Stay Foolish

バレーボール(主に男子)をいろんな視点から見ていくブログ

ビデオ判定



アメリカのブログ、Volleywoodのネタ。
韓国リーグでは、すでにビデオ判定が導入されているらしい。
動画では、その様子が映し出されている。大韓航空のパタクのスパイクが一度はアウト判定されるものの、ビデオ判定の結果ワンタッチが認められた。ブログでは、韓国ではウソつけないぜ、HAHAHA。という論調だが、もうちょっと踏み込んで、バレーボールにおけるビデオ判定について考えてみたい。ただやはりそれこそ大学の試合や高校の試合でやるのは当然無理があるから、Vリーグへの導入にむけてという視点で考えたい。


旧来から、スポーツではビデオ判定の必要性は叫ばれているものの、特にバレー界では議論に上がることもなく、現在に至っている。やはりそれにはビデオ判定の導入には以下のような問題点があるからだろう。

  • 毎回やってるとゲームの進行を阻害する。
  • 審判の権威
  • ビデオ判定したは良いけど、映ってなくてわからなかったではすまない
  • コスト(システムの導入、維持)

ゲームの進行を妨げない

微妙なプレーの度にビデオ判定を行っていたのでは、ゲームの進行が妨げられ、試合時間は長くなり、エンタテイメントとしてもその価値が下がる。
アメフト(NFL)やテニスでは、すでにビデオ判定が導入されている。それぞれアメフトでは、タイムアウト1回分をかけて、テニスでは1セットにつき3回まで、主審の判定に対して、異議がある場合、選手側からビデオ判定を申請できるというシステムをとっている。ウィンブルドンを以前テレビで見ていたときに、ビデオ判定(ライン判定)を見た事があるが、結果は会場のスクリーンにCG化された映像が大写しになるので、観客も楽しめるし、それでゲームの流れが変わることもあって、なかなか愉しめるものだった。

韓国リーグの動画を見る限りでは、ビデオ判定のきっかけとなる行動がわからない。チーム側から申請を行ったのかもしれないし、あくまで微妙なプレーだったので、ジュリー的な人が独断で行ったのか・・・韓国の規約を読み込めば、なにか書いてあるかもしれない。どちらにせよ、チームからの判定申請はバレーボールも1セット1回までなどの規定が必要になるだろう。
こういった回数制限を用いれば、逆に審判への抗議も少なくなるだろう。抗議が即、数少ないビデオ判定権の使用につながってしまうからだ。とりあえずクレームつけとけ的なことも多い現状では、トータルでみたら、試合時間の短縮につながることもありえる。

審判の権威

今まで、審判は絶対という不文律のもと行われてきたことに、ビデオ判定が持ち込まれることによって、審判の権威、威厳が損なわれる恐れもある。
しかしながら、あくまでビデオ判定を第三者の目線におくのではなく、あくまでジャッジングの中に組み込んでしまえば、この問題は解決する。たとえば審判がアウトと言った上で、ジュリーなりがビデオ判定でインになりましたと言ったのでは、たしかに審判の権威はちょっとあぶなくなるが、主審自らがビデオ判定を行い、「俺が自ら見たんだから、文句あるか」というのであれば、ビデオ判定はあくまでジャッジの一部になる。審判自身が自信を持てずにジャッジするよりはこちらの方がよっぽど審判の威厳が保てると思う。
ただバレーボールの性質上、審判は審判台の上から動けない部分があるので、難しい部分があるかもしれない。たとえば新しく審判団にビデオ判定係をつけたり、副審がビデオ判定を行うということでもいいのかもしれない。
また、審判の権威を保つためにも、判定を行うのは、ライン際のジャッジ、ワンタッチ、ネットタッチ等、客観的な部分に限る必要もあるだろう。他のホールディングやドリブルなどは審判の主観の部分が大きいし、僕はそれでいいと思っている。

システム作り、コスト

ビデオ判定まで行ったは良いけど、肝心な部分が映っていなかったでは、ちょっと洒落にならない。
前述のようにテニスではかなり大がかりなシステムを取り入れているわけだが、それが出来るのも基本的には大きい大会のみだろう。しかもテニスならラインジャッジのみで済む。しかし、バレーボールはワンタッチの判定もろもカメラにしても追うべきポイントが多岐にわたる。すべてを網羅するシステムを作るのいうのはなかなか無理がある。以前、ポーランドかどこだかの中継でテレビ局が独自にエンドライン際にカメラを配置し、微妙な判定をしつこくリプレイしていたが、そういう形が限界なのかもしれない。
この韓国のパターンでもおそらくは、テレビ放映が前提でそのカメラからの映像を間借りしているはずである。年間テレビ放映が20試合にも満たない日本のVリーグではそもそも会場にカメラがあることがすくないので、難しいかもしれない。
ただ会場にカメラが入っているケースで、明らかにビデオを見ればわかるというときにはビデオ判定をやってもらいたい気がする。




ビデオ判定の導入は障壁が多く、夢のような話でもある。
しかしながら、ファンとしては公正なゲームを見たいし、明らかな誤審を審判は絶対という言葉で流されたくはない。
そしてビデオ判定の導入は、審判のためでもある。審判だって人間なのだから、当然、誤審はする。だから、ビデオを使ったって何も恥じ入ることはない。最終的に正確な判断が下されるのであれば、手段を問うべきではないだろう。
なにかと「新しいことをやる」という部分では韓国Vリーグに遅れをとっているが、参考になる部分があるのなら、ぜひとりいれてもらいたい。
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