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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

ブラジリアン・スキャンダル




photo by FIVB

日本のバレー界もなかなか大変な状況ですが、ブラジルバレー界も規模でいえばそれ以上の大騒ぎになっています。
先週からほぼ毎日、ブラジルのバレー界で起こっている状況がアップデートされ、広く報道されています。


さまざまな要素が絡み合い、非常に複雑な様相を呈しているので、正直、私もコトの全貌をつかみ切れていないのですが、なるべく簡潔に話を進めていきたいと思っています。
構図としては、ブラジルのバレー界vsアリ・グラッサFIVB会長(ブラジル人)というものです。

ブラジルバレーボール連盟の汚職

事の発端となっているのはブラジル連盟の過去の汚職問題です。
2010年から2013年にかけて、ブラジルバレーボール連盟(以下CBV)と複数の企業との架空取引によってできた裏金が、役員やその家族に対して約3000万レアル(約13億円)が支払われたという疑惑が一つ。そしてCBVのメインスポンサーであるブラジル銀行が選手に対して支払ったボーナスが、選手ではなく、連盟の役員の懐に入っていたという疑いもあります。
この時にCBVの会長をしていたのが、現FIVB会長のアリ・グラッサ氏。関与した企業のいくつかは彼の家族が経営する会社でした。


ブラジル銀行は、その報告を受け、すでにCBVとのスポンサーシップを取りやめるとの声明を出している模様で、これだけでも非常に大きな影響をブラジルバレー界に与えることになります。


やはりこれに対するブラジル選手の憤りも相当なもので、ムリロ・エンドレスは「我々は、自らの時間を、自らの汗を、膝を、肩を、足首をささげてきた。しかし、我々は彼(グラッサ)に裏切られた」と述べ、怒りをあらわにしています。また多くの選手がSNS上で批判を展開しています。


先週行われたブラジル・スーパーリーガの試合では、選手会長であるムリロの兄、グスタボ・エンドレスの発案からすべての選手が「クラウン・ノーズ」ピエロの鼻をつけて、入場。アピールとして最初のサーブをミスするという抗議活動を行いました。ピエロの鼻をつけることには我々は道化だという皮肉が込められているのだと思います。

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ブラジル代表への処分

さて先週、FIVBから発表されたのが、世界選手権でのブラジルチームの行いについての制裁でした。
ポーランド戦で記者会見をキャンセルしたこと、またこの試合で判定への不服からジュリー席にタオルを投げ込んだなどを理由にレゼンデ監督には10試合の国際試合への出場停止、リベロのマリオJrには6試合の出場停止、ムリロには1試合の出場停止、ブルーノには1000ドルの罰金という処分が与えられました。


これはもちろん明言はされていませんが、汚職等を暴かれたことや一連のキャンペーンに対するグラッサ会長の「報復」だと一部メディアでは言われています。


このところの報道では、どうもこの事件は泥仕合の様相を呈してきています。
個人的によくわからないところは、現在のCBVはまともなのかどうなのか、というところで、そこでいくつかの謎が解けずにいます。
このおそらく「報復」に対するCBVの「抗議」がすでに決まっていた来年のワールドリーグファイナルを開催しないという、いわゆるボイコット表明を行いました。
これだけを見れば、おそらく現在のCBVというのは選手の側に立っているんですよね。そのへんの判断がつきかねます。

事件の影響は

ただ、正直ブラジル銀行のスポンサードがなければ、ファイナルの開催をしないどころかナショナルチームの活動すら怪しいわけで、リオを再来年に控える今、非常に懸念がもたれる事案です。
ムリロなどは状況が変わらなければ、代表に参加しないこともあり得るとも述べ、そもそもFIVBがさらに国際試合への参加を禁止する制裁を加えるのではないかという一部報道もあり、バレー界の歴史に残るレベルの事件になることは間違いないでしょう。


正直、リンクが多すぎて、ほとんど参照できてませんし、全体を理解できるのが精いっぱいなのですが、もしポル語が達者の方や事件に詳しい方に更なる解説をいただきたいところであります。
ポルトガル語なので、正直全部正しいのかもわかりません。どこか間違っているところがあったら、申し訳ありません。