Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

2016リオ五輪インドアバレーボール男子プレビュー


photo by FIVB

開幕まであと10日を切った。
ドーピング問題、キューバの暴行事件などなどバレーボールでもいろいろケチがついている感は否めないが、少なくともバレー界ではオリンピックが最大のイベントであることには変わりはない。
ちょっといくつかトピックをあげて、ざっと予習をしていこうと思う。

公式サイト等

Volleyball Olympic Games 2016 - Olympic Games 2016


12名のロースターについては、すでに決定しているが、Volleyball.itがよくまとまっている。日程や個人賞も見られるっぽいので期間中はポータル的に使うとはかどるかもしれない。こっちでもいいんだけど
VOLLEYBALL.IT - Olimpiadi: Guida Maschile. Roster, Calendario, Classifica, Stats

6チーム2グループに分かれて、上位4チームが準々決勝

今更だけどおさらい。
A組はブラジル、アメリカ、フランス、イタリア、カナダ、メキシコ
B組はロシア、ポーランド、イラン、アルゼンチン、キューバ、エジプト。
これはFIVBランクによって分けられるのだが、A組のほうがキツイなぁ。

テクニカルタイムアウトは行わない

1日6試合行うこともあるだろうし、チャレンジによって試合時間は膨大に伸びているため、8点、16点のテクニカルタイムアウトはこのリオ五輪では行われない。
なし崩し的に今後もなくなるかもしれない。イタリアなんかではすでに12点の一回きりになっているし。そもそもテクニカルタイムアウトってのはCMを入れるために作られたともいわれている。
ただ問題はいきなりやるのはどうなのよという点で、ワールドリーグにしろ試す機会はあったでしょと。

ロシアは結局参加、だがマルキンはアウト。

いろいろすったもんだあったが、結局バレーボールでは出場OKに。ただしドーピング引っかかった前歴者はアウトということで春先問題になったマルキン選手の出場は認められず。
マルキン選手ドーピング問題まとめ - Stay Foolish
男子ロシア代表1人を除外=バレーボール〔五輪・バレーボール〕:時事ドットコム

いろいろ言われているが、たまたま引っかかったのがマルキンだったというだけで、あの年明けの時点ではチームの半数以上からメルドニウムは検出されたはずであると個人的には思っている。
そのほかにもムセルスキー、ベレシュコあたりの抜け方は怪しいし、アレクノがエルマコフ残すようには思えないし、いろいろあったんだろうなということがうかがえる。


4年前にはありーがとー、さよーならー、テチューヒンなんて歌ったのにちゃっかり代表入りしちゃって旗手までやっちゃうテチューヒン。脱帽。

キューバも結局出場

ワールドリーグのフィンランド大会の婦女暴行事件によりチームの半数が拘束されたキューバだが、監督も替えてその選手らも出さないことで何とか出場。
プエルトリコあたりの繰り上げも予想されたが、ドーピングなんかでもそうなんだけど、肝心な時にヒヨるFIVB。甘いと思うなぁ。

親子が3組も

いわゆる親子鷹。言わずもがななブラジル、レゼンデ親子。フランスのティリ親子、カナダのホーグ親子。
ちなみにティリはキムお兄ちゃんがバスケットボールでリオ出場を決めている。

がんばれベテラン

なんといってもテチューヒン40歳だが、エジプトアブエルハッサンは41歳。ブラジルセルジオも40歳、アメリカプリディー38歳、イタリアソッティーレ36歳あたりが頑張るベテランといえようか。
毎回言ってる気もするけど、ベテランのいないフランス、ポーランドあたりはちょっと物足りなさを感じないではない。勢いだけでは勝てんですよ。
ムリロがいなくて、残念。

じゃあ優勝予想

ブラジル、フランス、イタリア、アメリカ、ロシア、ポーランドの上6つまでにチャンスがあるだろう。
準々決勝は結構あてずっぽうだが、ブラジル-アルゼンチン、ロシア-イタリア、アメリカ-イラン、ポーランド-フランスになりそうである。


ブラジルは前回記事で書いたバレーのアップデートされてなさが気になる。ロシアは前回記事で推したけどムセルスキーがいないのが圧倒的に痛い。ポーランド、フランスはベテランがいない、加えてフランスは層が薄い。イタリアはザイツェフ任せという不安要素ばかり上がる。となると消去法でアメリカかなぁ。


