「うちのオカンがね、好きなバレーボール解説者がいるらしいんやけど」
「そうなんや」
「その名前を忘れたらしいねん。いろいろ聞くんやけどな、全然わからへんねん。」
「ほんなら俺がね、オカンの好きなバレーボール解説者、一緒に考えてあげるから、どんな特徴言うてたかとか教えてみてよ。」
「地上波のバレー中継には大体出てくる、トークが巧みな大きい人やって言うてた。」
「川合俊一やないかい。
その特徴はもう完全に川合俊一やがな。すぐわかったよ、そんなもん。」
「俺も川合俊一やと思てんけどな、オカンが言うには、バレーボールのトレンドをわかりやすく視聴者に伝えてるっていうねんな。」
「ほな川合俊一と違うか。
川合俊一はね、たいがい相手のエースつぶせば勝てる言うねん、あれは。ほなかてブラジルなんていったい全体誰がエースやっちゅうねん。川合俊一ちゃうがなそれ。
もうちょっと詳しく教えてくれる?」
「なんでも株にかなり詳しいらしい」
「川合俊一やないかい!
バレー界隈で株に手出せるほど潤っとるのは川合俊一と西村晃一くらいしかおらへん。2億を5000万まで溶かしてまだ株続けられんのは川合俊一くらいや。
俺はなんでもお見通しやねんから!川合俊一やそんなもんは!」
「わかれへんねん、でも。」
「何が分かれへんねん。」
「俺も川合俊一やと思てんけどな、オカンが言うには、若い子もみんな現役時代を知ってるいうてた。」
「ほな、川合俊一ちゃうやないかい!」
「今の若い子なんて、川合俊一はただのでっかいワイドショーのコメンテーターくらいにしか思うとらんねん!
川合、熊田、井上のビッグ3の騒がれようはすごかったんやから。写真集なんて何冊出たか、わからん。当時はレコードまで出したし、若い子に言うてもわからんと思うけどレーザーディスクまで出しとったんや。
あと、川合俊一がビーチバレーの普及に努めた功績はデカいんやで。川合俊一がおらんかったら、今の日本のビーチバレーシーンはもうちょっとさみしくなってるかもしれん。
もうちょっとなんか言ってなかった?」
「いつも髪型を完璧にキメてるらしい。」
「川合俊一やがな。あの髪型は30年以上変わってへんねん。現役時代はヘアスプレーを1試合に1缶使い切った言うんやから。いわゆる、調べてみましたブログではかつら疑惑が出てるくらいなんや!
川合俊一やそんなもん。」
「わかれんへんねん。」
「なんでわかれへんのそれで。」
「俺も川合俊一や思てんけどな、オカンが言うには、その人のYoutubeチャンネルが流行ってるって言っててん。」
「川合俊一ちゃうやないか!
「川合俊一のYoutubeチャンネルいうたら登録数100人いってへんし、唯一上がっている動画はカレーうどんの汁をブロックする方法や。シュール動画狙いなんやろが、一体どうしたいのかわからんけど、俺はもっと見たい。」
「川合俊一ちゃうがな。もうちょっとなんか言ってなかったか?」
「家にマスクのストック1000枚あるらしい」
「川合俊一や!あれは実はかなり細かい人間やから!
解説ではめちゃくちゃなこと言うてるけどな、現役時代のブロック見たらわかる。絶対、計算高いミドルのブロックや!
たとえば89年ワールドカップ日本-イタリアの動画見てみい。対角の南克幸、当時19歳がわけもわからずミドルにぴょんぴょんしてるのに比べて川合俊一はかなりしっかりリードブロックしとるんや!解説ではブロック止まったら読んでましたねー!マークしてましたねー!連発するくせに実際自分はかなりシー&レスポンスの動きしとったんや。
川合俊一やん、絶対!」
「わからへんねん、でも。」
「なんでわからへんのこれで。」
「オカンが言うには、解説で平均身長を気にしないって言うねん。」
「川合俊一ちゃうやないかい!
川合俊一は平均身長至上主義者や!ほんとにそうだったら今頃ロシアが国際大会総なめにしとるわ!そのくせ現役時代は、CからDの一人時間差とかAからCの流れとか、今じゃ180㎝台のミドルしかできんようなことをきっちり決めきる、かなりテクニカルなミドルやったんや!
川合俊一ちゃうやないか。もうちょっとなんか言ってなかった?」
「われめDEポンで優勝したことあるらしい。」
「川合俊一やないか!川合俊一はわれポンで4回も優勝しとるんや。この先、われポンで優勝できるバレーボール選手なんて絶対でえへん。
元スポーツ選手の中では川合俊一と中野浩一の麻雀の強さは異常やねん!駆け引き上手な人間が麻雀弱いわけあらへん。
川合俊一にきまり!」
「わからへん」
「わからへんことない!オカンの好きな解説者は川合俊一」
「オカンがいうには川合俊一ではないっていうてた」
「ほな川合俊一ちゃうやないか!」
「オカンが川合俊一ではないと言えば川合俊一ちゃうがな!」
「そうやねん。」
「先言えよ、俺が川合俊一の髪型言うてるときどう思てたん?」
「申し訳ないなと思って。」
「ほんまにわかれへんがな、それどうなってんねん。」
「おとんがいうには、松岡修造ちゃうかって。」
「いや、絶対ちゃうやろ!」
「もうええわ。どうもありがとうございました。」