果たしてショーバレーボールは成立し得るのか
ハーレム・グローブトロッターズというバスケットボールチームをご存じだろうか。
アメリカにある長い歴史を持つこのチームは、ショーバスケットボールで興行を行うエキシビジョンチームである。
語弊はあるかもしれないが、言ってみればバスケットボール版大阪プロレスである。
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動画はいくらでもyoutubeで見つかるので、この動画以外も参照していただきたいが、何しろ見ていて飽きない。
すごいプレーもあれば、曲芸みたいなプレーもあるし、もちろんコメディ要素もある。
チームの歴史や成り立ちを紐解けば、なかなかに深いものがあるのだろうが、ここでは触れない。
果たして、バレーボールでもこのようないわばショーバレーボールは成立するだろうか。
今日、なぜこんな話題を出したかと言えば、正直バレーボール、韓国リーグのオールスターに思うところがあったからだ。
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先月行われた韓国のオールスターはエンターテイメントを意識してか各セットを15点にしたり、男子の試合に女子の選手が出たり、女子の試合に男子が出たりと工夫した面は多いに見られたのだが、どうも見ていて楽しいのは最初に2セット程度。
もちろんオールスターという点を考えれば、普段真剣勝負している選手の違う様子が見られたり、いろんな選手の見たことのない組み合わせが見られるという点では十分楽しいのだろうが、いかんせんバレーボールとしての面白味にかけてしまう。
https://www.youtube.com/watch?v=JMhyzFX3oZw
上記URLでフル動画も見られるのだが、中盤から後半にかけてはどうしてもダレてしまった。
仕方のない部分はあるのだが、選手が目立とうとすべてのスパイクを決めに行ってしまい、ラリーが続かない。
そもそもディフェンスのコーディネートが全くできていないので、ラリーがやっぱり続かない。
1本でぽんぽん終わってしまうので、やはり盛り上がりという部分では少し欠けていたように思う。
動画を見ていると、V機構の木村会長も視察していたようなので、もしかしたら日本のVリーグでもオールスター復活という可能性はあるのかもしれないが、もし復活できるのであれば、そのあたりは少し参考にしていただきたい。
やはり楽しいだけでは、おもしろくはない。プレーのレベルの高さが必要なように思う。
ハーレム・グローブトロッターズもプロレス要素もあり、コメディの側面が強いとはいえ、各選手のプレーレベルは相当高く、レベルが高いプレーでコメディを行うから面白いのだ。
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https://www.youtube.com/watch?v=7334GjgQNx8(昨年のフル動画)
例えそれがロシアだとしても、もちろん単発、単発では動画のようなおもしろくてすごいプレーはあるのだが、なんというか中盤以降はどうしてもダレるし、全体としてみると興ざめしてしまう。
まとまらないのだが一つ言えることは、バレーボールはお祭りをするには非常に難易度が高い競技だなということである。
やはりバレーボールの(個人的に)一番の見どころである長いラリーの応酬は、選手一人ひとりの技術の高さだけではなく、「つなぐ」意志の強さによって成立するものだろうと思うからだ。
やはり本気でつながるラリーが見られないというのは、バレーボールのおもしろさが半減してしまうように思う。
もちろんハーレム・グローブトロッターズのようなバレーボール興行は成立しうるかと、オールスターをいかに面白くするかというのは全く軸足の違う問題である。
とはいえ、全くまとまらず答えも出していないこのエントリが、バレーボールを一つのエンタテイメントとしてどう発展させていくかと考える一助になれば幸いである。