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きょうのセッターその6 ブルーノ・レゼンデ



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愛称ブルニーニョとして知られるブルーノ・レゼンデ。
代表監督であったベルナルド・レゼンデが父親だったことから、まだ若い時分からの選出に「贔屓だ」という批判も多かったであろうが、それも見事にはねのけ、地元五輪で金メダルを獲得した。
20/21シーズンから再び母国ブラジルでプレーする。


個人的にブルニーニョのセットのテクニックは好みではない。腕力に任せる時が多いし、フォロースルーの左右の手なんて揃ってるほうが少ないし、特にフロントセットは毎回違う軌道を描く。決してくさすつもりではなくて、バックセットは素晴らしいと思うし、特にネットから離れたところからルーカスに上げる後ろのクイックは天下一品である。
ただやはり他の一流のセッターと比べると、テクニック的に見劣りするのは否めないと思う。
しかし彼が現在世界一のゲームチェンジャーであることに疑いの余地はない。


ブルニーニョの持つストロングポイント、それはやはり彼の持つ勝者のメンタリティとリーダーシップ、そしてディシジョンメイキングの上手さに尽きる。
勝者のメンタリティは「疑わなさ」だと考える。どんな時でも勝利を疑わない。チームを疑わない。チームを鼓舞し、スパイカーに気持ちよく仕事させる。どんなチームでもキャプテンを任せられる圧倒的信頼感。
そして、彼はどこに上げるかのバランスが抜群にうまい。普通、試合の大事な場面では信頼度の高いアタッカーにボールは集まるものだが、ブルニーニョの場合、時折「おっ、そこに上げる?」ってのが混ざってくる。もちろん意表を突くばかりでは勝てないが、絶妙なバランスというのだろうか。安直なトス回しにならないし、奇をてらったものにもならない。そして最後の最後の場面では、誰に上がるか全くわからない。
それは彼の、自分を、チームを信じる心から生まれるのだろう。そしてそんなセッターをスパイカーは信頼するからこその強さが生まれるのだろうと思う。