今年の9月に開かれる世界クラブ選手権。これはアジアクラブ選手権と同じくカタールのドーハで開かれるらしいが、そこではゴールデンフォーミュラという試験的ルールが使用される。
http://www.volleyballgoldenformula.com/
ゴールデンフォーミュラは、ラリーが長く続くことを目的としたルールで、ファーストアタック(サーブレシーブからの攻撃)がバックアタックにのみ限定されるというもの。このクラブ世界選手権にはカジスキーらが所属するイタリアのトレント、アンティガらのいるポーランドのベルカトフ、ボールのいるロシアのカザンをはじめ、世界中から8チームが参加する。
さて、このルールいったいどうなるのか。だいたい男子トップレベルでしか使えないだろうよ。でもまあ、そんな堅いことを言わずにとりあえずこのゴールデンフォーミュラで行われそうな新戦術を考えてみよう。
- 4人or5人並列攻撃
前衛の選手がアタックラインの後ろから打つスパイクが、バックアタックとされるのか、禁止されるのかよくわからない。ただそれがバックアタックになるとしたら、アタックラインの後ろからすべての選手が攻撃を仕掛けることになるだろう。たぶんあり得るのはクイックなどシステムは今のままで、前衛の攻撃が3mバックすること。クイックと両サイドの平行でバックアタックはそのままの位置で打つ。セッターもアタックライン付近からトスを上げることになるだろう。
ただ、もし後衛からのクイックがあまり効果を上げられない場合、4箇所、または5箇所からの同じテンポでの並列攻撃が用いられるかもしれない。
- リベロを使用しない。
逆に前衛からのバックアタックが認められないとしたら、後衛の選手の攻撃力が非常に重要になるため、攻撃枚数を1枚減らすリベロは使用しなくなるかもしれない。
例えば、セッターが後衛で、リベロもいれたとしたら、一人しか攻撃手がいなくなってしまうのだから。
- センタープレーヤーの立ち位置が微妙に。
戦術じゃないけど。前述の通り、センターもバックアタックが打てない事には、攻撃枚数が確保できないため、クイックを打つ能力よりバックアタックを打つ能力が必要とされることになる。しかも相手の速い攻撃はなくなるので、身長第一という時代は終わりを告げることにかもしれない。
日本人の中型、小型選手は非常にバレーボールがうまい。それは、専門性の高い練習を幼いころから行っているからだ。小さい選手はめちゃくちゃうまいし、逆に大きい選手はクイックしか打てない。このルールは日本人にとって非常に不利だ。バックアタックが打てるかがポイントだからだ。失礼な話だが松本選手とか山村選手とかがバックアタックを打てる気が、あんまりしない。それに今のナショナルチームでこのルールが用いられたら米山選手を、使い続けるのは相当厳しいだろう*1。このルール専用チーム(ベースは全日本、ゲストはいるけど)はこんな感じかな。そこまで真剣に考えてない。これだとさすがにラリー中が逆にきつい)。
前田 田辺 富松 |
篠田 宇佐美 清水 |
バックアタックを第一要因に考えると、スーパーエース級の選手を二人対角に置く必要がある。一人だけだと、そいつが前衛に来たら点が取れないとかなっちゃうと困るし。でさすがにそれだとパスがキツイので、リベロは入れたい。でも基本的にリベロの使用をしない前提なので、パス要員として田辺選手をライトに。そこに米山選手でもいいんだけどね(汗。あえて。
一番いいのはツーセッターで前衛の選手がトスを上げる、なんだけどなー。福沢君できないかな。
結局、新ルールがおもしろいのは、各チームがどたばたする最初の1年だけ。
なんにせよ、ゴールデンフォーミュラって名前が必殺技みたいでかっこいい。
「食らえぇっ!、ゴォールデンーフォーミュラァッッッ!!」・・・とかね。
*1:特にセッターを挟む方でね。打てないとは言わないが