のが非常にうまい。動画でも決してタイミングを変えることなく、ブロッカーを振ることができている。


http://vimeo.com/24211784

ウィリアム・アルホーナ(William Arjona)

稀代のトリックスターと呼んでもいいかもしれない。昨年はブラジルスーパリーガで準優勝に輝いた。トスに関しては特に説明不要ですな。もう後ろ向きのアンダーハンドでクイックとかしびれちゃう。

ミハル・マスニー(Michal Masny)

今、開催されているユーロ2011にこのキャプテンでもあり、スタメンセッターでもあるマスニーが出場しないと聞いたときは、スロバキアは1勝もできないのではと思ったものだったが、初日であっさりブルガリアに粘り勝ちしてしまった。この波乱は波乱で驚きだが、マスニーがいなくてもここまでできるのかという驚きでもあった。それくらい存在感が大きい。
老獪という言葉が似合うセッターである。なんで東欧ってザグムニとかティチャチェクとかこういう渋いセッターが出てくるんだろう。