トラッキングシステムはバレーボールをどう変えるか
New tracking system for athletes trialled at Montreux Volley Masters | FIVB - Press release
今開かれている、モントルーバレーマスターズではトラッキングシステムのテストが行われているようです。
スポーツにおけるトラッキングシステムとは、カメラの映像からコンピュータが自動で選手やボールの位置を認識して、様々なデータをリアルタイムで記録できるというもの。
すでにサッカーや野球、バスケなどでは広く活用されています。
データスタジアム トラッキング Ch. トラッキング
いやぁ、技術革新というのはものすごいスピードですね。データバレーが最先端なんて言ってられません。
そういうわけで、もしバレーボールにこのトラッキングシステムが本格導入されたらどんな未来が待っているのか、少し考えてみましょう。
選手の評価がより明確に
Volleyball ball tracking in 3D - YouTube
すべての動きが数値化されるので、今まではなんとなくでとらえていたものの違いがよりはっきり分かるようになります。
この動画は実際にバレーボールでトラッキングシステムを動かしている様子。このメーカーのシステムでテストも行っているようです。
プレーの後に出る数字はプレー直後のボールの速度を表しています。これがわかることで、サーブの最高速度や平均速度なんかもわかったりするでしょう。サーブ平均速度王とかなかなかおもしろいと思いません?
Volley: match analysis by K-Sport - YouTube
これは違うシステムでトラッキングしてる様子なのですが、打点高なんかもわかってきますから、セッターの正しい評価基準も確立してくるかもしれません。
ゲーム中の移動距離なんてのも出ますから、さぼるセッターとかブロックフォローにさぼらずちゃんと入る選手なんかも知ることができるようになるでしょう。
たとえばディグなんかも今では触った数、つながった数、失敗した数程度の評価なので、実際のディグのうまさのイメージと数字が全くかみ合わないなんてこともあります。トラッキングシステムなら、その選手の何m以内に落ちた球の数なんてのもわかってくるでしょうからよりイメージと数値の差がなくなってくるのではないでしょうか。
チームの分析はより詳細になり、レベルアップ?
今のデータバレーってのは、結局これを人力でやっているというわけに過ぎないわけですから、トラッキングシステムが一般化されれば、チームのインプットは格段に増えることになります。ブロックの位置取りなんかもセンチ単位のレベルになってくるかもしれません。
もし普段練習している体育館なんかに常備できれば、前述の打点高の問題もはっきりと目に見えることになりますから、決まればOKということも是正されていくのではないでしょうか。
テレビ中継もより楽しく
もちろん活用されるかはわからない話ですが、テレビ中継にも当然活用できるシステムだと思います。
1セット終わって、今日一番ジャンプが高いのは○○選手です!なんてのもわかったらおもしろいですよね。
今までなんとなく語られていた部分もしっかり数字が出てくるので、しょーもない解説も淘汰されていくのではないでしょうか。
試合見に行くより、テレビ見るほうが好きって人も出てくるかもしれません。
とまあ、当たりまえのことしか述べられませんが、トラッキングシステムが一般化されれば、よりバレーボールを知ることができるし、楽しい観戦ライフが待っているような気がします。