Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

私選東京五輪ベスト6

今までオリンピックといえばインカレにおける4年生力よろしく、ベテラン力が物をいう大会だと思っていた。
リオはセルジオ、ロンドンはテチューヒン、北京はボールらたくさんのベテラン、アテネは控えではあったがナウベルチとリマ、シドニーはグルビッチ兄。目の色を変えた経験豊富なベテランたちがそれぞれの大会でチームの原動力となっていた。「未だ」というべきかはわからないが、やはりバレーボールにおいてオリンピックは最大の大会であり、多くの選手の目標である。


今大会、1年延期されたという要因*1もあったのかもしれないが、どちらかといえば問われているのはチームの層の厚さと若い力であったように思う。この東京大会全38試合中11試合がフルセットマッチとなった。過去大会と比較するとリオは4試合、ロンドンでは5試合であった。一概には言えないが、チーム力が均衡してきている可能性がある。そのような中で固定のメンバーで戦うのは難しいし、停滞したチームが息を吹き返すには新しいエネルギーが必要だ。


優勝したフランスも開幕時ブリザール、クレブノはスタメンではなかった。ROC(ロシア)も決勝は控えメンバーで息を吹き返し、ブラジルも最後の最後は若手が可能性を示した。


そういう意味では今大会のベストチームにそこまで厚い選手層を持たずに戦い抜いたアルゼンチンを挙げずにはいかないし、どうしてもこのベスト6でもアルゼンチンの選手が多くなってしまった。


最終日を勝利で終えたフランスとアルゼンチンは開幕3試合を1勝2敗でスタートした。そういった早めにピンチに陥ることが、結果論ではあるがこの大会で結果を残す重要なファクターだったように思う。崖っぷちの状態が、必死の改善と、ある種の開き直りをチームに与えた。これもチーム間の力差がほとんどない仮説を補強するものだろう。


では、個人的なベスト6。インパクトだけで入れたい選手もまだまだいるし、だいぶ迷った。
表記は五輪公式ページ準拠。

セッター ルチアーノ・デ・セッコ🇦🇷

この大会、デ・セッコとブリザール、どちらがベストセッターかを尋ねれば、ブリザールのほうが多いかもしれない。しかし私はデ・セッコを推したい。
バレーボールにおける攻撃力はアタッカーの能力の総和ではなく、アタッカーとセッターの能力の積なのだと改めて気付かされた。アタッカー能力の総和では負けていた強豪国を次々と撃破。特に両ミドルとリマの使い方が逸品だった。

次点 アントワヌ・ブリザール🇫🇷

実際のところMVP級の活躍。トニウッティの怪我があったらしいが、停滞していたフランスをクレブノ、パトリー、シエニエゼらフランス「チームyavbou」のオリジナルメンバーでない選手たちと共に救った。あのサーブはすごかった。
トニウッティほどロジカルじゃないんだけど、そこが良い。
セッターに関してはベン スリメネ入れたかったし、サンダース入れたかった…

オポジット マキシム・ミハイロフROC

若いタレントが揃うROC(ロシア)の中でミハイロフはいわゆる一般的に言われるようなリーダーではなかった。
しかし、その背中で、プレーで、チームを引っ張った。寡黙で、愚直で、精密だった。
こういう形の引っ張り方もあるのだろうな。

次点 ジャン・パトリ🇫🇷

準々決勝ポーランド戦はまさに立役者。いやはやすごい選手になったと思ったが、決勝はもう少し頑張りましょうという結果。
クレクとちょっと迷った。

ミドル アグスティン・ロセル🇦🇷

3位決定戦7本のブロックを見せたが、拾われたシャット級のボールが少なくともあと3本はあった。
それで幅を十分に使えるクイックがあって、サーブも強くて、そして顔がかわいい。しかもまだ23。
大会公式は193cmということだが、さすがにそれはないんじゃないかなぁ。95はありそう。

