Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

El Mago



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俺を信じろ!お前を信じる俺を信じろ
中島かずき 天元突破グレンラガン

物語の筋としては、主人公に放たれるこのセリフが「お前を信じろ。俺が信じるお前でもない。お前が信じる俺でもない。お前を信じるお前を信じろ」と変容するところに主人公の成長を主軸においたこの作品のおもしろさがあるのだが、今日のエントリとしては若干、前者の方が近いのかな。と。


以前、動画で見る世界のトップセッターその3でも紹介したウィリアムだが、また魅せてくれた。数日前にアップロードされたこの動画はイタリアでもブラジルでもバレーニュースサイトで紹介されるに至っている。


もちろんまずはこのディフェンスをしたリベロセルジーニョ(代表のセルジオではない)を賞賛すべきである。このタイミングは両手では間に合わず、左手一本ではおそらく相手コートに返ってしまうだろう。右手一本でボールに潜り込みながら、というのは絶妙な状況判断である。


セッターはオーバーハンドで行けるだろという向きもあろうが、むしろボールに逆をつかれたこの局面であれば、ここからオーバーハンドでレフト側に上げるのは難しく、むしろアンダーハンドの方が枚数を確保できるように思う。まぁ、単にトリッキーなことを選択したと言い切れなくもないが。


もちろんセッター、ウィリアムのテクニックが卓越したプレーではあるが、本当に賞賛すべきはこの局面でクイックに入ったミドルのダグラスであろう。ふたりの目は全く合っていない。ミドルはセッターがここに上げてくると信じ、セッターはそこにミドルが入っていると信じた。他のスパイカーもセッターがアンダーハンドになったからといって、助走のスピードを変えた訳ではない。


プレーを単純化すれば、ウィリアムもダグラスも単に時間通りに、「打点」という待ち合わせ場所で会えたという話である(ウィリアムがわざわざ徒歩で行ける距離にタクシーを使ったという例えもできようか)。とことん待ち合わせに例えるのであれば、ダグラスはウィリアムに「わりぃ、今日だるいから行けねえかも」と言われてもきっちり時間通りに待ち合わせ場所に行った。ウィリアムもそんなことを言っときながら遅れることなく、離れ業をつかってでも待ち合わせに間に合った。もちろんお互いが役割を果たしただけとも言えるが、やはりウィリアムはどんなことをしてでも待ち合わせには遅れないという前提がチームの中にはあるように思う。


ちなみにEl Magoとはポルトガル語で魔法使いという意味。