Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

望んだ移籍、望んでない移籍。



今年、男女を問わず、多くのVリーグ選手が移籍した。もちろん廃部の影響が多分にあった。
一般的には移籍は2つに大別できる。選手にとって望んだ移籍と、望んでいない移籍だ(あくまで傍観者的視点だが)。
もちろん移籍できること自体、選手にとっては幸せということが前提としてあることを書き記しておく。

スポーツ界は勝負の世界。望んだ移籍があれば、望んでいない移籍があるのは当然だ。チームの構想に合わない選手や年老いた選手は当然切られる。
金満チームは戦力強化に選手をとり、金欠チームは選手を売って資金を稼ぐ。能力ありあまる選手はステップアップのために移籍をし、能力の足りない選手はまだまだ活躍の場を求めるために相応のリーグ、チームに移籍する。もちろんそれだけではない移籍もあるが。

Vリーグでは、望んだ移籍、有り体に言えばステップアップのための移籍というのは少数しか見られない。1年縛り*1や、社員であるという足かせがあるためだ。ステップアップの移籍でぱっと思いつくのは、越川選手や、去年になるが井上選手くらいだろう。女子ならチャレンジ→プレミアという移籍が多くみられるが、男子ではほとんど見られない。
なんと言っても、そもそも移籍自体が少ないのだ。

有望な選手は新卒で入ったチームで選手生命を終え、チームから切られるような選手は、他のチームでそのチームの戦術にフィットするという評価を得られないかぎり、入る間口の広い一部の特定チームに移籍するしかなく、そこにも縁がないようなら、バレー界を去らなくてはならない。
まだバレーを続けたい選手は、バレーを続けたいという己の夢と、企業の社員生活を秤にかける。というのが現在の構図だ。

今年、Vリーグは移籍規定を改定した(参照移籍の夏 - /ja あやつる YmrDhalmel)。しかし、それはゆるやかな変化という域を出ず、結局のところ、1年縛りがある以上、移籍が驚異的に増えることはあり得ない*2。ただ一昔前の、切った選手でも1年縛りを課して移籍できないという状況は少し緩和されたようだ。

現状で危惧しているのは、その緩和がされたところでまだバレーを続けたいという選手の行き場がほとんどないということだ。
Jリーグであれば、まだJ2やJFLチームにその活躍の場を求める事が出来る。しかしバレーボールのV・チャレンジチームや地域リーグチームのほとんどは通常の仕事をきっちりするところが多いので(いわゆるアマチュア。)、中途ではなかなかとりづらいという実情がある。
V・プレミアリーグからチャレンジリーグにうまく活躍の場を移すことができた選手*3は、ヴェルディの奥田選手*4、や、警視庁の清水選手、つくばの加藤選手など、特殊*5なチーム環境でしか見る事は出来ない。

今のところ、草の根的にクラブチームを作り、昇格を目指しているチームに淡い期待を抱くか、もしくは「海外は近い」と思える選手がたくさん出てくることを願うしかできないというもどかしい状況なのだ。

論点がなんかずれたな。

追記
ブコメから

surumeno13 volleyball, sport (中略)JFLだと企業チーム間でも結構移籍してます。競技によって採用形態が違っていたりするのかな。

若山選手みたいなさすらいのチャレンジリーガーもいるしなぁ。よくわからないという域をでない。

*1:移籍元チームの承認が得られなければ、1年間出場できない

*2:Vリーグ選手会がないのはなぜだろう。

*3:退団発表後に移籍した選手

*4:この場合、濱口選手は除いておこう。

*5:少数という意味で。クラブとしてはむしろ通常