ミドル ニコラ・ルゴフ🇫🇷

どちらかといえば鈍重なイメージで、フランスが強くなり始めた当時は彼のポジションに誰か出てくれば、もう一歩フランスは前に進めるのでは?という存在であったように思う。しかし、特に今大会はサイドアウトでも十二分の活躍、ブロックも更に進化を遂げていた。

次点 バルテレミ・シヌニエズ🇫🇷

髪型でなんか損してる感もあるんだけど、あの決定力はフランスの大きな武器。セリエでは打ってるジャンプサーブが仕上がってくれば更に恐ろしい選手になるだろう。

ルーカス・サートカンプ🇧🇷

大会通じて66%以上の決定率はお見事。サーブも安定感を増し、足技も冴えた(笑)

サイド エアルバン・ヌガペト🇫🇷

まさにMVPに相応しい活躍。今まで大きなタイトル(スクデットとかはあるけど)は手にしていなかったが、この10年世界のバレーボールを牽引したのはなんだかんだいって彼だったのかもしれない。そして彼が30代になり、更にどんなプレーヤーになっていくのかが気になってならない。いきなり代表引退とかしちゃいそうだけどね・・・

サイド ファクンド・コンテ🇦🇷

もちろん南米特有の熱さというのは持ち合わせていたが、どちらかといえば、淡白側のプレーヤーかと思っていた。
だが、この大会はまさに獣だった。咆哮を上げるときなんか、特にお父上そっくり。
今大会のエースはコンテであった。

次点 トレバー・クレブノ🇫🇷

フランスにレセプションの安定感をもたらしたクレブノ。一皮むけた感がある。フランスって中盤以降、レセプションの大崩れなかったように思う。もちろんティリでもそこの安定感は変わらないんだろうけど。
あの3枚ブロックを抜くスパイクはすごかった。

ドミトリー・ヴォルコフ🇷🇺

本来であればクリューカのほうが筋であるが、クリューカのポテンシャルを考えれば、まだまだの大会であったと思う。
今大会に関しては少し気の触れた感じでロシアを鼓舞し続けたヴォルコフに。
もうちょっとレセプションが安定すれば、世界屈指のオールラウンドなアウトサイドになりえる。

リベロ サンティアゴ・ダナニ🇦🇷

読みと、特に食い込まれ気味の面の作り方が上手だった。
でも、なんというか日本人にもいそうな動きというか、逆に日本人ぽいというか。

次点 パベウ・ザトルスキ🇵🇱

もちろんタレスも良かったし、グレベニコフも良かったんだけど、ザトルスキのディグは時折、常人の域を超えるときがあった。
ボールコントロールが異常で120kmのスパイクが時たま手にくっつくんだよ、理屈がよくわからないけど。


この選手たちが2021/21シーズン、所属するチームは以下。

デ・セッコ Cucine Lube Civitanova🇮🇹
ブリザール You Energy Volley Piacenza🇮🇹
ミハイロフ Zenit Kazan🇷🇺
パトリ Powervolley Milano🇮🇹
ロセル Tourcoing Lille Métropole🇫🇷
ルゴフ Montpellier UC🇫🇷
シヌニエズ Powervolley Milano🇮🇹
ルーカス Vôlei Renata🇧🇷
ヌガペト Modena Volley🇮🇹
コンテ Aluron CMC Warta Zawiercie🇵🇱
クレブノ Jastrzębski Węgiel🇵🇱
ヴォルコフ Zenit Kazan🇷🇺
ダナニ Berlin Recycling Volleys🇩🇪
ザトルスキ Asseco Resovia Rzeszów🇵🇱

*1:もしかしたら新しいオリンピックサイクルがすでに始まっていたのかもしれない

東京五輪男子バレー準々決勝はなにが起こるかわからない

オリンピックでも春高でも、インカレでも準々決勝が一番おもしろい(黒鷲旗は初日、二日目、天皇杯はエイト決め)。ましてやオリンピックはここから負けたら終わりのトーナメントが始まるわけだから、一層おもしろい。

