Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

喜ぶ、喜ばない



16年ぶりのアジア大会優勝おめでとうございます。この1年いろいろあったけど、最後をこういう形で終われたのはまぁ、よかったように思う。
アジアで負けない(負けてるけどさ)。これは非常に重要なこと。


さて、昨日の決勝戦はそうでもなかったが、準決勝韓国戦の3セット以降の全日本には鬼気迫るものがあった。
もちろん背水の陣ということもあったが、1点とるごとにコート中央に集い、喜び、雄たけびを上げた。


僕は、1点ごとにめちゃくちゃ喜ぶ、感情を露にするチームというのは結構好きだ。
喜ぶ、喜ばないはチームや選手個人の勝手ではあるが、やはりバレーボールは楽しいものだし、その1点を取るために日々の努力をしているのだ。喜ぶのが当然だと思う。
団体球技系のスポーツで自分たちが点をとった後にまた自分たちのプレーから始まるというスポーツはバレーボールだけではないか?つまりほかのスポーツでは1点ごとに喜ぶ暇などなかなかないのではないかということだ。サッカーはまぁ、1点の重みが大きいのでまぁ、若干異なる部分はあるが。


女子のシーガルズ大阪国際滝井という礎を同じにしているこの二つのチームを黒鷲とか春高なんかでみることがあると、やはり違和感を感じる。
この2チームは点を決めてもほとんど喜ばない。笑わない。やっぱり見ててうーんと思う。


でも、バレーボールで勝つことを目的に考えた時に、1点ごとでは喜ばないというこの選択って正しいんじゃないかと思うときがある。
喜んでいる暇があったら、相手のことを観察しろ、という河本氏の教えも一理あると思うが、ひとつの精神管理の仕方としてもありなのかなと思う自分がいる。
喜び、感情を露にすることで、自分を、チームを鼓舞し、テンションをあげることができる。だが、テンションをあげるということは同時にカウンターでテンションが下がるというリスクも背負うことになる。
要するに喜ばなければ、ヘコむこともないのではないかということだ。そもそもこれも仮説の域をでないのだが。
感情の波をあえて作らないで、崩れないチームを作るというのもひとつの手段かもしれない。


バレーボールは流れのスポーツだ。ノッたチームが強さを発揮する。ただ、ノッたチームが強いのは相手チームがヘコんでしまったからという要因の方が大きい気もする。
つまりどんな相手にもプレーにも動じず淡々とプレーをするチームが一番怖いのではないか。まぁ、ブラジルのようなチームが強いのだから実はレベルの低い話なのかもしれない。


前述のように決めた後に腕振り回して走ろうが、喜ばなかろうが、何をしようとそれぞれの勝手である。
ただ難しいプレーを決めたからうれしい、ブロックの感覚が気持ちいい、練習どおりにできた、だから喜ぶ。
そういう選手の自然な感情の発露が、見ている僕らをバレーボールという競技にさらに引き込むということは間違いない。