Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその7 マウリシオ・リマ



www.instagram.com


www.youtube.com


1992年、ブラジルは世界を驚かせた。選手はほとんど変わらない2年前、1990年の世界選手権のオフェンスシステムと比べれば違いは歴然で、ダブルクイックを基調としたサイドもスピーディーな4枚攻撃はそれまでシルバーコレクターと呼ばれたブラジルのバレーボールに初の大きな国際大会での金メダルをもたらした。
4枚攻撃は当時どのチームも取り入れ始めていたが、サイドの攻撃はゆったりしていたし、オポジットは時間差に入ることが多かった。ブラジルに対して相手のブロックは中央からの厚い攻撃を無視できないし、サイドのはやい攻撃についていけなかった。就任間もなかった38歳のギマラエス監督が現代バレーボールのベースを作り上げたといっても過言ではないだろう。


それを可能にしたのが、マウリシオ・リマのテクニックだ。184㎝という身長は決して極小というわけではないが、当時そこまで大きくないセッターというのはどうしてもタイミングをずらしたり、とるポイントを変えたりと、ボールをこねくり回す傾向にあった。それが上手いといわれる風潮だったのだろうと思う。しかし、マウリシオはボールを高いところでシンプルに、スピーディーにさばいた。どこかに上げると匂わせておいて意表を突くのではなく、どこに上がるかわからない、という状況を作り出した。これは中田久美に倣ったなんて話もあるけど、果たしてどうなのだろう。
www.oaj.jp


彼の存在があったからこそ、彼を追い越すためにリカルドが成長したし、それに続くブルーノまでの系譜が生まれたのだろう。
ちなみに男子バレーで5回以上オリンピックに出たことのある選手というのは、マウリシオ(5回、ソウル~アテネ)、ジャーニ(5回、ソウル~アテネ 、テチューヒン(6回、アトランタ~リオ)しかいない。