Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

チャレンジシステムの本当に良いところ



London Olympic 2012


昨今の国際大会ではもはや当たり前となってきているビデオ判定チャレンジシステムが今シーズンからVプレミアリーグでも導入された。

ビデオ判定システム(チャレンジシステム)の導入について | バレーボール Vリーグ オフィシャルサイト(chromeだと見にくすぎー)


もちろんチャレンジシステムによってインアウト、ワンタッチに関して正確な判定が行われている、ということ自体素晴らしいことであると思う。
ただそれ以上に導入して良かったと思うのは、審判へのアピール、特にラインズマンへの抗議が目に見えて減った点である。
以前まで判定が怪しければ、とりあえず主審ひいてはラインズマンに抗議しておけ、という風潮があった。しかしチャレンジシステムが出来たことによって、「文句があるならチャレンジしたらいいじゃん」「ぐぬぬ。そこまで自信あるわけではない」という雰囲気が醸成されている。


チャレンジが成功すれば減らないが、1試合2回までというチャレンジ回数がなかなか絶妙で、これがもしセット2回までくらいの回数であれば、疑惑があったらすぐチャレンジして、成功であれば審判ちゃんとやれよという感じの空気になるのだと思う。2回というわずかな数なので、チーム側はあまり自信がなければチャレンジ要求できない。結果的に審判の判定を尊重する傾向が強くなっている。


1試合2回というその絶妙なチャレンジ回数は、判定に対しての責任をチーム側も負うことを強いている。昨シーズンまでであれば、チーム側は判定に対して関与できないため、やんちゃな選手などは審判に対して心無い言葉を投げつけてしまうこともあったのではないか。
今シーズンはチャレンジシステムによってそのような場面は起っていないと思う。今まで無条件に審判に抗議していたのが、チャレンジするかしないかという自分たちの問題にすり替わった。
チャレンジシステムは審判を助け、そして同時に守ることができているのだ。もちろん選手側としても手応えのあるワンタッチなりは審判が見えていなくてもチャレンジできるので、選手側にとってもプラスである。


機構としては時間短縮やタイムアウトがわりに使うのを防ぐ目的に、チャレンジ回数を設定したのであろうが、これがなかなか審判に対するマナー向上につながっている。
本当に公正を期すのであれば、ラインズマンをなくして怪しいボールは全部チャレンジシステムにかけるという方法もあるにはあるが、それではあまりに時間がかかりすぎてしまう。


もちろん結果画像が公開されないであるとか、適用範囲が狭いであるとかの諸問題はあるのであろうが、おおむねチャレンジシステムの導入は成功と言えるのではないか。
以前、審判に問題があるわけではなく、システムに問題があるのだと述べたが、チャレンジシステムによって問題の大部分は解決したように思う。
大体問題が起こるのは、インアウト、タッチといった解釈の余地を挟まない判定に対してである。さすがにワンハンドセットに対してダブルコンタクトでも吹かない限りは(昨日あったらしいけど)。


あとたぶんリーグが終わってみなければわからないが、サービスエースの割合は例年と比べて高くなるのではないかと思う。
やはりチャレンジシステムがあることによって今までアウトにされていたボールがだいぶイン判定されている。以前と比べて10cmコートが広がったイメージがある。
あ、ミカサとモルテン隔年だからおととしの成績と比べないといけないな。

おまけ1

先日のイタリアの試合で面白いチャレンジがあったので、少しご紹介。
まさかそんなところがネットタッチ。

おまけ2

ビデオ判定の技術はここまできているらしく、下の動画ではパンケーキが上がったか、上がってないかの判定もできるようである。
すごいなぁ。
vimeo.com


あ、そうそう、vimeoで思い出したんだけど、全試合ハイライトも公開されているようなので、批評とかブログ界隈あたりも盛り上がってほしいところである。
vimeo.com