結局道具を使うのは人だという話
いやぁ、このような記事が出た直後に、なかなかうまいタイミングで事件が起こるものです。
新しいテクノロジーがもたらす〝光と影〟(後編)
先週のワールドリーグ、フランス-ベルギー戦で、第4セットフランス10-8が0-8になるというちょっとした珍事がありました。
案件としては、2007のワールドカップ、日本-ブラジル戦事件と全く同様のもの。目玉を書き間違えていたものの、審判が気付かず途中でスコアラーが気付き、それまでの点数が無になってしまうというもの。
1時間46分頃から。
youtu.be
結局はどれだけ道具がサポートしても、それを使う人間がそれに胡坐をかいて、注意散漫になっていたら意味がないという証明になりました。
このルールの最たる問題は、前提としてチームの落ち度はあるものの、審判のミスであるはずなのに点数を失うのはチーム側であるということ。日本対ブラジルの記者会見で審判にもミスはあるというなんともな答弁に終始したFIVB幹部の詭弁が思い返されます。
レベデフ師匠もたぶんすべてのスポーツの中で最もバカなルールだと断罪しています。
It is a very, very stupid rule. Maybe the most stupid rule in all sport. https://t.co/ejKUsNqAOJ
— at home on the court (@homeonthecourt) 2016年6月20日
この件はラインナップシート(目玉)にはフランスのミドル、#10ル・ルーが記載されていたにもかかわらず#14ル・ゴフが実際にはプレーしてしまっていたというもの。間違いがミドルに関するものというのもブラジル戦の時と同じですね。歴史は繰り返す。まぁ、すぐにリベロが入るのでわかりにくい話ではあるのですが。
まず副審はセット開始前のラインナップ確認でそれを見落とし、目の前のタブレットで常にラインナップが表示されているにもかかわらず、#14が前衛3ローテプレーしているのも見落とし、なおかつ#14がサーブを打ったにもかかわらず、スコアラーすらそれを見落としてしまうというなんという体たらく。気づいたのは次のトニウッティのサーブ時でした。公式記録がデジタル化されてことによる油断が招いた事件ともいえるでしょう。
結果、フランスはリードを失い、それを引きずったのかフルセットで敗れてしまい、当然ながら残されるのは恨み節。まぁ、前提として目玉を書き間違えなければこんなことにはならなかったのですがね。
e-scoresheetの導入は間違いなく進歩ではあるのですが、問題となっているのは結局上記記事中にもあるように運用の部分です。
道具がどれだけ優れていても結局使うのは人間。それを忘れてしまうと痛い目を見るという教訓を肝に銘じておきたいものです。
新しいパター欲しいなぁ…