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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその47 眞鍋政義



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今では前日本女子代表監督としてのほうが有名であるが、しっかり歴史に名を残しているセッターの一人だ。
新日鐵での日本リーグの三連覇や、セッターとしてここまでで唯一イタリアセリエAでもプレーした。イタリアではあまり多くの試合には出ておらず、動画も見つからない。残念。
22歳で代表入りして、ソウル五輪も出場。キャリア後半で再び全日本に復帰したこともあり、セッターとして3回以上の世界選手権出場はおそらく猫田勝敏(4回)、眞鍋政義阿部裕太の3人のみ。


ボールに優しいタッチが特徴で、コンタクトポイントは低く、顔の近くでボールを扱う。特に晩年はその傾向が強く、動画の1998世界選手権スペイン戦のファラスカのボールを扱う位置と比べれば歴然である。
優しいというと手首を柔らかく使う、持つようなイメージになってしまうかもしれないが、球離れは早く、タッチしている時間も短い。キレが良い。引き付けて上げるようなセッティングは間ができるので、相手ミドルが思わずミドルに反応してしまう。
また1980年代前半と考えれば190㎝前後の身長は、かなりの大型セッターの部類であったと思う。


味方にしろ、相手にしろ小さい所作から今日の調子をつかんだり、意図を読んだりする「観察力」の高さもセッターにとって必要な能力の一つであるだろう。
監督時代のインタビューなどからも伺えるが、人の心を引き付けて動かすという面に優れているいわゆる「人たらし」であると思う。
いろいろなタイプがいるが、眞鍋氏は細かい気配りに長けたセッターだったと思う。ただ尽くせばいいというわけでもなく、なだめすかしてこき使う、そんなずる賢さを兼ね備えている。
大なり小なりそういった腹黒い部分にはセッターには必要であろうと、眞鍋氏を見て感じるのであった。



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