Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

あるスロバキアクラブチームの新しいかたち



浅学ゆえ、今日のエントリで紹介するチームの存在をつい先日まで知らなかった。
ヨーロッパのクラブシーズン開幕前のこの時期、このチームがイタリアに練習試合にきたというニュースで初めて知ったわけである。


そのチームの名はVOLLEY TEAM UNICEF BRATISLAVA

http://www.volleyteam.sk/

ちなみにBRATISLAVA(ブラチスラヴァ)はスロバキアの都市の名前である。
なおこのチームの監督は一時期、全日本コーチ入りも噂されたザニーニ氏である。


FCバルセロナが、胸にユニセフ(国際連合児童基金)のロゴを載せたこともあったし(今は背中)、他にもユニセフロゴを胸ロゴに着けているサッカーチームはいくつか知っていたが、「ユニセフ」その他補助機関の名前がついているチームというのは聞いたことがない。ヨーロッパの多くのバレーボールチームは基本的に企業のスポンサードを受け、チーム名にそのメインスポンサー企業の名前が入るのが一般的である。たとえば昨季セリエA王者であるマチェラータの今季の正式名称はルーベ・バンカマルケ・マチェラータ。ルーベはキッチン用品メーカー、バンカマルケはマルケ銀行の名前がチーム名になっている。なので、年ごとによってチームの名前が変わることも多々ある。
そういった中でチームの名前に「ユニセフ」が入るというのは個人的には非常に新鮮であった。ちなみにユニセフとのパートナーシップは昨年10月からでとりあえず3年の期間だという。


あくまでスロバキアユニセフとのパートナーシップではあるだろうが、これはクラブ運営としての一つの新しいかたちになりうるのではないかと思った。


調べてみると、バレーチームユニセフは、以下のような特徴を持っているようだ。ただ、前述のように最近知ったばかりであるし、スロバキア語の微妙なニュアンスがイマイチわからない部分もあるので、間違っていることもあるかもしれない。正直なところ、お金の流れというのは明確にははかりかねている部分がある。おそらくではあるが、バルセロナと同様、あくまでユニセフとはパートナーであって、ユニセフがスポンサーというわけではないと思う。

チケットの売り上げは寄付する。

ホームゲームにおけるチケットの売り上げ自体はユニセフに対する寄付にするようだ。
要するにファンにとってはバレーの試合を見に行くこと=寄付ということになる。

理念に賛同するスポンサーを集める

当然、チームの運営には資金が必要なので、スポンサーが必要となるが、そのスポンサーフィーの一部も寄付に当てているようだ。
やはり個人的な所感ではあるが、チームの規模の割にはかなりの数の企業がスポンサードしているように思う。
スポンサーとしても間接的にユニセフを支援していることになり、スポンサードの価値は高まるのではないだろうか。

チャリティーマッチを行う

チケット売り上げを全額寄付するんなら毎試合チャリティマッチみたいなもんだろ、とも思うのですが、それとは別にパートナー機関や学校と連携し、チャリティマッチを行っているようです。

ユニセフのプログラム提供、放課後のスポーツ活動など、子どもたちの健康と教育を支援する



まぁ、実際それぞれの国のユニセフユニセフ本体とは別組織だとかどうだとか、結局のところスポンサーはユニセフに直接寄付した方がはやいんじゃないかとか、この行い自体が正しいことなのか、正直僕にそこまでネットリテラシーがないので、詳しいところまでははかりかねる訳ですが、スポンサーシップに価値を与えるという意味では斬新であるかなと。どこのチームにでもできることではないだろうが。