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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその13 ベンジャミン・トニウッティ




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フランスのセッター、トニウッティ。
フランスってなぜいつも良いセッターが出てくるだろう。このシリーズでもすでに1人挙げているが、トニウッティを除いて、あと2人は確実にこの後書くだろうし、2人迷っている選手がいる。ピュジョルはいれないけど。
トニウッティは183cmとそこまで大きくないが、軽快なフットワーク、正確なセッティング、リーダーシップ、勇気のある選択。近年のフランスの躍進の原動力であるだろう。イメージ的には90年台イタリアが強かった時のセッター、トフォリとかぶる。ちょっと個人的+失礼な話で申し訳ないのだけど、彼を見るたびになぜかJFK暗殺のリー・ハーヴェイ・オズワルドをなぜか思い出してしまう。



トニウッティのクラブ、ポーランドのザクサ・ケンジェジン コジレは決してスターの集まりというわけではないんだけど、なぜか勝つ。メンツから言えば、他のワルシャワだとか、ベルハトゥフのほうがちょっと良いはずなのになぜかタイトル取る。
彼をひとことで表すとするならば、「やるべきことを心得ている」セッター、だろうか。自分の能力と限界をわきまえ、相手の弱点に自分たちのストロングポイントを丹念にぶつけていく。なかなか簡単にできることではない。
ただ、年始の五輪予選ではすこし精彩を欠いていた。単に近年成長目覚ましいブリザールのほうが良かったのかもしれないが、ちょっと気になるところ。


セットは結構回転しながら上げることも多いのだが、これはたぶん軸というか芯の意識が強いから、回りながらでも上げられるのだろう。
後はバックセット。肩の柔軟性が良く、前のほうのボールを一瞬の動作でバックセットに。これはなかなか誰でも真似できることでない。


注目してほしいのは、些事といえば些事なのだが、彼がセットをした後の動きである。動画を見ていただければわかるだろうが、必ずステップを踏んでブロックカバーの態勢をとる。もちろんどんなセッターも教えられることなのだが、彼ほど厳格にそして愚直にカバーの態勢をとることのできているトップのセッターを私は知らない。やはり自分の上げたトスのボールウォッチャーになってしまうのかもしれないし、トップになればなるほどスパイカーの質も上がるのだから、止められないとタカをくくってカバーの動作をしないのかもしれない。ただ、そうやって失点している場面を何度も見ている。
変わるのはせいぜい1試合で1点2点の話だろうが、そういった部分までさぼらずにちゃんとしているセッターは非常に好感が持てる。