何が起こるかわからないノックアウトステージ

まずは下の表を見ていただこう。

  優勝国 予選順位 予選成績
2016リオ ブラジル 4位 3勝2敗
2012ロンドン ロシア 3位 4勝1敗
2008北京 アメリ 1位 5勝
2004アテネ ブラジル 1位 4勝1敗
2000シドニー ユーゴスラビア 3位 3勝2敗
1996アトランタ オランダ 2位 4勝1敗
1992バルセロナ ブラジル 1位 5勝

これはオリンピックが6チーム総当り2グループの各上位4チームの準々決勝というルールになって以降の金メダルチームの予選ラウンド成績である。
予選ラウンドで1位のチームが優勝した回数は50%を下回る。予選ラウンドで1位のチームは各大会2つあるというのにだ。つまり予選ラウンドの成績と最終成績はほぼ関係ない。
ましてや前回大会などは予選4位のブラジルが優勝している。


準々決勝の組み合わせは各プール1位対4位、2位3位は抽選となるが、この1位対4位の対戦で予選ラウンド1位チームの勝率がどれくらいか想像してみてほしい。


正解は57% 14戦中1位の8勝。過去7回のオリンピックのうち、予選ラウンド1位チームがトーナメント初戦で43%も敗退しているのだ。
何が言いたいかといえば、結局ここまで残っているチームにそこまで力差はなく、ほんの僅かなファクターで勝敗が左右される。
ましてやオリンピックで負けたら終わりの試合、メンタル面も相当結果に響く。
準決勝まで行けば、まぁ、負けても3位決定戦がある。もちろんそんな簡単な話ではないが、だからこそ準々決勝が一番ヒリヒリしてピリピリしてビリビリする対戦なわけだ。

日本が準々決勝に進出

29年ぶりって、今のチームその時生まれてるのって、清水(5歳)、李(1歳9ヶ月)、藤井(7ヶ月)しかいないわけで。高橋くんに至ってはご両親が出会っているかも怪しいレベルなわけで。
しかも1992年ってサムエルソン事件なわけで(詳細はググろう)。タラレバだけれどもそれを差し引くと予選ラウンドが終わって、まだメダルのチャンスが有るのってその前はもう1976年モントリオールまで遡らなければならないわけで。


日本は強くなっている。トレンドに乗っているし、若いタレントがどんどん出てきている。
ただ開催国である、という優位は忘れてはならない。組み合わせは開催国としてFIVBランクは考慮されないし、この先の大会はそもそも出場権を得るためにまだ苦しい戦いを勝ち残らなければならない。東京にはセルビアスロベニアも来ていないのだ。
もちろん期待はしているし、やれることはやっていきたいのだが、生きているうちに日本がオリンピックの準々決勝を戦っているところをもう一度見られるかと言われれば、わからないと言わざるを得ない。


ブラジルの見どころなんかは私よりも詳しい方がネット上にゴロゴロいるとは思うので、そちらを参照いただきたい。
ブラジルに勝つというのは容易な話ではない。しかもホントに本気のブラジルとやるなんて過去20年あっただろうか。
でもそれでも何が起こるかわからないということを信じてみたい。今の日本の選手たちにはそう思わせるだけの可能性があるし、どのような結果になったとしても、この試合は選手たちのみならず、日本のバレー関わるすべての人のかけがえのない経験となるだろう。


9:00カナダ-ROC
13:00日本-ブラジル
17:00イタリア-アルゼンチン
21:30ポーランド-フランス


といいつつ、明日は火曜日なわけで、4試合全て生で見るというのは、なかなか難しい話であろう。

東京五輪に見る世界トップのトレンド

またシューズなんぞ下らんことを、と怒られそうなので。
イラン戦を見ながら書いてます。数試合見ることができてませんが、今日で予選ラウンドも終わるので、ざっと。
もちろんサーブで攻めるだとか、トータルディフェンスだとか、4枚攻撃だとかはあくまで前提の話として、すっとばしてます。

