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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

2013ワールドリーグ予選、対イラン1日目



Iran v Japan World League qualifier - First Game - YouTube
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目に見えたものだけ、試合で起きたことだけ語れたらどんなにいいことかと思う。
しかしながら、今回についてはそうもいかないのだろう。


P2:FIVB World League 2013 / Qualification tournaments IRAN vs JAPAN
スコアだけ見れば、かなり力の差はあるように感じるのだが、私見としては少なくともイランの戦闘能力はOQTよりは低かったように思う。あまりに日本の準備のできていなさが目立った。戦術的にはなく、戦略的に。日本が周到な準備ができていれば、必ず勝つとは言えないまでも勝負するレベルには達すことが出来たと思うのだ。昨日のイランであったならば。


15000人入った地元会場で初のワールドリーグを目指すイランは浮足立っていたのかノーマークでミスしたり、足が動いていなかったりといった面も見られたが、それ以上に日本がお粗末であった。オポジットの二人は、好調時のプレーと比べれば清水選手は3割程度、上場選手は5割程度といったところか、全体的にコンディションの問題は見られたが、特にこの二人はプレーに精細がなく、ワールドリーグ後プレーしていない時間がずいぶん長かったのだろうと思う。酷なことを言えば、試合ができるレベルにはなかった。


この二人しかイランに連れてこられなかったことは唯一の敗因ではないが、これが最も今の日本を象徴する事象であろう。選手も違った視点から見れば被害者ともいえる。
OQT後もイランはアルゼンチン、ドイツ、ポーランド、ロシア、チュニジアといったオリンピック出場国と親善試合、練習試合をこなし、オリンピック後もヨーロッパに行き、ポルトガルスロベニアクロアチアといった欧州選手権予選前のチームとゲームを重ねてきた。
一方日本は6月の終わりにワールドリーグが終わって以降、監督問題は棚上げのまま時間が過ぎ、コーチはあんなことになり、強化活動という面ではまったくストップしていた。選手などのツイッターから流れた情報によれば、今回の試合に向けた合宿がスタートしたのは、8月のほんと終わり。AVCカップに臨んだ面々より短い合宿期間でワールドリーグ入れ替え戦という非常に重要な試合に臨まなければならないというのは、やはり酷であったと思う。


オポジットの問題にしても、今回のメンバーは2012ワールドリーグに選出した25名のメンバーから選ばなければならないため、追加の招集はできなかった。ただ、二人のコンディションが厳しいことは変えようのない事実なのだから、もう少し長い準備期間があれば、アウトサイドの選手にオポジットをさせるなりの手段はとれたのではないかと思う。そもそも強化計画がOQTどまりになっていたのではないか。せめて監督がケツをまくって今年度いっぱいの責任を果たしてくれていたら、少しは良い結果になったのではないか。確かにオリンピックを逃したことは大きい。でも強化はそこで終わるものではない。ずっと続いていくものなのだ。最悪、辞意を表明した段階で暫定監督を立て、早いうちにこの試合に対する準備をスタートすることはできなかったのか。


明日の第2戦、1セットとられた時点で日本の降格は決定し、ポイントでも-19点差があり、3-0で勝つにしてもセット当たり、約6.5点の点差が必要となる。だいぶ厳しいと言わざるを得ない。せめて彼らに彼らのできるベストを尽くしてほしいと願うばかりである。