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バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

きょうのセッターその35 フィタル・ヘイネン




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赤いチーム2番



ポーランド代表監督として2018年世界選手権を制し、セリエAの1、2位を争うペルージャの監督でもあるフィタル・ヘイネン。
世界一の選手と言っても問題ないであろうレオンの、代表の監督でもあり、クラブの監督でもあるわけだ。いまや、世界をリードしている監督といっても過言ではない。
妥協をしないコーチングでも、クレイジーさでも、思っていることをはっきりと言う正直さでも、そのユーモアでも注目の的であるヘイネン監督だが、現役時代はセッターとして成功している。

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ベルギー生まれのヘイネンは、選手としてのキャリアのほとんどを、生まれたマーサイクで過ごした。10年の間で、8回のベルギーチャンピオンになり、ヨーロッパチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)でも2回準優勝など輝かしい成績。選手の間はほぼクリスティアンソン監督のもとでプレーし、引退後、ヘイネンが1年アシスタントを務め、翌年そのままマーサイクの監督になった。そう考えると、ヘイネンの監督としてのスタイルとアンディッシュのスタイルというのはやはり似ているところがある気がする。


動画をみると、セッティングは硬質なイメージ(というか動きもちょっと硬い)で左右の手の力差を活かしたサイドセットが特徴でそんなハンドリングでよくドリブルしないなと感心せざるを得ない。横にスライドしながら上げるところなんかは、同じベルギーのセッターですでに紹介しているデペステレと似たようなところがある。
緩急つけたジャンプサーブも高い効果を上げている。ブロックはちょっとイマイチかな。


多くの国民が複数言語を話すベルギーが母国ということもあるが、5ヶ国語(英語、オランダ語、ドイツ語、フランス語、イタリア語)を操り、ポーランド語も覚えつつあるヘイネン。それでもなおポーランド代表監督としてポーランド語をまだ習得していないことをポーランドのファンに対して、申し訳無さを感じている。そこにはコミュニケーションをより簡潔に、より深くとりたいという欲求、もしくは目論見が働いているのだろうと思う。それは優れたセッターとして当たり前のことなのかもしれないし、グループのリーダーである監督に必要な要素と深く関わりがあるのかもしれない。