えー以下に各ブックメーカーのオッズをまとめてみた。

- bwin ladbrokes coral bet365 m88 10bet
ブラジル 2.5 2.75 2.75 2.5 2.5 2.4
フランス 5.0 5.0 4.5 4.5 5.5 4.35
イタリア 6.0 9.0 6.0 5.5 6.5 6.0
アメリカ 7.0 5.0 5.5 7.5 6.0 7.0
ロシア 8.0 6.0 7.5 6.5 6.0 6.5
ポーランド 10.0 10.0 9.5 15.0 9.0 13.0
イラン 29.0 - 34.0 41.0 31.0 46.0
アルゼンチン 51.0 51.0 41.0 71.0 41.0 76.0
カナダ 101.0 101.0 101.0 101.0 151.0 91.0
キューバ 301.0 201.0 151.0 401.0 151.0 451.0
エジプト 1001.0 501.1 751.0 1001.0 751.0 1001.0
メキシコ 3001.0 1001.0 2001.0 4001.0 901.0 1001.0

2016ワールドリーグ決勝、セルビア-ブラジルのレビュー


photo by FIVB



youtu.be

セルビアがモンテネグロの独立を経て、「セルビア」になってからちょうど10年目での優勝。世界大会としてはユーゴの2000シドニー以来の2度目の優勝となる。その時のセッター、グルビッチ弟が監督というのも感慨深いものがある。
アタナシエビッチを欠く中でまさか優勝とは思っていなかった。


前提としてモチベーションの差は考慮しなければならない。
五輪に出ないセルビアは去年のワールドリーグは決勝で負けていたこともあって、これが大一番であったがブラジルやファイナル6に出たその他の国にとっては、どうしても五輪への調整という向きが強い大会であった。
ブラジルのリベロはチアゴ・ブレンドルであったし、どうもルーカスの使い方もちょっと隠してんのかな?という感じであった。
そもそもそんなセルビアが五輪に出られないのはどうなのよって話なんだけど。


1セット目のラインナップ。
両チームともここまでの戦い通りのスタートローテーションで、特に意図したものはなかっただろうと思われる。
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セルビアの基本戦術としては、19マウリシオにサーブを集め、4ウォレスにはある程度好きにやらせるというものだったと思う。
セルビアのミドルは真ん中とウォレスの逆サイドに9割の意識を置いているイメージ。無視ってレベルではないんだけど上がってからの反応でいいかなというレベル。ウォレス以外のところを守れれば十分勝てるよという割り切りが感じられた。
マウリシオは5本のエースを献上するなど散々だったが、五輪本番でもムリロはおらず、ブラジルの厳しい戦いが予想される。ダンテでも呼び戻せたらまたちょっと違うんだろうけど。


対するブラジルはバンチからのコミットを基本にしていたが、ミドルを抑えきれなかった。
この辺りはセルビアのセッター、ヨボビッチを評価したい。ゲームの頭でミドルでガツンといったのが大きかった。中盤から終盤にかけてはパイプをうまく使った。
数字上はそこまでのインパクトはないんだけど、オポのルブリッチもほぼ初めてのシニアの大舞台で肝が据わってるなあというか、これでまだアタナシエビッチ使ってないんだぜというこの国の末恐ろしさ。


MVPはこの試合のトップスコアラーであるイボビッチに渡されたが、個人的にはU.コバチェビッチを推したい(イボビッチもすごかったけどね)。大会通してでは、リシナツに上げたいところであるが。
この試合に関しては、このコバチェビッチとマウリシオの差こそがポイントだったかなと思う。1セット目、ブラジルの強サーブをことごとくパーフェクトパスにしたコバチェビッチの貢献は大きい。ライブで見てはいないのだが、序盤の数本の彼のレセプションで勝負はほぼ決していた。もちろん数字でいえばレセプションのゲームへの寄与度は小さいのだが、それくらい大きなレセプションというのもあるにはあると私は思っている。以降ブラジルはイボビッチに狙いを変えるものの決定打が打てなかった。
おそらくセルビアが一番ブレイクしているのも、このコバチェビッチの緩急つけたサーブ時であったと思う。


