助っ人外国人の極東適性
豊田合成にいたチュク選手が今年、韓国のKEPKO45に移籍したように、日韓両国でプレーする選手は今までも結構いた。
- ソト・ヘクター(パナソニック、現代)
- ジルソン・ベルナルド(サントリー、現代:日本のシーズンの後、期間限定。韓国の外国人選手1号)
- チュク・アンジェルコ(三星火災、豊田合成、KEPKO45)
- レアンドロ(三星火災、東レ、大韓航空)
- ブルック・ビリングス(堺、KEPKO45)
まだいたかな?女子もデラクルス?とか、ケニー?とか少なくはない選手がいたはずだ。
なぜこのように日韓両国でプレーする選手が多いのかと言えば、日韓で助っ人外国人に求められる資質が似ているためだろう。
地理的なことやシステム的なものも含めて、この極東のリーグで外国人がプレーするのは決して簡単なことではない。全く違う言葉、全く違う食文化、土日連続の試合、多い打数。
おそらくは極東圏が初めてという外国人選手を獲得するのは、日韓両国のチームにとって一種の賭けであるといえるだろう。ビックネームであるならばそこまでの心配はないのだろうが、そうでもない場合は不安で一杯なはずである。しかし、環境が似たリーグで活躍していたのであれば、獲得の大きなはずみとなるのは間違いないだろう。
日本国内でも違うチームが同じ外国人選手を獲得するのはこの要因が大きいと思われる。今年のサントリー→豊田合成のレオや、豊田合成→JTのゴメス、豊田合成→NECのマックス、NEC→サントリーのアルーダなどがそうである*1。
彼らに求められるのはまず、ある種の図太さだろう。ちょっとぐらいの環境の変化に動じないタフな選手が求められる。欧米圏では通訳などはほとんど使わないが、日本では(韓国はわからん)、いちいち通訳を使わないと生活できないという難しさもあろう。海外初挑戦で極東圏に来た選手やナーバスな選手が上手くいったという例はあまり聞かない。母国とは違った環境の中でいつもと同じ能力を発揮できることは活躍の必要条件といえよう。
そして、日韓両国とも使用できる外国人が一人という事も問題として大きなウェイトを占める。ほとんどのケースでは、打数も増えるし、依存される。土日に連続で試合をするというシステムは欧米圏ではほとんど見られない。そのような環境でも長いリーグの中でコンディションを維持できるスタミナ、怪我のしにくさも重要だろう。またたった一人の疎外感や過剰な期待を受け止める精神的スタミナも必要になるだろう。
早い話、日韓で活躍できる選手というのは、芯が「強い」*2。
逆に言えばどんなに高くても、うまくても「弱い」選手はここで活躍は出来ない。
【バレーボール】韓国で成功した選手が日本に移籍するワケ 「育ててくれた恩を忘れて日本に行く気か」
一昨年あたりにこういう記事があったのだが、現在、そこまで金銭面での隔たりはないように思う。韓国に来ている外国人選手の方が日本よりビックネームというのは最近多い。
これからも日韓両国でプレーする選手というのは増えてくると思う。今日本でプレーしている選手が韓国でプレーすることになるかもしれないし、今後日本にくるかもしれない韓国の外国籍選手を予習しておくことも無駄にはならないだろう。