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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその21 マイカ・クリステンソン



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現在モデナでプレーするアメリカのクリステンソンの代表デビューは2013年。
2013年のグラチャンでは思うような成果とはいかなかったものの(5位)、20歳でサイズがあって、サーブが強くて、ブロックが良いモダンなセッターが突然現れたのだから、驚いた。
その後、大学を卒業して、イタリアに行き、16/17シーズンはスクデット獲得。2008年世界選手権ではベストセッターに輝いた。


アメリカにはプロリーグはないため、基本的には大学卒業と同時に海外のクラブに行かなければならない(在学中から行く選手もいるが)。
F1なんかでもそうなんだけど、イタリアセリエAにおいては、ヨーロッパの外からくる若い選手が最初から上位の4チーム、ルーベ、トレント、モデナ、ペルージャに入ることはまずない。まずは中位、下位のチーム、もしくは周辺の国のチームにまず入って、そこで実力を見せて初めてトップチームに移籍する、という流れが一般的である。アンダーソンだってプロキャリアの最初は韓国だし、サンダーもホルトもヴェローナから。クリステンソンと同じ歳で同時にイタリアに行ったラッセルはペルージャだったが、最初からスタメン確定という感じではなく、リーグ半ばからポジションを奪った。クリステンソンは最初からスタメンセッターとしてルーベに招かれた。ラッセルとどちらも大学時代から、すでに代表で活躍していたから、ということもできようが、今後もなかなかそういう選手は出てこないだろう。

 
クリステンソンはミドルとパイプの使い方が上手く、使用率も高め
他のセッターよりは少し肘を柔らかく使い、ボールタッチ時間も少し長いが、持っているという感じはほとんどない。少し柔らかいセッティングと言えようか。その若干の柔らかさがクイックとパイプの見分けを非常に困難にしている。
ミドルを使えるセッターは度胸がある、と表現されることが多いが、クリステンソンにとっては少しそぐわない表現にも思える。ミドルにセットするときには、固くなるというかこわばるセッターも多いのだが、クリステンソンは自然にミドルを使い、パイプを使う。
あと右利きなのに、左利きのごとく左手で強いツーアタックを打てるのはすごい。


クリステンソンとジャネッリはどちらがより良いセッターか、というおそらくは答えの出ない愉しい議論を今後7,8年は続けられることを素直に喜ぶべきだろう。