ブラジルはどうもプレーが型にはまりすぎているきらいがあるように感じた。それがあえてだったのかどうかはわからないが。
たとえば、2セット目のブラジル14-17のこの場面。難しいボールだったとはいえ、ルカレッリは簡単にブロックの裏に返すが、正面でとられ簡単に切り返されてしまう。


正直、こういったプレーは若干時代遅れなところがある。やはり何をするかわからない中でのこういうプレーはまだあり得るが、とりあえず相手が嫌そうなところにボール置きますーってプレーは簡単に切り返される。
時代はヌガペトさんしかり、前述のコバチェビッチのサーブしかり、常に攻めることを前提に何をするかわからない、というのがスタンダードになりつつある。
そういった中でルカレッリをはじめ、多くの選手が国内でプレーしているブラジル代表には正直限界がある。ブラジル国内ならいいかもしれない。嫌なところにボールを置いて、わかりきった相手のハイボールを仕留める。しかしヨーロッパのトップレベルではそれはもはやチャンスボールになりつつあるのだ。
もう10年を超えるレゼンデ政権の限界とも言い換えることもできようか。モチベーションの差を前提にすべきとは冒頭で述べたが、正直ブラジルに金はキツイ。


ブラジルがリードを奪う局面は各セット中盤以降一度もなかった。イボビッチが前衛の時に点差を離し、ウォレスが前衛の時に多少詰められるが最後まで危険なゾーンまでブラジルを入れることはなかった。


13位セルビア 1位ブラジルをストレートで下し初V ― スポニチ Sponichi Annex バレーボール


一部メディアでは世界ランキング13位のセルビアが1位のブラジルに勝利!なんて書いているようであるが、今日更新されたランキングでそのランキングがいかにあてにならないものか改めて認識されたことは間違いないし、今回のファイナル6進出チームのブラジル、ロシア、アメリカ、ポーランド、イタリア、フランスであれば毎回結果が変わってもおかしくない、まさに本命不在の時代なのである。


そんな中でおみくじに近いものがあるが、私はリオはロシアを推そう。
出れればね。

海外バレーの移籍情報をいかにしてチェックするか2016

以前、こんな記事を書いたこともありますが、3年前ですから更新止まっちゃったサイトもありますし、新しいサイトも出てきました。
sputnik0829.hatenadiary.com



今回は石川選手の移籍で興味持たれる方もおられるでしょうし、見方なんかも解説していきたいと思います。

1.Volleyball.itの移籍ページ

http://volleyball.it/mercato.asp?s=118&c=87

mercatoとはイタリア語で市場の意。英語で言うならmarketですね。つまり選手の市場ということ。ここのメルカートのページにはいつもお世話になってます。

上のURLがイタリア国内。下記URLはイタリア国外の有力チームのロースターがまとめられています。
http://volleyball.it/mercato.asp?s=118&c=89

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volleyball.itより
表の見方は一番左上が監督。その下が今シーズンの予想スタメン。真ん中の列は獲得選手で太字は確定。普通の文字は噂が上がっていることを示します。で、一番右は放出した選手。
一番下はそのチームの情報を更新した日を示すので、新しければ「おっ、なんか動きあったな」とチェックできます。ちなみにgiugnoが6月、luglioが7月、まだですけどagostoが8月になります。

2.volleyball-moviesの移籍ページ

http://www.volleyball-movies.net/transfers/2016-17
ここはかなり小さい移籍も出てきますし、確定情報だけなので安心できます。投稿がベースなので怪しいこともないことはないです。
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Volleyball-Moviesより
言うまでもないですけど名前の右が今まで所属していたクラブ、その右が今度移籍するクラブを表します。国ごとの検索なんかもできるのでなかなか便利ですね。


3.WorldofVolleyの移籍ページ

WorldofVolley :: Volleyball news, transfers, interviews and blogs
twitterでも登録しとけば、移籍情報バンバン入ってきますが、一応このページ抑えとくと便利です。ただ下の方にあるロースターの表は更新が遅いので、あんまり見ない方がいいです。

4.siatka.orgの移籍ページ

PlusLiga - Strefa Siatkówki - Mocny Serwis

ポーランドはいろいろあるんですけど、最近はこれを見てます。
ただ多少情報は遅れますが、wikiの2016/2017シーズンのページではチームの全容情報がわかるので重宝してます。
PlusLiga (2016/2017) – Wikipedia, wolna encyklopedia

