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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその27 ラファエル・デ・オリベイラ



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ミドルの指がゲッツ!なのが気になる。


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セッターは力ではなく、タイミング。ラファを見るといつもそれを思い出す。


ラファエルはあまりブラジル代表での活躍が多くないが、クラブでの実績で言えば、ブラジルNo.1のセッターと言えよう。
2010年あたりにカジィスキ、ユアントレーナを擁して世界クラブ4連覇にチャンピオンズリーグ2回にスクデット3回など圧倒的な強さを誇ったトレンティーノのセッターがラファエル。それでもほとんどと言っていいほど、代表には呼ばれなかった。


個人的に究極のセッターというのは、いい意味で「いるかいないか、わからないセッター」、「漠然と試合観たあとに記憶に残っていないセッター」と位置づけている。あくまで究極で厳密にはそれは不可能なのだが、ただ自然に1本目と3本目をつなぐ役割。余計なことをせずにただスパイカーの能力を発揮させる。セッターが目立つチームというのはスパイスが効きすぎているカレーみたいなもので、そりゃ目を引くかもしれないし、一発のパンチはあるかもしれないけど、一杯食べ終わったあとにどうなの、と。


そういう意味では、ラファエルというのは私の理想に近い、絶妙な隠し味セッターとも言える。
カジィスキ、ユアントレーナいるんだから誰がセッターでも上げられる、という批判もいくらかあったが、ラファエルのいい意味での何もしてなさというのは、トレントにとって不可欠なものだったように思う。


ステップ、ジャンプ、コンタクトのリズムがどこに上げるにしても一定で、心地が良い。ほぼ一直線の姿勢から余計な動作がほとんどなく、硬めのハンドリングから跳ねるようにボールを飛ばす。完全な推測だが、ジャネッリのセットのベースにあるのはラファのセットのような気がしている。ジャネッリがトレントのジュニアで過ごしているときに、トップチームのスタメンだったラファエル。そのセットを見習ったという可能性もゼロではあるまい。


もしブルーノがいなかったら。そんなことを考えてしまうわけだが、どちらにしろブラジル代表だともう少し「色」が求められて、ウィリアムに勝てなかったかもしれない。