Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその37 ワジム・ハムツキフ



www.youtube.com


痩せっぽちで、ヒゲもいつも生やしてるもんだから、パッと見、病人にしか見えないロシアのセッター、ハムツキフ。しかもいつも大体袖をまくっているので、痩せっぽち感が強調されてしまう。ロシア国内でプレーする際、シャツネームは、名前が長いこともあって「ひげ」だったそうだ。


画像検索すると袖まくりをするのは右腕だけということに気づく。一種のルーティン的なものだろう。そんな細い腕なんだけど、2002年のワールドリーグではベストサーバーとっていて、強いをジャンプサーブをもつ。


ワールドリーグでは総計7つのメダルをとり、チャンピオンズリーグでも2回優勝しており、44歳までプレーした。オリンピックに4回(1996~2008)出場した2000年代のロシアを象徴するセッターと言える。
アルファベットで綴ると「Khamuttskikh」 今でこそ、Wikipedia準拠で「ハムツキフ」としているが、昔はハムツトキフだとかハムツキーだとか、いろんな表記があって困ったものだった。


腕力に頼らないセットで、ボールの下まできっちり入ってあげるが、全然バタバタしない。歩数が少ない。
どのセッターにも言えることだが、セットが低くなる頻度が一番高いのはBクイックだと思う。おそらくは早くボールを出したい気持ちがそうさせるのだろうが、ハムツキフはそれが低くなることが少ない。手から出すというより、肩から発射するというイメージで上げている感じ。


両手を使った、パスのようなツーアタックを用い、相手をあざむくことも多かった。

www.youtube.com



2005年にロシア代表として初めての外国人監督としてガイッチを招聘するものの散々な結果に終わり、更迭。2007年変わって監督に就任したアレクノが最初にしたのは、ガイッチが最後まで呼ばなかったハムツキフを呼び戻すことであった。37歳での代表復帰となった。その年のヨーロッパ選手権で銀、その後のワールドカップでの銀、とロシアをきっちり立て直したのはハムツキフの安定したセッティングが必要不可欠であったと思う。