今回のアジア大会代表に、全日本初選出された大分三好の長江晃生選手は珍しい大学院卒*1のVリーガーだ。
徳島の城東高校から大阪体育大学へ進み、卒業後、堺ブレイザーズでプレーする傍ら、大阪体育大学大学院にも通っていた。
修士取得後の2007年、大分三好に移籍。昨年のプレミアリーグでは日本人4位となるスパイク決定率、サーブ、サーブレシーブでも好成績を残し、大分三好の最下位脱出の原動力ともなった。その活躍が実り、2010年には初の全日本候補に選出された。
大学院卒のバレーボール選手はなかなかいない。
たしかに現役引退後に大学院で研究をして指導者への道へ進むという選手は、少なくない。三屋さんや東レの秋山監督、福井工大福井の西田監督などなど。
ただ大学→大学院→実業団選手というステップを踏むことは非常に珍しい。覚えている限りでは、筑波大院卒の廣紀江選手くらいではなかろうか。廣選手にしても、院を出た時点で引退されたような気がする。
そんな長江選手が今、全日本に選出されたのも、堺ブレイザーズが大阪という地に「クラブ」として存在していたということが大きいように思う。もし堺が新日鐵ブレイザーズとして企業チームのままだったなら、長江選手が新日鐵でプレーすることはなかっただろうし、院卒後、堺でプレーすることがベストであっただろうが、大分三好でプレーするまでにいたっていないだろう。
実際にどのようなプロセスで堺入団、退団にいたったのかはわからないが、大阪にそのようなチームがあったことは彼にとっての幸運だったように思う。
クラブ形態のチームはさまざまなキャリアの選手を抱えられるメリットがある。
これからクラブチームが増えて、いろんなキャリアの、たとえば大学生プレミアリーガー、高校生プレミアリーガーとかが出てくると面白くなってくるだろう*2。
ちなみに長江選手の修士論文はこちら。
バレーボールのブロック・Digパフォーマンスについてのゲーム分析(pdf)