Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

2013年男子バレーボール10大ニュース



1.全日本監督、初の外国人に

2月、ゲーリー・サトウが全日本監督に就任。
何かを変えようという力が、中央でも少しずつ働いてきたようにみえる意義は大きい。

2.世界選手権の出場権逃す&グラチャン惨敗

厳しい年だった。結果を目指すべきなのか、一から新しい技術を構築するべきなのか、それもいまいちあやふやなまま進んでしまったように思える。
個人的な所感をここで述べさせてもらうのであれば、ゲーリーは料理人として招かれたにも関わらず、農家の仕事に終始してしまったような印象をぬぐえない。これがいいか悪いかは正直わからない。基礎の刷新を経ねば、頭打ちだといわれればそれまでなのだが。
しかしそれをするなら、シニアでやったところでどう考えたって手遅れ。むしろ持っているものを一回捨てさせられるわけだから、短期間でみたらむしろ成果は落ちるのは当然。
ジュニアの時期にみっちりとそれをやる。若年層担当として各県を回って少しずつみんなの意識を変えていく。それであるならば、10年スパンで考えて、日本がやっていくべきことなのかもしれない。
しかし、やっぱり半年ばかしでそんなベースの部分に手を付けたって結果が出ないのは至極当然。グラチャンを見ていて、あの選手はここが良くなったな、ここが変わったなというところは結構あったのだが、チームとしての機能、戦闘能力はまるで低いように思えた。チームの連動性に欠ける、チームの約束ごとがいまいち見えてこない、チームとしての駆け引きが希薄etc。
結局、ゲーリーってそもそも一流の料理人ではなく、一流の農家なんじゃないかと思う。素材を作ることに関しては、一流でもそれをどう調理するか、どう味付けしていくかというのは、この一年を通して、いまいち見えてこなかったし、彼の経歴を見てもそれは明らか。
もちろん来年も彼で行くことを決めた以上、腹をくくるべきなのだが。

3.ジェイテクト昇格&天皇杯準優勝

第1戦、ストレート負けからの昇格はまさにメイクミラクル。昇格後も着実な補強を重ね、見事に天皇杯準優勝という成果を出した。堅いサーブレシーブとアグレッシブなサーブという根本さえ磨けば、1年目でも十分勝負できることを証明している。
エルナンデス-サンチェス問題はいまいちよくわからないだが、もしリーグもエルナンデスであったならば、リーグの勢力図も大きく書き換わっていたものだろうと思う。
そういう意味ではジェイテクトの彼らにとって、ある意味厳しいシーズンになるかもしれない。要するに、わかりやすいスケープゴートができてしまったのだから。そこはたぶん清野チェス次第であろうか。

4.ユニバ銅メダル

正直なところ、ユニバというのは各大会によって各国の力の入れようがあまりに違うので、なんとも評価をしづらいところではあるが、二けた順位から比べれば、大いに評価に値すべきものだろうと思う。
改めて見てもバラエティに富んだメンバ構成であるし、バランスがよくとれていた。かといって彼らがシニアにつながるかといえば、それはまた違う話のようにも思えるが。

5.JVA体制刷新

一部ではクーデターとも報道された、日本協会の改選。
組織としてやっと正常に動き出すのかもしれないという期待感はあるのだが、果たして。

6.星城、無類の強さ

正直なところ、彼らが高校生に負けるところ、というのはうまく想像ができないのだよね。もちろんこのカテゴリーというのは勢いというのが大きな要素としてあるわけだが、彼らはなんとかフルセットまでにはうまくゲームをまとめられちゃうんだよなー。

7.ルール関係、いろいろ混乱

4月、変更したはずだったオーバーハンドレセプションの厳格化を結局、行わないという事態に。現場は混乱に陥り、始まってしまった大学リーグなどでは結局、そのままのルールでその大会を戦うはめになった。
夏にはU23大会を21点制で行うといったものの、結局女子は土壇場で覆り、25点制に(男子は21点制で行われた)。ブラジルでも21点制を導入したものの、選手監督などからは批判が巻き起こっている。
誰のためなのかいまいちよくわからないルール変更というのは、現場レベルでリジェクトされるのだ、結局。

8.ロシア各カテゴリで結果残す

ワールドリーグ、ヨーロッパ選手権を制したロシア。最後、グラチャンは直前入りということもあって、緒戦を落とし、年間グランドスラムはならなかったが、シニアのみならずジュニア、ユース、ユニバと各カテゴリでも圧倒的な強さを発揮し、ロシア時代の到来を予感させた。優勝を逃したU23でもクラブ世界選手権でもグラチャンでも1位はブラジル。まだまだ意地を見せられるか。

9.大学界、群雄割拠

関東は関東で春、東日本、秋と違うチームが勝ち、リーグでも混戦が続いた、西は西で近畿が天皇杯JT撃破。北海道もインカレで東海札幌がベスト8に食い込み、東北でも仙台が東日本でベスト8。
全国的に規格外選手の減少、選手の分散、強化の高レベル化が進み、このような結果になっているのだと思う。このような状況はまだまだ続いていくだろう。ま、正直中大次第だとは思うものの。

10.大浦正文氏、逝去

まだバルセロナだよ。早すぎます。
次世代の指導者を失ったということも、とても大きな損失であろう。