ショートサーブのシステム化

個人のひらめきというよりは、戦術としてショートサーブを標準装備しているチーム、選手が増えた。
もちろん強サーブは健在で、ショートサーブとの使い分けによって、レシーバーの位置を不安定にさせ、更にサーブの効果を高めている。
ショートサーブで相手ミドルやパイプ、前衛のサイドを消して、ブロックと連動してディフェンスできれば、強サーブで崩すのと変わらないわけで、詰まるところサーブの目的というのは、相手の攻撃枚数を減らすことなのだ。
ビッグサーブが大事とはいっても、ミスとはどこかで折り合いをつけなければならないわけで、リスクを減らしつつ、なおかつ効果を高めるショートサーブが増えてきているのだと思う。増えたとは言っても10本中1~2本の話であるが、それがあるかないかで、レシーバーのプレッシャーは大きく変わる。
強サーブしか打てないサーバーは(それほど)怖くない時代になるかもしれない。ただ、その強サーブもコートの隅を的確に狙ったりと、進化をし続けている。
オリンピックは使える動画がないので、VNLのものになるが…
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フローター系もボールが現行のものに変わったことで、変化量が減ったのか、強めのフローターよりはいわゆるハイブリッドと呼ばれるスピン系のサーブを打つ選手が増えた、というのが2019年あたりの流れだが、同じくショートサーブとの組み合わせで前後に揺さぶる傾向は高まっており、今後ますます強くなっていくだろうと考えられる。

ミドルのオフェンス定位置への早動き

下の動画のビエニエクの動き
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これはショートサーブのシステム化とおそらくは関係がある。サイドアウト局面でミドルブロッカーがサイドラインよりにいなければならないローテ(特にS6で見られるがS5,4,2でやるチームもいた)で、サーブが打たれると同時に(実際のところ、サーブの打たれる前)にミドルがコート中央に移動するチームが増えた(日本もやってた)。つまりサイドアウト局面でミドルがライト側からの助走をするチームが減っている(ブラジルなんかあえてライト側に移動することもあるが)。
これはレセプションがネットから離れてもミドルを使いやすくする意図と、ショートサーブからパイプを守る意図が考えられる。後衛のサイドの選手にショートサーブを打って、パイプを消し、あわよくばミドルも潰すというサーブも増えてきており、それに対応する動きだと考えられる。
後段でミドルが高火力化している話をするが、ショートサーブで簡単に乱されるような不器用なミドルも淘汰されるだろうし、USAのスミスのような器用なミドルもそのような展開になれば、重宝されるだろう。


ミドルの高火力化と「幅」の活用

サーブも含めたミドルの高火力化傾向は年々強まっている。ブロックはいいんだけど…、なんてミドルはまずいなくなった。簡単に打ってしまったサーブはミドルで簡単にサイドアウトされてしまう。
ルーカス、ホルト、ソレなんかは相変わらずだが、イタリアにガラッシが入ったのはその攻撃力とジャンプサーブを買われてのものだろうし、フランスのシエニエゼ、アルゼンチンのロセルなど得点力の高いミドルが台頭してきている。日本が世界の強豪と渡り合えているのも、ミドルがしっかり点を取れているという要因を無視することはできないだろう。
今大会、その高火力化を後押ししているのが、ミドルの攻撃の進化である。ジャンプ位置と攻撃位置を左右にずらす、幅を使った攻撃が多くのチームで見られるようになった。もともとアルゼンチンのミドル勢の十八番であるし、日本でも旧来(昭和ね)中型ミドルの生命線であったのだが、やはり今年のチャンピオンズリーグにおけるザクサの優勝が大きく影響していると考えられる。いい選手が揃ってはいるが、イタリア、ロシアのトップチームと比べれば少し見劣りするザクサがそのトップチームをなぎ倒していった今年のチャンピオンズリーグは、注目するべき点が非常に多い(準々決勝2試合、準決勝2試合、決勝1試合は絶対見るべき)。中でもミドルのコハノフスキとスミスがトニウッティとともに繰り出すこの幅のある攻撃は相当にインパクトがあった。