5.www.voleybolunsesi.comの移籍ページ

VoleybolunSesi > Transferler
トルコならここ。誰がどこからどこに動いたってのはわからないんですけど、トルコはチーム名が似通ってるので誰がどこにいるってわかると非常に助かります。

6.spotsbo.ruの移籍ページ

Будь на спорте
ロシアならここですね。ただロシア語には大変難儀しているので、ほぼみてません。

7.JustVolleyの移籍ページ

http://www.justvolley.com/ligue-am-les-transferts/
とりあえずフランスならここです。
特に意味はないですけど、古賀君が載ってるってことでパリバレーの項をキャプチャしてみた。
f:id:sputnik0829:20160712233647j:plain
JustVolleyより

8.VOLLEYBALL.deの移籍ページ

Männerwechselbörse :: volleyball.de
ドイツならここ。

9.ブログあれこれ

JUMPIN 81M2
Dal 15 al 25
この辺のブログは移籍の噂なんかも出てくるので重宝します。両方イタリアなんですけど、ポーランドにもおもしろいブログあるんでしょうけど、うまく探せてません。

石川祐希の行くラティーナってどんなチーム?


By Ayers at it.wikipedia [Public domain], from Wikimedia Commons
(写真はラティーナの名所、サンマルコ聖堂)

ちょっとバタバタしててキューバの件も書けてないんですけど、やっぱりこっちから書いておきましょう。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00329934.htmlwww.fnn-news.com


(健太郎君が乙女を狙うオオカミみたいですね)

悪い選択ではなかったんではないかと思います。
個人的には外国人枠のないドイツやフランスあたりのチャンピオンズリーグ出るチームって方がおもしろかったんですけど、まぁ、日常のリーグのレベルとか考えたら、イタリアの中位に行くというのもなかなか悪くないと思います。
ヴェネズエラの監督であり、新たにラティーナの監督に就任するイタリア人のナッチからの直接のオファーということで、ないがしろにされることもないでしょう。まぁ、能力的にはどこに行っても問題ないとは思いますけどね。
そう考えるとOQTの緒戦がヴェネズエラだったというのもなかなか大きなファクターだったのかなと思います。とはいえ、2月には若手選抜でラティーナにも行ってますし、そこでの評価というのも無関係ではないでしょう。


ラティーナは人口約12万人、イタリアの真ん中あたり、ローマの近くにありますが、基本的には南部に位置づけられる都市だと思います。この南部、北部ってのはイタリアでは結構大きい要素であります。それは後程。
さてそんなラティーナ、今年で45周年を迎えるそうですが、イタリアの中堅of中堅の名にふさわしいクラブだと思います。
ここ数年の成績は8位、6位、12位、7位、9位、12位というある意味安定感を持っているクラブですね。


ラティーナと聞いて個人的に思い起こされるのは2013年のCEVカップ決勝のハルクバンク-ラティーナ。
www.youtube.com


この時は"プロフ"プランディが率いていたんですね。この決勝はトルコのハルクバンクに負けてしまうんですが、この時のハルクバンクの監督は現JT監督のヴコヴィッチ氏。
まぁ、これがラティーナのいわば絶頂ですかね。ラウヴェルディンク、ノダ、ヤロシュのサイド3人でよくここまで来たって感じでした。


では、どんな選手がいるのか見ていきましょう。
正直まだ陣営は決まり切っていないところはありますが、この先、これ以上の大物が入ってくることはないでしょう。
正直、パブロフ、ヨシフォフ、シュケット、ハーシュなんかがいた昨シーズンと比べると予算の問題でしょうか、戦力ダウンは否めないと思います。

アレッサンドロ・フェイ

ラティーナの今シーズンの獲得目玉でもあるフェイ。ミドルとしての印象が強い方もいるかもしれませんが、ここ7,8年クラブはオポジットを務める方が多くなってます。
フェイももう39歳。能力的には若干きつい部分があるとはいえ、その経験は石川君が学ぶべきものは非常に多いと思います。
www.youtube.com

