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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

マルキン選手ドーピング問題まとめ




photo by FIVB


シャラポワ選手のドーピング問題が話題ですが、バレーボール界でも同様のトピックが話題の中心となっています。
またそれはオリンピックの出場国に関しても、そして日本が最終予選で対戦する相手にも影響を与える可能性があります。


年始に開かれたリオオリンピックヨーロッパ予選での、ロシアのアレクサンドル・マルキン選手のドーピング検査の結果、禁止薬物のメルドニウムが検出されたという問題。
シャラポワと全く同じ薬物ですな。シャラポワ以外にもスケートなどの競技で陽性が確認されていますが、マルキンもその一人となります。
東京新聞:シャラポワ使用のメルドニウム ロシアのスケート2選手が陽性:スポーツ(TOKYO Web)

予選の決勝では、途中から出てきたこのマルキン選手とベレジュコ選手が大活躍したという経緯もあるので、なおさら残念であります。


問題になったのは最近なのですが、マルキンが2月上旬以降、クラブの試合に全く出場しなかったので「なんかあったな、これは」という疑念はありました。


そもそもメルドニウムとはなんぞやということですが、

メルドニウムはもともと、心血管疾患の治療用の薬として開発された。その主な作用は、心筋損傷で死滅した細胞の領域の膨張を遅らせることと関連している。また、虚血が生じた箇所の血液循環を改善し、狭心症発作の頻度を減らすことが可能だ。

 だが、この薬物がスポーツ界でもてはやされるようになったのは、別の理由による。メルドニウムは、細胞内代謝を増加させ、ハードなトレーニングおよび心身に大きな負荷がかかる競技において、身体の持久力を高めることもできるからだ。この理由により、WADAはこの薬物を禁止リストに含めた。
禁止薬物メルドニウムとは | ロシアNOW

というわけですね。


バレーボールで持久系の薬物を摂る必要があったのかは疑問の残るところではありますが、昨年のヨーロッパ競技大会(アジア大会みたいなもん)では、実に400選手以上がメルドニウムを摂取していた可能性が指摘されており、結構手軽に摂取できるもんだったのかと思います。
【シャラポワ禁止薬物】メルドニウム、500選手が使用か 昨年の欧州競技会 BBCなど報道 - 産経ニュース


そもそもそうなるとシャラポワの処方されていたという会見が眉唾ものになってしまう気がするんですが…
このメルドニウムは今年1月から禁止薬物に指定されました。ロシアバレーボール連盟会長のエリョーメンコなんかはマルキンが最後にメルドニウムをとったのは12月頭だと語っていますが、詳しい規約などはわからないので、それならOKなのかまではちょっとわかりません。
rsport.ru



で、4月19日にFIVBにて公聴会が開かれ、処分が下される予定なわけですが、これによってマルキン個人の処分に加え、オリンピック予選でのロシアの優勝も取り消される可能性があります。
rsport.ru

そうなった場合は、フランスがリオへダイレクト、4位のドイツが日本に来るという筋書きが見えます。さっそくドイツメディアなどはリオへの可能性を示唆しています。
http://www.welt.de/sport/article153102139/Die-Deutschen-duerfen-doch-vom-Olympiagold-traeumen.html



あくまで可能性ですが、そもそも多くのスポーツ選手が摂取していた薬物ですから、危機意識みたいなものが希薄だったのかもしれません。もしくはチームぐるみ、国ぐるみの可能性もあります。
とりあえずこの事件に関しては4月19日を待たなければならないのですが、この問題どうこうに関わらずドーピングという問題に対する意識をすべてのアスリートが強く持ってほしいと思います。