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スロットをずらすのでヘルプブロックも届かないし、ミドルにの動きに釣られる分、サイド、パイプのケアにも遅れる。これが決まりだすと、普通のアプローチのクイックも簡単に決まりだす。
VNLあたりから全体的にミドルの幅を使った攻撃は増えて来ており、今後ミドルの必修科目になるやもしれない。

オポのマルチロール化とサイドの高火力化

もちろんもともとザイツェフだとかアンダーソンだとかミハイロフだとかクレクだとか、サイドのできる選手がオポに入ってレセプションに参加していたのだが、強サーブに対して、オポジットも参加しての4枚レシーブはいわゆる普通のオポジットでも標準的になってきた(S1、S5、S4のみの話だが)。サイド並みのパス力がなくても、コートの端1mを守ってくれるだけで、他のレシーバーの負担は格段に減る。
ただ攻撃力が高い、というだけのオポジットは図抜けていれば話は別だが、トップの舞台からは淘汰されていくだろう。
逆にアウトサイドヒッターの攻撃力というのは年々上がっているような印象を受ける。オポジットとは逆に、守れるだけという選手というのはほとんどスタメンとしては使われていない。中でもレオン、レアル、クリューカ、サレヒ、ミケレットなどは時代が違えばオポジットをしていてもおかしくはない。

プッシュ系は減る傾向?

これは短いスパンの話であるが、この大会かなりプッシュ系に対する判定が辛(から)いように思う。プッシュのほぼ3分の1はキャッチボールの反則を取られている印象。この判定が世界的にベースになっていくであろうから、今後いわゆるフェイント的なソフトタッチは減らないにしても、指の腹で直線的に押し出すような攻撃は減っていくことが示唆される。今年のチャンピオンズリーグ、VNLと両手プッシュなどもよく見られたのでちょっとオフェンスの形が変わってくるかと思ったのだが。
だからなのかはわからないが、今大会予選ラウンド後半ではサイドのスパイクはブロックの指先を狙うものが多かったように思う。

セッターがファーストタッチしたあとの攻撃

セッターがファーストタッチをしたあとは、後衛のサイドの選手がセットに行くことが標準的になってきた。
これはもちろんツーのバックアタックをするためと、フロントゾーンでオーバーハンドが使えることが大きいだろう。
ヌガペトの代名詞となっているが、私が最初にこのプレーを見たのは2014年のワールドリーグのイランのガエミ。もちろん、彼も誰かのプレーを見たのかもしれないが、ベラスコがインベンターという可能性も微レ存。


アウトサイドのオフェンスでトレンドになりそうなものもあるのだが、まだそこまで定着している感じではないので、今後観察していく。


ただやはりトップレベルにおいては、強サーブの精度とそれに対してレセプションがどこまで我慢できるか、が勝敗を分ける最も大きなファクターという状況は今後もルールが変わらない限りは続いていくだろう。


そんな戦術の変遷を振り返るために昔のツイートを漁っていたのだが、すっかり忘れていたものが出てきた。


もちろんクビアクのアクシデントがあっての話だが、5年前にしてはなかなかいい線行ってる。


当たらない予想だけど、レオンの大会になるか、クリューカの大会になるかだと思っている。


イラン戦、ちょうど見終わりました。ちょっと終盤ミドルの圧が薄かったですが、良い試合でした。
石川祐希が日本史上最高の逸材であることに疑問の余地はないでしょう。
これでタスクはクリアしたと言えます。ここからは冒険を楽しんでほしいと願うばかりです。

東京五輪男子バレーボール出場全選手のシューズ調べてみた

大会中、シューズを変える選手もいるため、下記シューズとは変わっている場合もあります。

Canada

1 Sanders ADIDAS Pro Boost Low
2 Perrin NIKE React Hyperset
3 Marshall NIKE Mamba Focus
4 Hoag ADIDAS Harden Stepback
7 Maar NIKE Zoom Hyperace2
9 Blankenau NIKE React Hyperset
10 Sclater NIKE Jordan React Elevation
12 Van Berkel ASICS GEL BURST 25
13 Vernon-Evans NIKE Mamba Focus
17 Vigrass NIKE React Hyperset
19 Bann ASICS GEL BURST 25 LOW
20 Szwarc NIKE Zoom Hyperace2