ガブリエレ・マルオッティ

フェイといいもじゃもじゃをなかなか集めていますね。
まぁ、どちらかといえば守りのサイドに分類される選手だと思います。
www.youtube.com

ダニエレ・ソッティーレ

イタリア代表監督のブレンジーニがラティーナの監督をして以来、お気に入りのベテランセッター。
やっぱりイタリアはこういう職人系セッターがいいですね。
www.youtube.com

アンドレア・ロッシ

若手のミドルで注目された時分もあるんですが、なかなかパッとしないですね。
クネオでせっかくマストランジェロがいなくなったのにチャンスを活かせなかったという印象が強いですね。
www.youtube.com


他には、ペンチェフの弟のサイドの方の獲得も噂されています。


サッカークラブでもそうなんですけど、バレーでも強豪で長続きしているクラブというのはイタリア北部に多い傾向にあります。
モデナにトレント、マチェラータにペルージャもみんな北部のクラブです。
そもそもイタリアには裕福な北部、貧しい南部という図式が成立しているからという部分があるのですが、やはり北部の人間はどちらかといえばドイツよりなちゃんとした感じ。
南部の人はスペイン寄りな陽気な感じってイメージもあり、少々危なっかしい傾向があります。
南のクラブなんて今まで真鍋さんの行ったパレルモも一瞬で飛んだ感じですし、モルフェッタなんかは頑張ってますが、ターラント、ソーラなんかは安定しないですね。
位置的なものもあってか、ラティーナはそんな中でも南部のクラブとしてはがんばっているのかなぁという感じです。


もちろん石川選手には試合に出て頑張っていただきたいですが、ちょっと陣営的には厳しい戦いが続くと思います。
ただやはりそんな中で苦しみもがいて、さらなる成長と遂げていただきたいと考える所存であります。

結局道具を使うのは人だという話


photo by FIVB


いやぁ、このような記事が出た直後に、なかなかうまいタイミングで事件が起こるものです。
新しいテクノロジーがもたらす〝光と影〟(後編)


先週のワールドリーグ、フランス-ベルギー戦で、第4セットフランス10-8が0-8になるというちょっとした珍事がありました。
案件としては、2007のワールドカップ、日本-ブラジル戦事件と全く同様のもの。目玉を書き間違えていたものの、審判が気付かず途中でスコアラーが気付き、それまでの点数が無になってしまうというもの。


1時間46分頃から。
youtu.be


結局はどれだけ道具がサポートしても、それを使う人間がそれに胡坐をかいて、注意散漫になっていたら意味がないという証明になりました。


このルールの最たる問題は、前提としてチームの落ち度はあるものの、審判のミスであるはずなのに点数を失うのはチーム側であるということ。日本対ブラジルの記者会見で審判にもミスはあるというなんともな答弁に終始したFIVB幹部の詭弁が思い返されます。
レベデフ師匠もたぶんすべてのスポーツの中で最もバカなルールだと断罪しています。



この件はラインナップシート(目玉)にはフランスのミドル、#10ル・ルーが記載されていたにもかかわらず#14ル・ゴフが実際にはプレーしてしまっていたというもの。間違いがミドルに関するものというのもブラジル戦の時と同じですね。歴史は繰り返す。まぁ、すぐにリベロが入るのでわかりにくい話ではあるのですが。


まず副審はセット開始前のラインナップ確認でそれを見落とし、目の前のタブレットで常にラインナップが表示されているにもかかわらず、#14が前衛3ローテプレーしているのも見落とし、なおかつ#14がサーブを打ったにもかかわらず、スコアラーすらそれを見落としてしまうというなんという体たらく。気づいたのは次のトニウッティのサーブ時でした。公式記録がデジタル化されてことによる油断が招いた事件ともいえるでしょう。

結果、フランスはリードを失い、それを引きずったのかフルセットで敗れてしまい、当然ながら残されるのは恨み節。まぁ、前提として目玉を書き間違えなければこんなことにはならなかったのですがね。


e-scoresheetの導入は間違いなく進歩ではあるのですが、問題となっているのは結局上記記事中にもあるように運用の部分です。
道具がどれだけ優れていても結局使うのは人間。それを忘れてしまうと痛い目を見るという教訓を肝に銘じておきたいものです。


新しいパター欲しいなぁ…