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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

シングルレッグセッティング



デセッコやジャネッリを見ていると、片足で踏み切ってセットすることが多いことに気付く。

 
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もちろんこれは自分から離れたところのボールを上げに行く時の話で、一歩、二歩くらいの距離で片足ということはない。

あくまで頻度が高いという話だが、例えばマルーフが片足で踏み切るのは見たことがない。片足でジャンプするくらいなら、ジャンプをしない。
アメリカではフットワークにやたらこだわる傾向にあるので、片足で踏み切って上げるというのは、体系立てられてスキルの中に入ってきているが、あくまで緊急時のスキルという点が強調されているように思う。

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デセッコやジャネッリはもう少し広い範囲で、割と間に合うようなタイミングでも片足踏切を使っているように見受けられる。

私がここで述べたいのは、片足で踏み切ってあげるというのは緊急時のスキルである以上に、もう少し色々な場面で使っても面白いスキルなのではないかということ。


その利点について、いくつか仮説を立ててみたが、あくまで仮説であるので、正しいかどうかの保証はない。

早いタイミングでジャンプセット動作に移行できる

これは仮説というか、単に最大の利点として、疑う余地もないのだが、両足で踏み切ると間に合わないので、片足で踏み切る。
ハーデンの片足3pなんかもこれだろう。
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動いている状況では、片足踏切のほうがボールに力を伝えやすい

 バスケットボールでも、スピードが乗った状況では、片足踏切でダンクに行く場面が多いように思う。ボールに走っていく状況では、しっかり止まってから上げるより、向かっていくスピードをボールに伝えられるほうが良いのかもしれない。間に合わないからといって、スタンディングセットするより、むしろ無理してでも片足踏み切りしたほうが、もしかしたらいいのかもしれない。

骨盤の角度に自由度が出る。

特にデセッコにみられるが、片足で踏み切ったときはバックセットのほうが多い。
片足で踏み切ったほうが、骨盤を後傾しやすく、バックセットしやすいのかもしれない。

軸に乗りやすい

これはちょっと無理筋な仮説な気もするが、往年の竹下佳江を見ていると、あながち間違いでもないかもしれない。
片足で踏み切ったほうが、軸の意識が強まって、ボールを軽く扱えるのかもしれない。さっきのハーデンの片足ももしかしたらこっちの意味も少しはあるのかもしれない。
軸の回転も片足あげたほうがしやすい気がする。
 

股関節にエネルギーを貯められる。

動画では、踏み切るのは右足がほとんどであるが、浮いた左足はボールを離す瞬間、伸展動作をしていることが多い。
ボールに伝えるエネルギーを股関節の伸展によって生み出しているのではないかという仮説。ここまでくると、本人は無意識に違いないと思うが。


よくわからない話になってしまったが、やっぱり日本では、セッターはボールの下に早く入って、止まって上げなさいというのが、基本とされていると思う。
もちろん片足で上げる利点というのは、明らかになっていないのであるが、研究する余地はあるだろう。