Iran

2 Ebadipour NIKE PG 5 EP V
4 Marouf NIKE PG 5 EP 'Bred'
6 Mousavi Jordan Jumpman 2021 PF
9 Gholami NIKE PG 5 EP 'Bred'
10 Ghafour ADIDAS Dame 6
11 Kazemi Adidas Crazyflight Mid
12 Sharifi NIKE PG 5 EP
15 Mojarrad NIKE PG 5 EP
17 Salehi NIKE PG 5 EP 'Bred'
19 Marandi NIKE Zoom Hyperace2
21 A.Salehi NIKE Mamba Focus
24 Karimi ADIDAS Marquee Boost

Italy

2 Kovář Nike React Hyperset
4 Vettori ADIDAS Pro Boost Low
5 Juantorena Nike React Hyperset(特別モデル) Photo
6 Giannelli ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
9 Zaytsev Dame 7 MCD
9-2 Zaytsev Dame 7 AVATER
11 Piano DAME 7 FIRE INSIDE
13 Colaci ASICS BLAST FF2
14 Galassi NIKE PG 5 Playstation White
15 Sbertoli ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
17 Anzani Adidas Pro Boost Low
18 Michieletto ASICS SKY ELITE FF MT
19 Lavia ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO

Japan

1 Shimizu ASICS GELTRIFORCE 3(特注?TOKYO COLOR) Photo
2 Onodera ASICS GEL BURST 25(特注?TOKYO COLOR) Photo
3 Fujii ASICS GEL HOOP V13(特注?TOKYO COLOR)
6 Yamauchi ASICS GEL BURST 25(特注?TOKYO COLOR)
11 Nishida ASICS METARISE TOKYO
12 Sekita ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
14 Ishikawa ASICS SKY ELITE FF 2 TOKYO
15 Ri ROTE JAPAN LYTE FF 2(特注?TOKYO COLOR) Photo
17 Takanashi ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
19 Otsuka ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
20 Yamamoto ROTE JAPAN LYTE FF 2(特注TOKYO COLOR) Photo
21 Takahashi ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO

TOKYOカラーで揃えているため判別がかなり困難。SKY ELITEもミドルとローがあったり。
特にバッシュ系はわからないので、助言求みます。特に藤井くんのシューズは自信なし。

Poland

1 Nowakowski ADIDAS D.O.N. ISSUE #3
5 Kaczmarek ADIDAS Dame 6
6 Kurek ADIDAS Dame 6
9 León Adidas D ROSE 773 2020
11 Drzyzga ASICS SKY ELITE FF MT TOKYO
12 Łomacz ADIDAS Dame 3 'West Campus'
13 Kubiak ADIDAS CRAZYFLIGHT TOKYO
14 Śliwka ADIDAS HARDEN VOL. 4
15 Kochanowski ADIDAS Stabil Next Gen
16 Semeniuk ADIDAS CRAZYFLIGHT TOKYO
17 Zatorski ADIDAS CRAZYFLIGHT TOKYO
20 Bieniek Adidas D ROSE 773 2020

Venezuela

1 Velásquez MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
3 González NIKE KD Trey 5 IX Summit White
4 Héctor Mata MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
5 Rodríguez NIKE KD13 BY YOU Photo
6 Oramas NIKE KD Trey 5 IX Summit White
7 Valencia MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
9 Carrasco NIKE Kyrie 7 BY YOU Photo
11 Verdi MIZUNO WAVE MOMENTUM 2
14 Canelo NIKE KD Trey 5 IX Summit White
15 Arias MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
17 Fayola NIKE KD Trey 5 IX Summit White
19 Rivas NIKE KD13 By you photo

Pool B

Argentina

1 Sánchez WAVE MOMENTUM 2
2 Pereyra ADIDAS D.O.N. ISSUE 2 GCA
6 Poglajen WAVE MOMENTUM
7 Conte ADIDAS CrazyFlight Tokyo
8 Loser adidas D Rose 11 White Black Speckled
9 Danani NIKE KD TREY 5 VIII'White Total Orange'
11 Solé ADIDAS Dame 6
12 Lima Nike KD 13 EP 'Oreo'
13 Palacios MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
15 De Cecco MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
17 Méndez MIZUNO WAVE MOMENTUM 2 MID
18 Ramos MIZUNO WAVE MOMENTUM 2

Brazil

1 Bruno NIS OLYMPIKUS BR1 UNISSEX
5 Maurício Borges ADIDAS CrazyFlight Tokyo
6 Fernando Kreling Sky Elite FF MT Retro Tokyo
8 Wallace ADIDAS CrazyFlight Tokyo
9 Leal NIKE Zoom Hyperace2
12 Isac ASICS SKY ELITE FF MT
13 Maurício Souza ASICS NETBURNER BALLISTIC FF MT 2
14 Douglas ADIDAS CrazyFlight Tokyo
16 Lucas KD14 EP
16-2 Lucas NIKE React Hyperset(未発売カラー) Photo
17 Thales ASICS SKY ELITE FF MT
18 Lucarelli NIKE React Hyperset
21 Alan ADIDAS CrazyFlight Tokyo

France

1 Chinenyeze Harden Vol. 5
2 Grebennikov NIKE React Hyperset(未発売カラー) Photo
4 Patry ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
6 Toniutti ADIDAS CrazyFlight Tokyo
7 Tillie ADIDAS Harden Stepback 2
9 Ngapeth ADIDAS Stabil Next Gen
9-2 Ngapeth ADIDAS CrazyFlight Tokyo
11 Brizard ADIDAS CrazyFlight Tokyo
11-2 Brizard NIKE React Hyperset 右足:白青、左足:白赤
12 Boyer NIKE Kyrie 7
14 Le Goff NIKE KD Trey 5 IX Summit White
16 Bultor NIKE MAMBA FOCUS
17 Clévenot ASICS SKY ELITE FF TOKYO
19 Louati NIKE Zoom Hyperace2

ROC

1 Podlesnykh Nike Air Zoom BB NXT
4 Volvich Sky Elite FF MT Retro Tokyo
7 Volkov ASICS NETBURNER BALLISTIC FF2?(TOKYO COLOR)
9 Iakovlev ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
9-2 Iakovlev NETBURNER BALLISTIC FF MT
10 Bogdan ADIDAS DAME 7 MCD
11 Pankov NIKE Zoom Freak 2 by you(ロシアンカラー) Photo
15 Poletaev NIKE Zoom Freak 3 Crimson Bliss
17 Mikhaylov ASICS GEL BEYOND 5 MT
18 Kliuka ADIDAS Dame 7 CNY
20 Kurkaev NIKE Hyperace2
24 Kobzar NIKE Zoom REV TB
27 Golubev ASICS SKY ELITE FF MT

Tunisia

2 Kadhi Nike KD Trey 5 VIII EP Bred
3 Ben Slimene ADIDAS Harden Vol. 5
6 Miladi Nike KD Trey 5 VII EP Black Grey Wolf
7 Karamosli ADIDAS Dame 7 NBA 2K21
9 Agrebi NIKE KD 13 EP 'USA'
10 Nagga NIKE KD 12 by you
11 Moalla ADIDAS Pro Boost Low
12 Ben Cheikh 現状、不明
13 Mbareki ADIDAS Harden Stepback 2
15 Ben Tara NIKE KD 13 EP 'EYBL'
19 Bouguerra Nike KD Trey 5 IX 'Bred'
20 Hmissi Nike PG 4 EP

United States

1 Anderson NIKE React Hyperset(未発売カラー) Photo
3 Sander ADIDAS Dame 7 "Fine China"
5 Ensing ADIDAS Pro Boost Low
6 Stahl ADIDAS Pro Boost Low
7 K.Shoji ASICS SKY ELITE FF MT 2 TOKYO
8 DeFalco Nike Zoom Hyperattack
11 Christenson Nike React Hyperset(未発売カラー) Photo
12 Holt ADIDAS Haeden Vol.3
12-2 Holt ADIDAS D.O.N. ISSUE 2
17 Jaeschke Nike Zoom Hyperattack
18 Muagututia Adidas D Rose 11
20 Smith Adidas Coll3Ctiv3 2020
22 E.Shoji Nike React Hyperset(未発売カラー) Photo

間違っているものあれば、気軽にご連絡ください。

きょうのセッターその50 猫田勝敏


「スマン」
「頼む」
「ありがとう」
猫田勝敏ストーリー(2) | JTサンダーズ広島 | JTウェブサイト

日本国内では「セッターと言えば」の代名詞になっているとは思うが、世界的にみても猫田氏の功績は、今でもなお高く評価されている。
イタリアのバレーボール専門webメディアの「VOLLEYBALL.IT」が昨年まとめた『現代バレーボールの歴史を作った12人のセッター』の一人目として、猫田氏は取り上げられている。
バレーボールの歴史に詳しい元オーストラリア代表監督であるマーク・レべデフは、歴史上最高のセッターを5人挙げるとしたら、と尋ねられ、「猫田、ザイツェフ、マウリシオ、グルビッチ、ボール」を挙げている*1。またブラジルのバレーニュースサイト「Saque Viagem」は猫田氏を「現代セッターの父」と位置付けている*2


1964年東京、1968年メキシコシティ、1972年ミュンヘン、1976年モントリオールと計4回のオリンピックに出場し、それぞれ銅、銀、金、4位という結果。当たり前であるが、4回オリンピックに出場した日本のバレー選手は猫田氏しかいない。


1960年代後半はまだ両サイドに高いトスを放り上げておくという戦術が一般的で、クイックはあるにはあったが単発ということがほとんど。ミドルとサイドを絡ませるという発想自体がまだなかった。そもそも一人の固定されたセッターが攻撃をコントロールするというチームがほぼなく、複数セッターによるオフェンスが大勢を占めていた。猫田氏も東京五輪では出町豊氏の補助セッター(控えという意味ではなく)という位置づけであった。その後、ワンセッターとなった猫田氏と仲間たちの作り上げた多種多彩なクイック、時間差攻撃を繰り出すマルチテンポオフェンスはバレーボールに革命を起こした。
もちろんこれは監督であった松平氏の功績に依るところが大きいが、猫田氏の技巧がなければ実行に踏み切らなかっただろう。


国内であまり取り沙汰されることはないが、猫田氏がネットを背にしてセットすることで、リリースポイントが相手から見えづらくなったことを彼の利点に挙げる海外の文献も多い*3*4。これはあくまで推測であるが、ミュンヘン前年の右手複雑骨折の影響で、左手の力を多めに使わざるを得なかったことによる副産物だと考える。オリンピックの約1年前に腕を骨折して復帰は本番の二ヶ月前、それを考えるだけで恐ろしい。


猫田氏の最大の功績はセッターの「心」を世に残したことであると思う。「セッターは目立ってはならない」「人間力」「スパイカーに合わせ、打ちやすいトスを上げる」「自分が思ういいトスではなく、スパイカーが打ちやすいトス」「毎日、毎日の練習で“骨で汗をかいた”と納得できるまでやる」 そして冒頭の引用、猫田氏が試合中の口癖だったという「スマン」「頼む」「ありがとう」はセッターのみならず、自分ひとりだけではプレーすることの出来ないバレーボールというスポーツのエッセンスが詰まったメッセージだと思う。ボールを触るプレーヤーすべてがこの気持ちを持っていれば、自然とプレーの質は上がるはずである。


猫田氏は39歳の若さで早逝したが、10年後、100年後、彼の「心」がバレーボールに生き続けることを願う。



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